第9話子供


「ちょっと!」


「何?まみ?」


ファミリーレストランで田中春馬を紹介してる最中だった。


1人トイレにみさきが立つとまみもついてきた。


「超イケメンじゃん!ヤバイよ、わたしびっくりしてる。しかもヤリチンに見えたいしひなたもすぐになつくし凄くない?」


「ただのイケメンのヤリチンよ、あんなの。」


みさきは、捨てるように言った。


「やっぱり、みさきは、ずれてるよね。あんな後輩いたら仕事が手に付かないわよ。」


「ふーん、良かったまみが気に入ったみたいで、そろそろわたし帰るから後は3人で楽しんでよ。」


「は?無理よ!」


「田中君に言っとくから上手くやりなよ。」



席に戻ったみさきは、じゃんけんをして遊んでる田中とひなたに


「お兄ちゃんがこれから水族館連れて行ってくれるみたいよ。」


田中は、ぽかんとした顔をした。


おばさんは帰るからとひなたに手にを振った。


ひなたは笑顔で手を振ってくれた。


「ちょっと!先輩!」


時には強引にだ。






ファミレスを出るとみさきは、明にメールした。


最近は、異常に明に執着している自分がいる。


楽しい事も悲しい事も共有したい。


謎が多い明だが、彼の優しさにみさきは麻痺している。


【良かったね。】


とシンプルな返事がかえって来た。


この時は何も考えなくて良かった。


心配さえもはねのけるパワーと信じる力を持っていた。



これがやがで来る心配の第一候補になるなんて…。

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