第16話 二人の関係

それから、数ヶ月、中村と潤との関係は続いていた。



それはけして甘い恋人同士のそれとは全くの別物で、飼い主と犬の様な従順な関係であった。




ある日、潤は夜遅くにオフィスに呼び出された。最近はお決まりのコースである。「オフィスで行為」ある意味、中村の癖である。



着くといきなり局部を口で含む事を要求された。



潤はもう中村の言いなりで、抵抗する事なく、すぐに口の中に押し込んだ。



喉の奥迄含んだり、出したり、先だけ舌で舐め回したり、色んな技法を使う。



けして楽しんでいる訳ではない。早く事を終わらせたいのだ。



しかし、その日は果てても果てても、また何度も要求された。



もう、妄想の世界に逃げるしかなかった。




今、俺は三浦さんのものを舐めている。俺に舐められて、気持ちいいって思われたい、もう、俺じゃなきゃ駄目って言わせい。



もう、口だけじゃ済まないよって言われたい。三浦さんのものを身体で受け止めたい。



そう考えて行為に没頭すると、潤の巧みな技巧はより一層輪を掛けて研ぎ澄まされる。



中村は何回も絶頂を迎えた今でも、自分自身を発射させるのを食い止めるのに必死にならざる得なかった。




しかし、中村はこんな関係を望んでいる訳ではなかった。




潤がゲイだという事は自分と同族だという理由ですぐに理解した。だからこそ、中村だってもっと甘く、恋人同士みたいに関係を進めたかった。




しかし、自分の不器用な性格と、三浦を余りに慕っている潤に、あからさまに自分を拒絶された事で、もう後には引けなくなってしまっていた。




何度目だろう、それでも勢いよく、中村は潤の口内に自身を放った。




自分ばかりよがって、それを何となく罰が悪いと思ったのか、中村は急に潤のパンツを脱がした。



「止めてっ!」




そう潤は言ったのももう遅く、慰めてもいないのにすっかり大きくなり、尚汁を垂れ流した潤の局部を見た中村は満足気にそれを含んだ。

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