第14話 慰安旅行当日8

一頻り飲んで、宴会は一段落した。



二次会は仲の良いもの同士で、各々の部屋でという事になる。



俺は飲み過ぎたので、その誘いをパスして、自室へ戻る事にした。



通路に設置してある自動販売機でミネラルウォーターを買う。




「本当、こういう所ってぼったくりだよな」




思わず、1人言がでた。




すると、後ろから声がした。




「本当、そうだよな。」




振り替えると、中村が立っていた。




良くわからないけど、何となく気まずい。



俺は返事もそこそこに、少し早歩きになって、部屋へ急いだ。



すると中村が後を追い掛けてくる。



「どうしたんだよ」



「別にどうもしないよ」



フロアには誰もいない。その時、さっき三浦さん忠告された事を思い出した。



自室に入り、ドアを閉めて部屋に鍵を掛けようとすると、ドアが閉まる前に中村はするりと、部屋の中に入ってきた。




「どうしたんだよ、飲み治そうぜ」



「いいよ、俺、今日飲み過ぎたから」



何だか中村はひきつった、焦った様な顔つきをしている。




「やっぱり、さっきの聞こえてたんだろ?」



え?



そう言うと、中村にいきなり抱き締められた。

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