「安全な水とトイレを世界中に」を考える

 本日、8月10日は日本衛生設備機器工業会(現:日本レストルーム工業会)が制定した「トイレの日」のようです。「ようです」というのは、現在の運営元の日本レストルーム工業会のサイトには明確な情報が見つからなかったためです。ひょっとしたら今は大々的にアピールしていないのかもしれません。

 「トイレの日」というと、日本トイレ協会が制定した11月10日があります。それから11月19日には国連が「世界トイレの日」を定めています。

 どちらも11月なので、「トイレは11月」と覚えておいた方が良いかもしれませんね。

 

 そんな8月10日。せっかく「トイレの日」と思われる日にトイレ小説の更新日となりましたので、今日はトイレについて考えてみたいと思います。(小説じゃなくて、ごめんなさい!)

 

 いきなりですが、みなさまは「安全な水とトイレを世界中に」というフレーズを聞いたことありますか?

 これは、世界を変えるための17の国際目標の一つとして、国連サミットで決められたものです。2016年からスタートしており、2030年までの目標となっています。

 継続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)としてSDGsと呼ばれています。本屋さんで関連書籍コーナーがあったり、学校の授業や仕事上で見聞きしたことがある方もいるかもしれません。

 

 SDGsは17の目標と169のターゲットに別れています。例えば、目標1は、「貧困をなくそう」で「あらゆる場所あらゆる形態の貧困を終わらせる」、目標2では「飢餓をゼロに」となり「飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養の改善を実現し、継続可能な農業を促進する」となります。目標5には「ジェンダー平等を実現しよう」、目標10では「人や国の不平等をなくそう」、目標14には「海の豊かさを守ろう」などがあります。

 その中で、目標6に「安全な水とトイレを世界中に」というものがあり、「すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する」となっています。

 ターゲットには、2030年までに全ての人々の「安全で安価な飲料水の普遍的かつ衡平なアクセスを達成する」、「下水施設、衛生施設へのアクセスを達成する」、「野外での排泄をなくす」、「女性及び女児、並びに脆弱な立場にある人々のニーズに特に注意を払う」などが上げられています。

 

 以前「11月19日は「世界トイレの日」」のエピソードでも触れていますが、トイレや公衆便所など基本的な衛生施設を利用できない人々は全世界で約24億人います。さらに約18億人が、糞便によって汚染された飲料水源を利用している状況なのです。

 劣悪な衛生状態に伴う下痢生疾患で命を失う子どもは、一日に800人を超え、世界人口の40%を超える人々が水不足の影響を受けていて、この割合はさらに増えていくと予測されています。

 日本で生活していると、水とトイレの問題を意識することはないと思います。日本は水資源にも恵まれ、衛生的なトイレが普及しているのが当たり前となっています。

 世界ではそうではありません。水とトイレは深刻な問題の一つであり、解決すべき課題なのです。


 ただ。そうは言っても、私たち個人がすぐに何か出来ることはそう多くはないと思います。

 それで良いと思います。すぐに何も出来なくても、こうして世界の水とトイレの問題を「知ること」、そして「共有すること」それだけでも大切なことだと思います。

 そしてコンビニでスイーツを買った時にレジ横にある募金箱にたまには目を向けてみてください。それだけで何かが変わるかもしれません。

 ひとりひとりの意識が、地域社会へ、企業へ、国へ、そして世界へと繋がっていくのだと思います。


 小難しい話になってしまいましたが、これも一つのトイレのお話。トイレに入る時には少し思い出してみてください。



 参考:外務省、国連広報センター

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