番外クエスト1 王家ベオルブ

細かいところは変だけどいいよね!処女作だもの。ムーを。 wbc次はアメリカ!楽しみすぐる。


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コンコンコン


「お兄様、おはようございます、朝ですよ・・・・お兄様?」



私は部屋を見渡した瞬間、時が止まったかのような錯覚に陥った。

頭が真っ白になり何も考えられずただただぼーっと突っ立っていた。これは嘘だ、夢か幻なんだと現実逃避を繰り返していた。

何分何十分何時間経っただろうか?

メイドが様子を見にきた


「ノアステル様、陛下や、王妃様が食事を待っていらっしゃいます。 お急ぎに・・・な!な?!なんてこと!」


パタパタパタ・・・


メイドも、部屋の中を見て走って去ってしまった。


その日王子が、継承権第1位の王子メルファリア・ベオルブ が忽然と姿を消したことが王宮中に知れ渡った。


「おにぃ・・さまぁ・・・」


残された部屋では一人少女が鳴く声だけが響いていた。





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「あんのバカ息子が!」


大声で怒鳴る大柄な男がいた。彼は歳を重ねて四十を超えてなお戦いの前線で戦績を上げる強者。そしてこの国最大の権力者、国王グレイス・ベオルブである。

メイドからの報を聞き息子が失踪したことを知り憤怒激怒している。

執務室で一人とはいえその大声は周りに漏れ緊張感を与える。


「・・・どうして、相談してはくれないのか」


いや、そんなものは言い訳だ。分かっている。こうなる前に気づき話をするべきだったのだ。正確には気づいてないふりを止めるべきだった。


私、グレイスには息子が3人いる。正妻の産んだメルファリアとレイク

そして後妻の産んだノアステルだ。


メルファリアが生まれた時は大変喜んだ。男児だったからだ。我が国は魔王軍と戦うために位が高ければ高いほど偉ければ偉いほど強い者がその地位に着く。

私もその慣習に従い前線へ赴いているのだ。


なのでメルファリアには英才教育を施した。戦いの英才教育を。息子は器用に色んなことを学び、覚えた。

しかしなかなか抜きでない。何か一つに特化したりもせず、バランスよくそこそこという感じ、というのが周りの評価だ。

一般、世間から見ればそれでもすごいが王家ともなるとそうはいえない。


そこでレイクが生まれた。レイクはものすごい剣の才能があり、戦いのセンスもあった。将来私も負けるかもしれん。

レイクが剣の修行をしてしばらくした後メルファリアと模擬戦を行い、レイクが勝利した。周りの者も囃し立てレイクを王にすべきという声も上がった。

しかしその後もメルファリアはいつもどんな時も頭をひねり考えていた。


「パパこれ以上強くなるにはどうしたらいいの?」といつも聞いては鍛錬を重ねていた。

ノアステルが生まれた時もそうだ。

後妻だからと影においやられていた妻と娘をメルファリアが救ったのだ。事態は思ったよりも深刻だったらしく、危うく妻と子を失うところだったようだ。私は戦争のことばかりであまり気づかなかったのだが、よく子供だけでなしとげたものだとおもった。恥ずかしながらな。




だからこそ思っていたことがある。

あいつは何か隠しているんじゃないか?飄々として、驚くようなことを成し遂げ、いつも自由なあいつがこのくらいのことでへこたれて失踪するか?

いや違う、これは計画していたことなんじゃないのか。


なぜレイクが育つまで失踪しなかった?

ノアがしっかりするまで面倒を見た?


「まぁ儂がこの程度で諦めるような男に育ててはおらんからな、何か目的があるのだろう。地獄の果てまで全力を持って追いかけてやろうではないか。」


この日全人類の頂点がその腰を上げた。







=======


「ノア! 兄さんは?兄さんはどこへいったんだい?!」


僕は異母兄妹のノアステルに詰め寄る


「・・・クレア様 、兄様は兄様は・・」


と泣き始めてしまう。

彼女もまだ錯乱しているんだろう。

ちなみにノアは兄さんのことしか[兄]と呼ばない。不思議なこだわりがあるようだ


「兄さん・・・どうして?」

僕が尊敬する兄さんが何の考えもなく失踪なんてするはずがない、僕に課せられた使命は何だ?兄さんはどうしてる?


コツコツコツ


「ほほう、あやつは本当にいなくなったのですね、良かったではないですか、レイク様、これでこの国も安泰ではないですか。あんな弱者が王では魔王軍に勝てないですからな」


丸々とした体の男が部屋に立ち入ってくる

こいつはゴルゲース大臣だ。政務を担当している。いわゆる文官だ。


「あなたに、お兄様の何がわかるというのです!ゴルゲース!」

ノアが睨みつける

「おやおや口が悪いようですな、メルファリア殿下がいないのです、少しは口を慎んでは?」


「っ!」


確か聞いた話では後妻、ノアの母とゴルゲースは仲が悪いとか何とか。


「そんなことは僕がさせないよ?」

「おやおや、まぁお邪魔のようですしここは退散させていただきましょうかね」


そういって巨体を揺らして去っていく。


はぁ、兄さんは元気かな・・・・・・



まだ子供な僕たちは兄さんが何を考え何をしてるのかはよくわからなかった。





====閑話===

メル「うおお!消えろ消えろ消えろ!成仏しやがれこのゾンビども!」


リリ「鎮魂鎮魂鎮魂! はぁ〜///タマラねぇですぅ さぁ、みなさん天へとおかえりください!」


メル「うおおお、待て待て!俺も範囲に入ってる!入ってるから!」


リリ「アンデッドにしか聞きませんよ?」


メル「早よ言わんかい!」

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