第7話 慰安旅行当日1

待ちにまったか、待たないか、慰安旅行の日がやって参りました。


三浦さんも参加すると言う事で、朝から心の中でガッツポーズを繰り出す俺。


行き先は都内からバスで数時間の湯河原温泉。



隣の席の中村はもうビール二杯を飲み干し、ほろ酔いというより、本気酔い。大丈夫か中村。



「早坂って、妙に色っぽいんだよな~」



なんて、絡んでくる始末。



はい、はい。そのパターンですか。



中高男子校だったから、この手のからかいは散々受けた。でもこれはノン毛が引き起こす、残酷なゲイへの悪戯とも言えて…要は冗談なわけよ。こっちがちょっとマジな反応すると、ビビっちゃうし、俺の事可愛い、可愛い言いながら、次の日にはちゃっかり他校に彼女作っちゃったり。



もう慣れっこですよ。



前の方の座席に座ってる、三浦さんが心配そうに此方をチラチラみていた。



大丈夫っす、三浦さん、俺、鍛えられてますから。



バスの中では終始酔っぱらい中村の相手をしながら目的地へ向かって行った。

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