第5話 新しい仲間3

閑話はちょっとした、おまけみたいなものです


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「はい?どうしたです?鎮魂しますです?」




「しねぇわ! 鎮魂ってなんだよ!シネってか?死ねってか! ってそうじゃなくて、お前なんで着いてきてんだよ、もしかして同じ宿に泊まってるとか?」


「鎮魂するとき、なんとも言えない快感があるんです、それにハマってしまいまして。それと宿についてはこれから、同じ宿になります、です。」

「やばい奴じゃねーか、それよりなんで同じ宿なんだ?」

「やばくないのです。人類は皆神の下に帰るのです。それと、同じ宿で寝るのは冒険者ですから親睦を深めるために、です!」


「なんだその理屈!流行ってんのか!」

チラリとマリアたちを見ると




「「普通です(だぞ)」」



真顔で言っているがそんな豆知識知らん!聞いたこともない!


「はぁとりあえず、女将!ベッド4つの部屋ってある?」


「んあ?また部屋変えるのかい? もう二人で一つでいいでないかい?」

「あーじゃあそれで「チャキ」良くないです!どうにか!」


マリアにナイフを突きつけられ命の危機を感じました。

どうにか4人部屋を取れたが割り増しでお金がかかる。少しは懐に余裕ができたと思ったらすぐなくなる。冒険者はつらいぜ(泣)



疲れを取るために今日は早めに休むことにした。体よりも精神的に疲れてくるのはなんでだろうか・・・・zzZZ


「(?!この人こんな美少女を前にしてあっさり寝ましたよ!熟睡です!以前は寝るとなると他の冒険者に襲われたりしたので大変だったのですが・・・これはこれで釈然としないのです!。)」


「「(筋金入りのヘタレです(だな))」」







朝起きると彼女らは布団で眠っていたが色々と危ないところがある。マリアの四肢は健康的でもっちりしているのがのぞいているし、

シルフィの胸下もこぼれそうである。よく見るとやはり大きいな。

リリは、まだ小さいながらも色気が出ていてその筋の人にはかなりの人気が出るだろう。

3人ともえらい美人なんだが、俺、男なのになぜ警戒しないのだろうか。

信頼と取るか侮られているのか・・・


はぁ、用でも足しにいくか。


キィ、バタン


「おい、皆起きているか?」


メルが出ていくと3つの影はむくりと起き上がる。


「はい、会って間もないですが、襲われる心配はしなくて良さそうです。それより、彼は同性愛者なのです?、それとも年齢の問題です?全く見向きをしないとはどんな性癖の持ち主なんです?」


「メル様のことですから、常軌を逸したものでしょう。我々にはまだ早いのです。」

「ま、まぁ信頼できる相手でよかったではないか。」



日に日に有らぬ疑いをかけられていくメルであった。







カンカンカンカンカンカン!

朝食を取り終え、ギルドに向かっていると

突如街に危険を知らせる鐘が鳴り始めた。

ギルドの冒険者全員参加の緊急依頼が出たということだ。




「あ、メルさん、おはようございます。メルさんのパーティも増えてきましたね! ですが男の方が見当たらないような・・・・」


「そ、それについてはノーコメントで、

それより今日はどうしたんですか?緊急依頼なんて。」


「ええ、森の奥の山に大規模なお墓があったのは知ってますよね?」


この国では色んな人の弔い方がある。その一つが土葬だ。

しかし、魔力というものがあるので、アンデッド化しないように、聖職者、いわゆる僧侶などが魔法をかけるのだ。


「それがどうしたのだ?」

シルフィが話を続ける。


「実は最近、魂を鎮魂したいとか言う旅人がいたらしくて、迷える魂を天に返してもらっていたらしいのです。しかし、そのために解除したアンチアンデッドの魔法をかけ直さずに放置したため、アンデッドが無数に湧き出ているんです。」

アンチアンデッドと、霊魂を成仏させる魔法は同時には使えないらしく、どちらかを使う場合、どちらかを解除するのが普通らしい。詳しくは知らん。


それにしても、鎮魂・・・したい?

俺はつぅっと背中に冷や汗を感じた。


「なぜそんな怪しい輩に任せたのか?」

シルフィは気にならなかったようで話を続ける。

「お墓の手入れや見回りを担当してる人曰く、聖職者としての腕が相当に良かったらしく、まるで聖女のような優しい方だったのでつい。とおっしゃってました。」


「へ、へぇ、そんなこともあるんですねぇ、聖女様ですか、あってみたいですぅ。」


おい、リリ、目があっちこっち泳ぎまくってるぞ。こいつも追い出した方がいいのかもしれない。


「このまま放っておくと無数のゾンビ達がこちらへ襲いかかってきてしまいます。これ以上数を増やさないためにも!早急の解決を図るべきです。」


色々と言いたいことはあるが、これは相当危険な案件だ。黒い紳士なみにゾンビはしぶとい。魔法は火と浄化系が有効だが、それを使えるものも多くはないだろう。

お墓があるのはこの辺であそこだけなのでかなりの数の人が埋葬されている。骨だけでも魔物にはなるしな。この街なんてあっという間にゾンビの波に飲まれてしまうだろう。


「わかりました。作戦はどんな風になっていますか?」


「とりあえずプリースト、浄化系魔法の使い手を中心とした、アンチアンデッドをお墓にかけてもらうので、その間教会からありったけの聖水を買い取ったので、それを使って他の冒険者様には足止めをお願いしたいのです。」


なんだかんだ言ってプリーストは回復、アンデッド退治など有用なサポート職なので是非欲しい。


「リリ、一つ貸しな、」

俺はこっそりとリリに耳打ちする。


「うぅ、はい、でも体だけは許してください」

「メル様?」

「しないしない!そんなこと要求しないから!」


俺がそう言うことしようとするとマリアが秒で喉にナイフ突きつけてくるんですけど。


「さて!狩を始めようではないか皆の者!」

「「「「「「うおおおおおお」」」」」」


シルフィさんが指揮官のようにみんなを扇動している。


「鎮魂・・・鎮魂・・・えへへへへ」

リリは幸せそうな顔をしてとろけている。


ちょっと離れてこの絵面を見てみるとやばいな、俺のパーティ。


脳筋パラディンに、色恋滅殺謎メイド、鎮魂フェチプリースト。アウトに限りなく近いセーフか?どうだろ。


ぷるぷる。


「おぉ、俺の癒しはミウだけだよ。」

いつの間にかギルドまできていたミウを胸に抱えると胸元でぷるぷると震えていた。

唯一まともそうなのは俺とミウだけか・・・

それにしても最近見なかったがミウはどこにいたんだろうか?体も少し大きくなっているみたいだし。




「では、みなさん出発します!よろしくお願いします!」


「ミウ、お前もいくか?ゾンビ討伐。」

スライムのミウに聞くとポヨンと飛び跳ねた。今までお留守番?だったから一緒に行きたいのだろう。


かくして、町の存亡がかかったゾンビ討伐へと向かったのであった。



====閑話===


リリムート「この墓には迷える魂がたくさんいます。なので私に鎮魂させてください」

墓守「な、何者だ! プリーストの浄化魔法に払う大金なんて払えないぞ!」


リリムート「すべては神の御元へ帰るべきなのです。お金はいりません。それが使命なのですから。ハァハァ」


墓守「なんてお方だ!まるで聖女のような優しさ。後光が見えるようだぜ!是非頼むよ!」

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