第2話 あざとい沙々ちゃん

吉木尚久side


僕の隣の席の亘沙々はあざとい。

「実咲ちゃーん!おはよー」ニコッ


「桔平くーん。一緒に帰ろー」ニコッ


いちいちニコッと笑いながら喋りかける。スキンシップが多くて誰よりも可愛い。自重してるだろうな。あれは。


そんな亘さんを好きな人間はあとを絶たない。


「…可愛いよな。亘さん…」


「桔平の彼女じゃなきゃ奪うのに!」


そんなことを言うクラスの男ども。


可愛い…?どう考えてもあざといだろ。

ぶりっ子?ってやつじゃないの?


絶対性格悪ぃよ。顔に出てるし。


そんなことを考えながら亘さんの手から消しゴムを取った。


この人自分のこと可愛いと思ってんのかな?


そんなことを一瞬考えたが、すぐにノートに目を移した。


それより今は次の時間の提出物の方が大事だわ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る