美少女とクレープ
何事もなく時間は過ぎていき、HR(ホームルーム)が終わる。
真人「宏太と涼はこのまま帰るのか」
宏太「俺は今からバイトだよ」
「6限ある日にバイト入れてるのかよ、大変だな」
宏太「まあね、でもお金欲しいし」
真人「涼は何もないんだよな」
「何もないよ」
真人「カエデちゃん誘ってクレープ食べに行こうぜ」
「カエデちゃ、んを?」
女の子を下の名前で呼ぶことに慣れていないから何だか違和感を感じている涼弥。
教室のドアの前で話をしていた二人の前にカエデがやって来た。
カエデ「そこ、どいてほしいのですが」
真人「あ、カエデちゃん。俺たち今からクレープ食べに行くんだけどカエデちゃんもどお?」
カエデ「クレープ?行きません、帰ります」
すると後ろからシュウが顔をだす
シュウ「いいね、クレープ。行ってみようよカエデ」
カエデ「シュウが行くというなら私もついて行きます」
(こいつら、いったいどういう関係なんだ)
真人「よし決まり、駅の反対側に新しいクレープ屋さんが出来たんだ」
駅までの道のりを4人で歩く。
自転車に乗った学生が涼弥達の横を通り過ぎるたびに、カエデのスカートがふわふわと揺れている。
真人「んで、お前らってどういう関係なの」
(すごい、ストレートに聞いたな)
シュウ「ん~、なんていえばいいかな。仕事仲間?みたいなものかな」
真人「お前ら同じバイト先なのか」
シュウ「まあ、そんな感じだね」
「いや、でもそれで一緒に転校してくるって、どういうことだ?」
シュウ「涼弥はするどいな~」
真人「あっ、もしかして特殊捜査みたいな?」
シュウ「あちゃ~ばれちゃったか。しばらくは隠しておきたかったんだけどな」
真人「すげ~じゃん」
(いや、それもおかしいだろ。こいつらは今日、ここにはもう用はないと言ったんだぞ)
涼弥は心のなかっで思っていたことは声に出さず、一歩前を歩く真人とシュウを見ていた。
駅の反対につくと、道路を挟んで反対側に開店祝いだろうと思われる大きな花が飾られたお店があった。
お店の入り口前には人が数人並んでいる。
真人「並んでんな~。持ち帰りもできるみたいだけど、店内でいいよね」
カエデの方を見ながらそう言うと、返事を聞く前に列の最後尾に並んだ。
俺たちが並んで10分と立たないうちに店内へ通された。店内は近くの高校やら大学の学生だろうと思われる人たちで賑わっていた。
真人「女の子多いね~」
店員「何名様ですか」
真人「5人です」
「4人だろ」
真人「あれ、あ、そうだった」
宏太のことを勘定に入れていたのだろう。宏太は今日はバイトでいない。
奥の道路に面している側の席に通される。こちら側は壁がガラス張りになっていて、外から店内の様子が見えるようになっていた。
真人「俺カエデちゃんと向かい合わせに座る~」
2つの椅子にシュウと真人がすわり、席がつながっているソファの方に俺とカエデが座った。
テーブルに置いてあるメニューを開いて、商品を眺める。
どれも美味しそうなクレープだった。
真人「ここはクレープ専門店だからクレープしかないんだね」
シュウ「これがクレープか」
真人「何シュウ、クレープ食べたことないのか」
シュウ「僕もカエデも食べたことないよ」
「見たこともないなんて、変わってるな」
シュウ「実は最近こちらに来たばかりだからね」
真人「そうなのか~、あ、アイスもあるね」
「俺これにする、とちおとめクリームアイス」
真人「カエデちゃんは?」
カエデ「なんでもいいです」
シュウ「それじゃあ僕とカエデはこれにするよ。チョコバナナクリームアイス」
真人「じゃあ俺もカエデちゃんといっしょ~。飲み物は?俺はコーヒー」
「俺はカフェラテ」
シュウ「僕とカエデもそれでいいや」
店員を呼んで一通り注文を終える。
真人「カエデちゃんってほんと無口だよね」
シュウ「人見知りなんだ、そういえば涼弥も口数少ないよね」
「真人がうるさいからそう思うんじゃないか」
真人「うるさいってなんだよ」
シュウ「はは、二人は仲がいいね」
トレーをもった店員さんが、俺たちの席に飲み物を運んできた。
テーブルの上には1つのコーヒーと4つのカフェラテが置かれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます