—番外編 お泊まり

 由梨ゆうりの家についた。


「少し遅かったね」

「ちょっと忘れ物して、コンビニ寄ってたの」

「そっか、あ!お母さんがね、夕飯の支度してくれたの!一緒に食べよ!」

「ありがとう」


 わざわざ申し訳ないなと思いながら食べてた。

しかし、

「えっ!すごく美味しいです!」

食べたのはハンバーグ。友達の家でご飯を食べるなんて初めてだ。こんなに美味しいなんて。

「お母さんはね、料理だけは上手なの」

「ちょっと!料理だけってなによ」

「だって掃除できないじゃん」

「部屋の汚いあなたに言われたくありません」

「ワハハ!!!」

思いっきり笑ってしまった。

そしたら笑いながら由梨のお母さんは

「ごめんね!はるちゃん。こんな見苦しいとこ見せちゃって」

「ほんとだよお母さん!遥に変なとこ見せちゃったじゃん!」

 楽しい。友達の家ってこんなに楽しいんだ。

 来てよかった。

 由梨の家は母子家庭と言っていた。でも、ものすごく楽しそうだ。


「お風呂ありがとう」

 1番先に入ってと言われたが申し訳ないので最後に入った。

「はーい!てか!遥のパジャマ可愛い!」

「そう?由梨は……半袖短パン?」

「そう!このTシャツすっごい寝やすいの!春夏秋冬オールこのスタイルで寝てまーす」

「アハハ!そうなんだ!」


 —夜11時

「もう寝よっかー」

「うん、そうだね」

 由梨のベッドは少し大きいので一緒に寝ることにした。

「遥ってさー、好きな人とかいるの?」

「いないなー」

「そっかー」

「由梨は?」

「わたしもねー、まだいない!今恋愛して、その人とずっと付き合って結婚したらなんか面白くないじゃん」

「なんで面白くないの?」

「だって、もし将来もっといい人が現れたら困るじゃん!」

「由梨らしいなー」

あれ?なんかスースー聞こえる。

さすがにもう眠たかったのか由梨は気持ちよさそうに寝てた。

「てか、寝るの早!!」



「今日も泊まっていけばいいのに」

「ごめん、今日おばあちゃん達と出掛ける約束してて」

「そっか!!じゃあ今度は遥の家に遊びに行くね!」

「うん、わかった。じゃあ今度。バイバイ!」

「バイバーイ!!」


 こうしてわたしの初お泊りが終わった。

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