隣の席の甲斐くんは性格が悪い

第1話 隣の席の甲斐くん

高校に入って初めての新学期。

窓からは桜が風に揺れているのが見える。

黒板に貼ってあった出席番号の場所に座るとイヤホンを着けながら机に突っ伏していた隣の席の子がこちらを見た。

｢…うわ！イケメン。｣

あまりに端正な顔をしてるもんだからそんなことを口走っていた。

｢はは。ありがと。｣

一瞬驚いた顔をしたもののすぐに微笑んでよろしくね。と言ってくれた。

｢じゃあまずは自己紹介するか！｣

はじめましての担任が入学式を終えて教室に、帰ってくるとそう言った。

きたな。これからの生活が決まると言っても過言ではない大事なイベント。第一印象は大切に行くから。

｢青木梨乃です。よろしくお願いします。趣味は…｣

こんな感じで始まった自己紹介も私の番は目の前。すると隣の席のイケメンくんが立ち上がった。

｢甲斐湊(かいみなと)です。よろしく。中学ん時はバスケ部でしたー｣

甲斐くんって言うのか。へぇー

って相変わらずイケメンだな。女子の目がキラキラしてるもん。笑

よし、次私だ。

｢…かっ！葛西千波(かさいちなみ)です…よろしくお願いします…！｣

噛んだ…

終わった…

だって！極度の人見知りだもん！

あぁぁ、終わったよー 泣