β: 入学式
今日は、4月10日、陽和台高校の入学式だ。
この日、俺は、ツインテ…じゃなくて、高校生になります! まぁ…、普通なんですけどね笑。
けど、普通じゃないこともある。例えば、俺が超能力者とかね…。別にそんな、地球を滅ぼすとか、透明になって……することができる、とかそういうみんながあこがれる能力ではない。
電流。そう、電気を流せるのだ……。
えっ、この能力の良さがわからないって?まぁそうだよね~。しかも、大きな電気を流すことができないからも余計クソ感が増す…。
しいて使えるのが、信号機を勝手に青に変えることぐらいだしな…。けど、結構便利だよ? ま、マジで…。最高で2時間ほど止めたことがある。そのときは退学寸前でまあまあ焦った……。
そして、この高校は
おっと、そろそろ用意しないと……えっと、今は何時か……な?
おっ、8時50分だ…。今日の集合時間は、ハチジ…ジュウゴフン、ネー!!
茶…ティータイム…ネ、ネ~。
開始早々遅刻かよ…。
会場に着くと当然、入学式は始まっていた。あっ、今長い校長の話が終わった…。よしっ、と心の中でガッツポーズ決めた…。
―『え…、と…。つ、つぎは、生徒会長からの…は、はなしです! 』(アナウンス)
えー、大丈夫か…。この子…。遅刻してきた俺が言えるセリフでもないなと思いつつも、究極に不信感を抱いていた。
―『この陽和台高校で生徒会長を務めさせていただいている、高槻 千恵子です。宜しくお願い致します。』と言い、一礼する。
どうやら、生徒会長は普通のようだ。よかった~。
それから長い話が続き、高校の説明に入った。
―『本校では、学年という区切りに分けられてはいるのですが、実力制というものを採用しています。実力制というものは、各学年、6つの階級に分けるということです。階級は、アルファから、ベータ……。あっ、ここはベジータではないので注意してくださいね。』
いや、思はねーよ。あんた小学生かよ…。ていうか、ここには保護者とか国のお偉いさんとかいるるんだぞ……。ほらあそことか、ってあれ?
なんか拍手しちゃってんぞ、おい…。それに今まで気づいてなかったけど、今、俺フラグ回収しちゃったよね? はぁ…、もうどうでもいいや。そして俺は、この高校について考えるのをやめた。
―『…そして、ガンマ、デルタ、エプシロンそして、最上級がゼータとあらわされています。階級ごとにできることなどが増えるので、高みを目指して、頑張ってください。』
―『…い、以上をも、も……。終わります! 』と、最後のほうだけ声を張り上げていた。
すると、終わりを告げられた生徒たちが、ざわめきだした。当然、全く知らない高校だったため、友達もいない俺は、クラス発表で決まったクラスに移動を始めた。
少し進んだところで、ストレートヘアーの少女が話しかけてきた。
「…かい…き? 貫樹だよね? 私のこと覚えてる? ほら、同じだったじゃん」
Who? いや、まったく覚えてないんですけど…。けど、向こうは俺のことを知っているみたいだし、名前聞けねーよな…。だいたい話合わせといたらいいだろうと思い、テキトーに話した。
「あ~、覚えてる、覚えてる。懐かしいなぁ…」
「絶対覚えてないでしょ。5日前に卒業式で会ったじゃん」
あ、ばれた。それが高校生活ではじめての会話だった…。
雷のイニシエーター どみ @domine
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