今だから話せるトイレ小説の裏話

 こんにちは。雹月あさみです。

 なんと、このエピソードが記念すべき100話目のお話となります!

 今回は、初エッセイになります。小説ではないので本編とは別に作品公開しようかと迷ったのですが、100話目ということと、オールジャンルありの『トイレで読む、トイレのためのトイレ小説』(以下、トイレ小説)ということで、このままエピソードの一つとして公開します。



 それにしてもトイレだけのお話でよく100話も続いたなあ、と我ながら驚いています。

 これもいつも読んでくださる読者様の応援あってこそ続けられたことだと思います。いつもありがとうございます。

 100話も続くと、さすがにネタ切れ……かな、と思ったのですが、まだまだ書けていないことがたくさんあるんですよね。

 例えば、オストメイトやストーマ、介護、弄便(排泄物をもてあそぶ行為)のことなど。人の数ほどトイレの物語はありそうですね。

 このあたりのテーマはしっかり取材や勉強して書きたいところです。


 そんなトイレ小説ですが、今回は私がなぜトイレ小説を書くようになったのか、その裏話をちょこっとご紹介します。


 私がカクヨムにユーザー登録をしたのが2015年12月。カクヨムプレオープン時でした。

 実は、それまで小説投稿サイトというものを登録したことも利用したこともなく、何かのニュースサイトで「カクヨムという小説投稿サイトが新しくオープンするよ! 先行登録してね!」というような記事を見て、面白そうと思い、とりあえず登録したのでした。

 お恥ずかしい話ですが、それまで他の小説投稿サイトの存在も知りませんでした……。

 そして、第1回カクヨムWEBコンテストへ公募用に書いていた『パラレル・ジャンクション』(現タイトル『来世転送-リブート-』)という小説を出したのですが、結果は惨敗。

 その時、初めての小説投稿サイトで、他の方の作品を読んで、「世の中には面白い作品がこんなにたくさんあるんだ」と感じました。

 そして私自身、もっと面白くて魅力的な作品を作らないとだなあ、と思ったのでした。

 私に足りないもの。それはアイデアや発想力なんじゃないかな、と。

 たしか、何かの本に「アイデアをポンポン思いつく方法」みたいなのが紹介されていて、その本には「特定のテーマに対してまず3つアイデアを思い浮かべなさい」というようなことが書かれていました。

 例えば、「りんごの料理」だったら、「アップルパイ」、「りんごジャム」、「りんごジュース」。ヨシ、楽勝。

 「3つ思いついたら、次の3つをまた考えなさい」と。

 えっと……「りんごケーキ」、「りんごサラダ」、「りんごチップス」。ヨシ、できた。

 「3つ出来たら、さらに3つ考えなさい」と。ええっ。鬼……。

 ……んと、「りんごヨーグルト」に、「りんごタルト」……んと、あと、それから……んー――、あ、「りんごのまる焼き」も、りんご料理かもしれない。ヨシ、足そう。

 「そうやって3つずつならポンポン、アイデアが出るから」と。

 確かに「ポンポン」という軽い感じではないものの、アイデアを出すことが出来るのです。

 この方法、名前があったはずなのですが、何の本で読んだか覚えてなく、詳細が分かりません。どなたかご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください……。

 

 それで、この方法を使って発想力を高めようと思ったのです。

 何か特定のテーマを決めて、それに対して短編小説をひたすら書くというものです。

 じゃあ、テーマを何にしようか。

 これがまた思いつかなかったのですよね……。例によって3つずつ候補を挙げていきました。

 「学校」、「駅」、「職場」、それから「カフェ」、「ファミレス」……など。

 「カフェ」は良さそうとも思ったのですが、うーん、いまいちパッとしないんですよね。ありきたりというか、面白くないなぁ。と。

 もっと面白いものはないかなぁ、と、トイレで思案していました。

 そして思ったのです。それこそ「トイレ」がいいんじゃない? と。

 (ああっ……ごめんなさい。つい脚色しちゃいました! トイレで考えていたのは本当ですが、思いついたのはトイレから出て、しばらく経った頃で……というか思いついたのは次の日ぐらいだった気もするので、なんらトイレと関係ありません。でもトイレで考えていたのは事実なので、これはやっぱりトイレで思いついたことにし――)

 

 そうして試しにいくつかトイレをテーマにした短編を書いてみたのです。

 ちなみに最初に書いた3編は「IOT」、「ある夜のできごと」、「証拠隠滅」でした。

 これが、今からちょうど3年前の2016年4月でした。


 3編書くことが出来たので、次の3編を書こう、と思っていたのですが、ちょうど仕事が忙しくなり始め、その後半年強ぐらい放ったらかしに。

 でも、その間もトイレ小説のアイデアだけは思いついた時にメモするようにしていました。おかげさまでトイレネタが30以上思いついたのです。

 そうして2016年の冬ぐらいから執筆を再開し、ある程度ストックが貯まってきた2017年3月にトイレ小説を公開しました。

 

 ちなみにタイトルの『トイレで読む、トイレのためのトイレ小説』ですが、公開直前までは別の名前でした。

 その仮タイトルは、「ショートトイレ・ロングトイレ」というものです。実は今でもパソコンの原稿ファイル名は仮タイトルのままです。

 でもこのタイトル、ぱっと見で魅力的じゃないんですよね。「ショートトイレって何だろう?」と思うことはあっても、「ショートトイレ、面白そう」とはならないかな、と。

 それで、もっと分かりやすく、そして私の「トイレ推し」をより強めたのが今のタイトル『トイレで読む、トイレのためのトイレ小説』なのでした。


 今回はいつもの小説と違い、トイレ小説の裏話でした!

 決してトイレネタが思いつかなくなったから書いたわけではありませんよっ!

 たまにはこういうのもいいかな、と。笑

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