第3話 けものフレンズと呼ばれた狂乱

「たつき監督を信じてよかった」


記憶喪失の少女「かばんちゃん」と、サーバルのアニマルガール「サーバルちゃん」がジャパリパークと呼ばれるテーマパークの廃墟を冒険する『けものフレンズ』の全12話が終りを迎えた。


アニマルガールと呼ばれる、擬人化した動物の女の子たちの愛くるしさは日常系アニメファンたちの癒やしとなった。作り込まれた設定や伏線はアニメ考察ファンたちの玩具となった。


そして、12話が終わった。狂乱は終りを迎えた。仮想現実世界トゥギャッターでは、様々な人が感謝の言葉を謳いあった。結末に対する感動を伝えあった。草木も眠る丑三つ時であるというのに、誰もが眠ることなんてできそうになかった。


明かされた真相。今まで積み上げられてきた友情が、ひとつの綱となって、奇跡を引き寄せた。王道展開。だからこそ涙が止まらなくなる。素直な気持ちで、泣けた。


CGアニメとしてはプロから専門学校並のクオリティだと言われた。ゆえに、二匹目の鰌を狙う金主は後を絶たないだろう。そして、その全ては爆死するだろう。けものフレンズは狂乱だ。一度限りのお祭りだ。だからこそ、盛り上がった。だからこそ、燃え上がった。


1話が放送された時点で、このエネルギーを観測できたものはいなかったように思う。3話を超えて、5話のあたりで話題性はピカイチになっていた。6話、7話とストーリーが進行するにつれて、引き込まれていった。


そして悪夢の11話。それ自体は究極的な鬱展開ではないものの、ショックを与えた。けものフレンズに銘打たれた「社会人を癒やすためのアニメ」の御題目はどこにいってしまったのか。そんなシリアス展開に心砕かれた同志も少なくはあるまい。


だが、このラストはすべてを癒してくれる。EDの遊園地にたどり着いたときは、笑って笑ってしかたなかった。そして二期を感じさせるオチ。かばんちゃんとサーバルちゃんの物語は、まだまだ続く。


わーい、たのしー!でも、さみしー!




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