第22話田中春馬
田中春馬は、すべて自分は完璧だと感じていた。
女にはモテモテでスポーツも勉強も常にトップだった。
大手の会社で営業部に配属された。
両親の薦めで医者になろうとも考えたけれども営業スマイルが生かせる仕事がしたかったし親のレールには乗らないと決めていた。
しかし、そこで運命的な出会いがあるとは思わなかった。
香川みさきである。
雰囲気が春馬のタイプだった。
それから春馬は、みさきに何だかんだで絡むようにまでになった矢先に彼氏の登場だった。
春馬は、営業で常に業績トップだった。それは、みさきへのアピールの1つだったがみさきには関心がないらしい。
どこぞのSNSの男に取られたかと思うだけで悔しさが増した。
そこで、2人を尾行する事にした。
春馬にはプライドなんてなくなっていた。
喫茶店から楽しそうに出てくる2人を見るのは辛い。
ある日、あの男が違う女を連れて歩いているのを見た。
みさきに報告しても耳をかさないとばかりに無視された。
しかも、友達を紹介された。
シングルマザーのまみは、さっぱりした女だった。
子供のひなたもなついて春馬も嬉しかった。こんな温かい人生もと思ったがみさきに会うとすぐに温もりや理性も壊されてしまった。
断るしかなかった。
何で?振り向いてくれない?
香川みさき…。
特別美人ではないのに隠れた濃い血が流れているような人形。
たかが行き遅れたおばさん…。
みさきの悪口を言っても最後には欲しい。香川みさきが欲しいと心臓が
ドクン
ドクン
と高鳴っている。
人生ドン底からのスタートでゴール出来る事がある。
何故かやけ酒をしているみさきをおんぶして家まで連れて行くなんて思わなかった。
「100%!」
と言われて狼になる自分を抑えて眠りについた。
幸せだった。
別れてくると言ったみさきが心配でみさきの自宅まで行ってから記憶がない。
若林明が自分を刺して逃げるなんて思わなかった。
みさきは、毎日、病院に来てくれた。
みさきは、吹っ切れたような顔をしている。
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