第4話 人と人が出会う確率は0より遠い
「うっそ!牛乳買うの忘れてた!」
お母さんがいきなり叫んだのでビックリした。
「
言われたままに近くのコンビニに行って買ってきた。
「はい、牛乳。あとこれ、美味しそうなお菓子買ってきた」
「お!美味しそうじゃん!あ、そういえばね、お母さん明後日から仕事で栃木行かないといけないの。お父さん今、出張に行ってるし、2泊3日1人で家のことできる?」
多分できると答え、明後日になった。
「もしもし?
「暇だよー、どしたの?」
事情を説明したら、
「そういうことなら、家来なよ!」
ということで、由梨の家におじゃまさせてもらうことにした。
「すごく綺麗になってるね」
「遥が来るから掃除したんだよー?ねえ、ついでに泊まっていかない?」
いいのかなと思ったが由梨は目を輝かせながらこっちを見ていたので泊まることにした。
ひとまず家に帰って着替えなどをカバンにいれた。そして家を出て10分経った頃、愛用している化粧水を忘れたことに気がついた。コンビニに寄り、手に入れ帰ろうとドアを開けた瞬間—
「痛っ」
スーツを着た男性に思いきりぶつけてしまった。
「あ、ごめんなさい!大丈夫ですか?」
「全然、大丈夫です」
と小さい低い声で言った。
多分、30代前半くらいのサラリーマンというところだ。顔はまあまあイケてる、と思う。
やばい早く行かなきゃ、由梨が待っている。
そして三日後、母が家に戻って来たのはいいが、熱が出たっぽい。
「これとこれと、あとシャンプー無くなったからついでに買ってきて。」
メモとお金を貰い、近所のドラッグストアへ向かった。
まず、シャンプーのコーナーに行った。
「ん?これとこれ何が違うんだ」
ぶつぶつ独り言をいう男性がいた。変な人だなと思いながら歩いてたら、ふと思い出した。
—あ、コンビニでぶつかった人だ
なんか困ってるようだけど、1度顔を合わせただけだし話しかけるのもあれだしな…。
まだ困っている。思い切って話しかけてみよう。
「あの…何か困ってますか?」
「え…?あの……ええ…まあ」
—まずい、話しかけなければよかった
「あ、あの前にコンビニでぶつかったの…覚えてないですよね」
「ああ、あの時の子か」
「はい、あの時は申し訳ありませんでした」
「全然、大丈夫っす」
「あの、何かお困りですか?」
「じゃあ、えっと…これとこれ、何が違うの?」
私は違いを説明した。シャンプーとかボディソープ等が好きなのでなんとなく違いがわかる。
「なるほどなー、女の子はこういうのに詳しいんだな。ありがとう」
そう言って微笑むとレジへと向かっていった。
話しかけてよかった。
よし、買い物再開。
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