地球の悪魔、メフィストフェレスご登場
「大旦那様、今この国では何やらおかしなことが起きてるようで」
大旦那「わしにも分からん」
「全知全能であるはずの旦那様にも分からないことがあるのですか」
大旦那「それは人間が勝手に言っていることだ。確かにこの世のあらゆることはわしの知るところだが」
「つまり、この世界とは別の世界で起きている何かしらが原因であるということですな」
大旦那「別の世界か」
「旦那様、しばらく私はあの男のもとへ参ろうかと」
旦那様「それがいいだろう、地上のことはお前に任せる」
二人は離れる
「相変わらずあのじじいのもとへ通っているのか」
「これはこれはご主人様ではありませんか。私は、悪魔とさえも気さくに話してくれるあのじいさんを、結構気に入っていましてね。あ、これから私は地上へ参ろうと思います」
主人「下らん理由だ、なぜ地上へ向かう」
「実はですね、今人間界では不思議なことが起きているようで」
主人「じじいにも分からぬことなのか」
「はい、ですから私が地上へ参ろうかと」
主人「貴様、いつからじじいの犬になったのだ」
「とんでもございません、当然私は悪魔でございますからね、悪魔らしいことの1つや2つ、それで足りないというのなら大暴れでもしてきましょう」
主人「ふん、お前の好きにしろ」
「ご主人様も退屈しなさそうな話ですよ、何しろ別世界が絡んでいるようで」
主人「別世界か、確かに面白そうな話ではあるな」
「でしょう、顯世(けんせ)の悪魔VS異界の悪魔、なんとも面白いタイトルだではありませんか。おっと、そろそろ地上へ降りなければ、人間という生き物はいとも簡単に死んでしまいますからな。もたもたしていたのでは時が変わってしまう」
主人「帰ったら話を聞かせろ」
「それはもう腹を抱えて笑うくらいの土産話を聞かせてご覧に入れますとも」
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