【番外編】マグリナ様による登場人物解説

 久し振りだな、読者の諸君。

 私だ。

 マグリナ・クアマイアだ。

 美女の登場だぞ。さぁ、喜べ。


 今回、私が忘れん坊な読者に向けて解説するのは、この物語の『登場人物』についてだ。


 ついに登場人物が全員出揃った。

 しかし、読者の多くはどんなキャラがいたか忘れかけているんじゃないのか?

 これから物語が終盤に入っていく前に、一度おさらいしようと思ってな。







Ⅰ.【帝国】に属する人物


①レイグ・ダクファルト

 この物語の主人公だ。

 黒髪で、冷たい目をした青年。独身。カミリヤと婚約中(口約束)。

 過去にスラム街で暮らしていた経験から、高い権力に執着するようになる。相手を脅し、支配し、騙し……汚い方法で政府職員にまで上り詰めた彼だが、私の策略によって『魔蟲種討伐の刑』に科せられた。

 魔術師養成学校を首席で卒業しており、様々な魔術に長けている。いわゆる『最初から強い系』の主人公だな。

 性格は冷徹でクズ。他人を陥れるためなら手段を選ばない男だ。だが、その性格も最近になって変化し始めている。カミリヤと長い時間を過ごしたおかげか?

 ちなみに、ヤツに効きそうな拷問は『辱め系』だ。プライドを崩すような言葉で攻めれば苦しめられるかもしれん。



②マグリナ・クアマイア

 私だ。

 黒髪の美人だ。

 帝国政府高官の一人で、帝都の豪邸に住む。独身。特に結婚の予定はない。独りが好きなだけだ。

 家の厳しいルールに縛られて過ごしたせいなのか、性癖が歪んでいることは自覚している。激しく相手を痛め付けることが快感で、相手が泣き叫びながら苦悶な表情を浮かべるときに絶頂しやすい。

 政府内の高い地位を利用して、カミリヤを女神教団から誘拐した。彼女の能力を使えば帝国を軍事的に発展させられると考えており、邪魔は容赦なく消す。

 ちなみに、私の使う武器は刀。クアマイア家に伝わる宝具で、巨木の幹も容易く切れる代物だ。

 しかし、レイグもバカなヤツだったな。この刀にそこらへんの仕込杖で挑んでくるなど自殺行為に等しい。まぁ、ヤツはこの刀の性能を知らなかっただろうし、仕方ないか。



③アルビナス

 私の性奴隷だ。

 小柄で童顔の男。私が抱える私兵部隊のリーダーでもある。

 隠密行動に長けていて、私が始末を命じた相手を確実に暗殺する。衣服の裏には大量のナイフを隠し持っており、敵を次々と血の海に沈めていく。

 ちなみに、こいつもとんでもない変態だ。私がヤツの顔面を蹴ってやると喜び、鞭で叩くと絶頂する。まぁ苦しんでくれないと、痛め付ける私は嬉しくないのだがな。でも使えるヤツだから、適当に褒美として罰を与えてやっている。

 それ故、こいつに効きそうな拷問もない。私以外の人間が痛め付ければ効くかもしれないが。





Ⅱ.【女神教団過激派】に属する人物


④ロゼッタ

 カミリヤに憑依する女神……らしい。カミリヤと肉体を共有していて、もう一つの人格として存在する。

 自分の肉体もないくせに食い意地の張ったヤツで、支給された食料を勝手に食べるなど致命的な失態をする。足手纏い、というヤツだ。主人公を困らせ、災難を呼び込む役割がある。

 天界に暮らしていた女神の一人らしい。弟子のヘレスがこの世界に魔蟲種を発生させていることに気付き、それを止めさせるためカミリヤの体を借りて生活している。性格はギャーギャーと口うるさいらしいが、カミリヤはよく耐えているものだ。

 彼女が憑依することで、その人物は勇者召喚を行える。さっさと私のために勇者召喚しろよ、ポンコツ女神。



⑤カミリヤ

 この物語のヒロイン。

 長い金髪を持つ女だ。そして、胸がやたらとデカい。巨乳おっとり系ヒロインだ。

 何年間も地下に閉じ込められており、成人男性に対して免疫があまりない。そのため普段から他人への応対はロゼッタに任せている。カミリヤの人格が現れるのは親しくなったレイグの前くらいだ。

 また地下に閉じ込められていた影響は筋力にも出ている。疲れやすく、失禁しやすい。

 こんな女をレイグは好きになったんだから、ヤツは女性の排尿姿にでも性癖があるのかもな。

 ちなみに、こいつに効きそうな拷問は『強姦系』だな。精神が子どものまま成長してないから、白馬の王子様というヤツに憧れを持っている。そんな幻想を壊してやるのが、一番彼女の心に傷を作るだろう。



⑥ルイゼラ・ハーベドガスター

 女神教団の過激派をまとめる主教。

 白髪の婆さん。スータンを着こなす。

 老人でありながら戦闘力は凄まじく、付与魔術武器である巨大な鎌を自身の得物とする。戦闘中は「キィエエエエエエ!」などという奇声を発する。頭がおかしい。

 カミリヤが住んでいた孤児院の管理人で、彼女に女神を宿すという意味不明な実験を行う。やっぱり頭がおかしい。

 魂をあの世にたくさん送り込めば女神が勇者を召喚してくれると考えており、敵味方関係なしに人間を殺そうとする。どう考えても頭がおかしい。

 正直、私もあまり関わりたくない人物だ。居るだけで組織の評判を下げる。まともな会話すらできそうにない。私から彼女を総評すると「頭がおかしい」としか言い表せない。


(※この先、本編ではマグリナとルイゼラが戦う展開があります。彼らの活躍にご期待ください)



Ⅲ.【精霊解放軍】に属する人物


⑦ユーリッド

 森精霊エルフの若い男。亜麻色の長髪に、尖った耳は彼の種族の特徴とも言える。

 カクヨムに投稿される異世界ファンタジー作品に登場する森精霊エルフは女がやたらと多いのだがな、この作品に関しては男だ。チートでハーレムも結構だが、こういう硬派な作品も楽しんでくれよ、読者諸君。

 帝国と戦いを繰り広げる精霊解放軍のメンバーで、首領の右腕的存在……前にもどこかで読者に説明した気がする。【勢力図解説】でも同じことを述べたな。私は何度同じ説明を繰り返せばいいんだ、いい加減にしろ。

 使う長弓に自身の魔力を装填して放つ。魔蟲種の厚い甲殻を貫くほど威力が高く、射程も長い。なかなか強いヤツなんだな、こいつが。

 性格は冷徹。寡黙で他人に興味のないフリを貫く。

 もう他に述べる点はないな。他のキャラみたいにもっと自分をさらけ出せ、バーカ。



Ⅳ.【農民戦線】に属する人物


⑧デリシラ・ガーグワン🐺

 灰狼🐺獣人の若い女。

 絵文字を使ってみたりしとくぅ~?

 たまには説明に変化を持たせないとな、読者に飽きられてしまう。

 解説が雑になっているだと?

 そんなことはない。長く説明してきて疲れているだけだ。帝国高官の私は普段から多忙で、せっかくの休日がこんな解説に潰されて少々頭にき(中略)読者のために解説頑張るぞ。

 灰色でボサボサの髪。優れた嗅覚と聴覚を持つ。帝国と敵対する農民戦線リーダーの娘だ。

 華奢な体ながら凄まじい筋力があり、巨大な戦斧を担いで戦場を駆ける。

 誰に対しても馴れ馴れしい態度で接する。そういうコミュニケーション手段で相手の素性を探ろうとしているのだろうな。敬語を使え、敬語を。


(※この先、本編ではユーリッドとデリシラが再登場し、共闘する展開があります。彼らの活躍にご期待ください)

 


Ⅴ.【その他】


⑨エルシィ(魔神ヘレス)

 魔蟲種アラクニド発生の黒幕である。

 天界に暮らす女神の一人で、ロゼッタの弟子だった。しかし、虐げられた経験から魔蟲種アラクニドを使った復讐計画を考え出してしまう。この世界に転生し、人々の魂を自分の駒へと代えていった。

 この世界での姿は小柄な少女だ。肩までの黒髪を持ち、片目が隠れている。

 私の父がメイドに産ませた隠し子で、思春期までは私の家で暮らしていた。学園では対人経験の深刻な不足から図書館で読書して過ごす生活を続けていたが、レイグとの出会いをきっかけに性格が明るくなっていく。

 さすが天界の元女神だけあって、あらゆる魔術に詳しい。ロゼッタもエルシィを見習え。あっちの女神は物語が開幕してからほとんど役に立ってないではないか。



 という感じで、登場人物の解説は終了だ。

 メタい発言も多々あったと思う。

 最近はシリアスな展開が続いているからな。まぁ、『やさしい平行世界から投げ込まれた謎の解説』として見るのが、一番ストレスが少なくていいぞ。

 いかがだったかな、読者諸君。


 どこかでまた会おう!

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