第20話真っ白な世界


みさきは、1週間仕事を休んだ。


有休もたまっていたので。


傷心旅行をした。


母は、結婚相談所に通い詰めていないし。


とにかくゴミゴミした場所に行きたかった。


色々なところで満員電車に乗ってるだけで人肌に触れたかった。


そんな電車の中でわたしの手を掴んだ手があった田中だった。


電車から出ると


「何してんすか、先輩。」


「傷心旅行かな。」


「似合わないすね。」


「仕方ないじゃん初めてだもん…。あ!ぁぁあ!」


みさきは、泣き出した。


号泣である。



「現場押さえましたか、それはキツいですね。」


「なんとなく分かってたんだけどね。」


2人で居酒屋に入って飲み始めた。


「失恋後の一杯うまいね。」


みさきは、呟いた。






「俺に乗り換えません?」


ボソッと田中は言った。


「チャラいね、田中春馬~。」


みさきは相当酔っぱらっている。


「俺は、マジですよ本気ですから。」


「はいはい、冗談は良いから~これからわたしの未来について考えてよ。」



「みさき先輩は明さんと別れるべきっすよ。浮気ですよ不倫ですよ。そんなの先輩のキャラじゃないっすよ。」


「う~ん、だよね。でも好きな人がどんどん秘密を暴露してくれるとまた好きになったゃうんだよね~。」


「歪んだ恋愛観ですね。」


「…。」


みさきは寝てしまった。





「先輩!先輩!」


「ん?どこ?」


「先輩の家ですよ。」


みさきは酔い潰れてしまい田中におんぶしてもらって自宅に到着した。


「大丈夫っすか?今、水もらって来ますね。」


と、花子登場。


「良い男ね。」


と言って水を置いていった。



「先輩が言ってたお母さんと真逆じゃないですか、美人だし、優しいし。」


「ボケたふりしてたんだって、わたしのために。」


「そういう事っすか。複雑ですね。」


「わたしの頭から湯気が立つぐらい複雑よ。」





「先輩、俺帰ります。」


立ち上がろうとした田中をみさきは引き止めた。


「なんすか?」


「泊まっていきなよ。」


「良いんですか?」


「良いけどエッチはなしね。」


「当たり前じゃないすか!どんだけ獣だと思ってるんすか?」


「100%ぐらい…。」



「マジっすか…。」


田中は、苦笑いをした。


でも、あの病院に入院してる人は誰なんだろう?


と今さらみさきは思っていた…。


確かめるかな…でも、怖いかな、明の嘘が怖い。


「田中君、ちょっと調べて欲しい事があるんだけど。」


「はい、良いですよ。」

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