雨の中のきみ#29
で、帰って調べてみた。よくわからなかった。わかったのは言葉より行動を確認するということと、女心とは違った文化があるということくらいだった。いろいろと女性に対して要望があるらしいけど、女性に対して夢を見すぎではないだろうか。間宮さんも夢を見ているのかなあ。女の子はそんなにふわふわかわいいものじゃないですよ。
とはいえそれはわたしの中身がおっさん化しているからそう思ってしまうだけかもしれない。わたし、女子力足りていないからなあ。たとえば喋り方が女の子らしくない、化粧が雑、バイト先が引越し屋、食べ物の好みが渋い、などなど挙げれば切りがない。女子力ってなんだっけ、と遠い目をしてしまう。女子力を上げれば男心もわかるようになるのだろうか。
でもね、わたしが知りたいのは男心ではなくて間宮さんの気持ちなんだよ。そればっかりはどれだけインターネットで調べても出てこない。だから正面から会話するしかないんだ。
面倒だよね、大変だよね、厄介だよね。それでも人と付き合うってそういうことだ。一個ずつ積み上げて、一個ずつ重ねていって、それでようやく到達するなにかが友達なのだろう。だからそのために出来ることはやっておきたい。
さしあたって男心についてもう少し調べてみようかなあ。あ、男心と秋の空、なんて言葉があるんだ。ネットスラングだろうか。違うな、元からそういう言葉があるようだ。秋の空のように男の恋心は変わりやすい、ということらしい。女心と秋の空の対義語か。それって要するに人類の恋心は移ろいやすいということか。もうそれでいいじゃん。人心と秋の空。わかりやすいし、男女でわける意味が分からないし。
なんかなあ、いろいろ調べてはいるものの、どれもこれもぴんと来ないなあ。わたしの恋愛経験が少ないせいだろうか。あとあれだね、わたしの恋愛感覚って男性のそれに近いんだね。なんとなく女として敗北感に包まれる。ついでになにかにすまないような気がしてくる。わたしは誰に対してこんなにも謝りたい気持になっているのだろうか。
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