勝て

勝て

 九人の参加者への刻印授与は完了した。

 各々戦場に向かっていたり、向かっていなかったり。これでは明日の開始に間に合わないではないか。

 仕方ない、転移魔術を使おう。時間になれば強制送還だ。本来なら逆らった者は国ごと塵にするところだが、今回は国を持たない者もいる、一応だが贔屓ひいきはよそう。

 さて、戦場は前回も話した通り、かつて神話時代に大戦が行われた異次元の大陸。名をアトランティア。

 今となっては人間は誰もいない、固有の魔獣のみが生きる大地。この世界で生き抜くのは、容易ではないだろう。骸皇帝がいこうていのように、飲まず食わずで戦い続けられるなら話は別だが。

 とにかく、生き残るか死ぬか。それも他の参加者に殺されるか、魔獣に喰い殺されるか飢えて死ぬか。死にたいのなら、いくらでも死ぬ方法はある。

 それが嫌なら敵を殺せ、魔獣を殺せ。それでも嫌なら逃げ続けろ。この戦争は玉座いす取り戦争ゲーム。生きて玉座に座った奴の勝ちだ。

 さぁ戦え、走れ、駆け抜けろ。神話の戦いを繰り返さんと、激しく刃を交じり合え。血で血を洗え。

 これは戦争、負ければ死ぬ戦争だ。生き残るにはただ一つ、勝つしかない。

 さぁ勝て、勝って玉座に座るがいい。この世界を代表する九人よ、命を賭けて世界を、玉座を取れ。

 

 

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