意味が分かると怖い話:トイレ【解説付き】

○公衆トイレ

 深夜。外にいる時、どうしても公衆トイレに行きたくなって、仕方なくトイレに入った。ここは以前、殺人事件が起きた場所で、よっぽどのことがなければ立ち寄らない。

 公衆トイレに入ると小さい女の子が泣いていた。

 どうしたのと聞くと、「ここでママがどこかに行っちゃったの」と言う。

 それを聞いた私は「そっか、じゃあ、ママのところに連れて行ってあげるね」と優しく女の子に言った。



○急な来客

 トイレで大便をし、尻を拭いている時にちょうどピンポーンとチャイムが鳴った。

 誰だろう、宅配便かな。急がなくてはと、下着とズボンを上げ、玄関に向かった。

 扉を開けるとそこには友人が立っていた。近くまで来たから寄ったそうだ。

 ちょうど暇していたので、家で遊ぶことにした。二人でゲームをして遊んでいると、友人が「ちょっと、トイレ」と席を立った。

 トイレに入るなり、すぐに水を流す音が聞こえた。音消ししなくても聞かないよ、と思った。



○赤い紙、青い紙

 「赤い紙、青い紙」の都市伝説。

 トイレに入っているとどこからか「赤い紙いりませんか、青い紙いりませんか」と聞いてくる。

 「赤い紙」と答えると身体から血が噴き出し、「青い紙」と答えると、身体から血が抜かれ真っ青になって死んでしまうと言う。そして何も答えなかった時は「赤い紙」と同様になるそうだ。


 そんな都市伝説あったな、とふと昔を思い出しながら、トイレに入った。

 そして尻を拭いた紙を見て驚いた。紙が赤かったのだ。



○ノック

 ひとり暮らしをするようになると、料理を作らなくなってしまった。いつもコンビニで済ますか、外で食べてきてしまう。

 栄養に偏りがありそうな食生活を続けているためか、最近、便秘気味だ。

 トイレに入って力んでもなかなか出ないのが辛い。便秘薬を飲んでなんとか出している。

 そんな便秘のせいか、一旦トイレに籠もると長居してしまう癖がついてしまった。長時間、便座に座っていること自体、良くないのは分かっているが、ついついトイレでスマホをいじったりしてしまうのだ。

 あまりに長いのでよく扉をノックされる。会社のトイレや駅のトイレ、自宅のトイレで。

 早く出るようにしよう。




***ネタバレ解説***


・「公衆トイレ」

 よっぽどのことがないと行かない公衆トイレに寄ったのにどうして「ママのところ」を知っているのか……。殺人の被害者がママで加害者が……。


・急な来客

 ピンポンが鳴った時、水を流していない。つまり友人は音消しをしたのではなく……。


・赤い紙、青い紙

 赤い紙ではなく、紙が赤かった。つまり尻から血が……。


・ノック

 ひとり暮らしのはずでは……。

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