キャラクター 南ことり
二年生。作曲担当であり、母親はなんと音ノ木坂学院の理事長。一体どこから声を出しているのか分からないほど高い声が特徴。
彼女については、キャラクターの立ち位置に注目して語っていきたいと思います。
歌舞伎の用語で、一枚目、二枚目、三枚目~といったものがあります。一枚目が主人公、二枚目が美男子、三枚目が道化でありお調子者~といった感じの意味として使われており、今でもドラマのキャラクター紹介などでよく見かける言葉です。
さて、ラブライブ!で三人組といえば真っ先に「ことほのうみ」の二年生三人組が浮かびますが、まず他のアイドルアニメで一枚目二枚目三枚目、それぞれの役割を考えてみますと、アイマスでは天海晴香が主人公格で一枚目、少し引いた印象の如月千早が二枚目、天真爛漫でいかにもトラブルを招きやすそうな星井美希が三枚目、といった感じでしょうか。他にもデレマスなら、島村卯月が一枚目、渋谷凛が二枚目、本田未央が三枚目となりそうです。たとえが似たり寄ったりなのは否めませんが。
これらのことを考慮すると、一枚目は非常に純粋で、様々な苦悩とぶつかりながらもアイドルとして徐々に成長する役目を負い、二枚目はあくまでもクールに一枚目に寄り添って支える役目、三枚目は場を和ませる役目を負っていると考えられます。
そこでラブライブ!では、もちろん多くの人が一枚目を穂乃香、二枚目を海未、三枚目をことりがそれぞれの役目を担うと考えそうですが、私にはどうもそこには一抹の違和感を感じずにはいられないのです。
一枚目二枚目三枚目の観点からいくと、穂乃香とことりはその役割が逆なのではないでしょうか。
以前、花田脚本はことりを純粋化しすぎたために扱いづらくなったという旨の発言をしていたと耳にしたことがあります。確かに、主人公である穂乃香の幼馴染みであり、かつライブの衣装担当という重大な役職に就いているにもかかわらず、二期でことりが活躍する姿を見る機会は少なかったように思います。花田脚本自身が、明らかにことりというキャラクターを持てあましていたような印象さえ受けます。
それは、穂乃香が一枚目の役割に加えて、三枚目の役割であるネタの提供や場を和ませる一言さえも持ち合わせていたからではないでしょうか。場を和ませる役割を穂乃香に捕られてしまったことりは、そのため仕方なしに純粋な性格であるとキャラ付けされるよりほかなかったのではないでしょうか。
ネットなどの二次的な活動で、ことりが「(・8・)」や「~ちゅんなあ」などの元のキャラクターから大きく逸脱したような性格で描かれるのは、日本人に古くから受け継がれている一枚目二枚目三枚目といった物語上での役割の根底認識が無意識に働いていることの証左なのかもしれません。
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