第12話惚れた


「やっぱり…。そうだよね。」


まみは、残念そうに深くため息をついた。


「もしかして田中君に本気になった?」


「当たり前じゃん!あんな良い子いないよ。」


みさきもため息をついた。



「何がいけないんだろ?」


きょとんとした顔でみさきは、呆れているまみを見た。





「バツイチ子持ちなんて相手にしないよ普通。」


「そうかな?わたしが男ならまみと結婚するけど。」


「サンキュー。そういう能天気なみさきもわたしは好きだよ。」


能天気?


「ひなたもお兄ちゃん来ないの?って毎日言われるから困ってる。」


「何かごめんね。」


みさきは、まみに謝った。


「あんたの方は大丈夫なの?」


「うん、家連れて行ってもらったし。」


「あんた、不倫相手用の部屋に連れていかれたんじゃないの?」



さすがにそこまでは読めなかったが…。



「モモって犬がいたからな。でも生活感なかったし。やっぱり、怪しいかな?」


「うーん、分からないけど約束してドタキャンして後つけてみたら?やりすぎかな。」


まみは、笑いながら言った。




さすがにそんな勇気はなかった。


みさきの、心の中にはポッカリと穴が出来た感じだった。


一緒に歩いてた女、モモのいる部屋。


仕事をしてても頭の中がぐちゃぐちゃになるばかりでコンセントも穴も見つからない感じだった。


そんな時にメールがパソコンに届いた。


メールを開くと明が若い女性と手を繋いでいる写真だった。


誰が…送って来たのだろうか?


でも、これは合成写真には見えないし…。

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