第4章 夏休みから二学期までの出来事

第12話12


クラスマッチの翌日の朝 学校に行く途中

未希と波奈に渉に告白したことを報告した。

「 「よかったね。」」

2人同時に、 そう言って、喜んだ。

「 ねっ夏休みは、2人でどっか、行く予定とかあるの?」

と波奈が 目に 好奇心をにじませて質問してくる。

「 それがね ほとんど、会えません。渉 吹奏楽部だから コンクールの練習や体育祭の練習で忙しいんだと 昨日メールしたとき、そう書いてありました。」

真央が、心底悲しそうに言うと、未希が

「 ほら、期末テスト前だから 一緒に 勉強するとかは?」

「それも、無理 渉 お兄さんに 勉強みてもらうんだって、期末テスト終わるまで、学校以外では、会わないって言われた。」

真央のしょんぼり具合をみて 波奈が在ることを思い出す。

「 あっそういえば、期末テスト終わった翌日 花火大会があるじゃん それ、誘えば?」

「その日は、俺が予定あるの 間に合うか怪しいのだ」

もはや 打つ手なしと未希と波奈は、ため息をついた。


「真央ちゃん 早く早く 急いで」

「待ってよ、母さん このサンダル走りにくいんだから」

「 そんな事言って、花火大会はじまっちゃう」

桃子に急かされ 家まで走るが シックな紺のワンピースにサンダルという服装の真央は、走るに走れない。

桃子もスーツに パンプスを履いてるのに真央より早く走ってる。

真央は、桃子と一緒に 親戚の家に用事で行ってたが 、予定より早く帰れたので、花火大会に行けそうだからと桃子に急かされてる。

「 うりゃあ」

家に駆け込むなり真央は、そんな掛け声と共に、サンダルを脱ぎ捨てる。

「真央ちゃん、女の子がそんな事しちゃ駄目だと思うの 急いでても」

真央は、桃子の注意を聞かずダッシュで、

自室へあるものを取りに行く。

真央は、自室から出てくるなり、シャワーを浴びるため 浴室を目指した。

「 さっさと、着替えないと、間に合わない」

ワンピースごと キャミソールを脱ぎ捨て ブラやパンツもポイッと篭へほうりこむ。

走ってかいた、汗をシャワーで流しバスタオルで、しゃっしゃっと体を拭き新しい、ブラとパンツにキャミソールを着る。

その上に、水色に赤い金魚が描かれた、甚平を着る。

「 あとは、髪」

ドライヤーで乾かして、いつも通りツインテールにする。

「真央ちゃん 髪型変えたら?」

と桃子が、ツインテールをほどいてしまう。

「時間が、ないからこれしかできないけど」

と 和風のデザインのヘアクリップで 髪を止めてくれた。

ハーフアップ と呼ばれる髪型で、後ろのほう髪がおりてるのが、気になるが せっかく桃子が、やってくれたので我慢する。

「行ってきます。」

真央は、携帯と財布を入れた 小さなカゴバッグ1つ持ってでた。

花火大会のかいじょうまでは、歩いて20分ほど、中島川の周辺で行われる。

渉に連絡するため携帯電話にかける。

「もしもし、渉?今どこ」

「 ここ」

「わあ 脅かすなよ」

真央が 振り返ると、Tシャツとハーフパンツというラフな服装の渉が、いた。

「 最初、いつもと髪型違うから誰かと思ったけど、やっぱり真央だった。甚平来てくるやつ あんまりいねぇから」

「あー 本当は、浴衣がいいんだろうけどな 時間なかったから」

「へぇ 浴衣みてみたいな。」

「今度な 」

2人は、屋台をまわり買い食いする。

花火が、上がり始めると橋の欄干に寄りかかり

「すっげー 綺麗 やっぱ 花火は、いいな 手でもってするのもいいけど でも、手持ってすんの流石に子どもっぽい かな?」

「いいんじゃね?今度するか 2人で」

「えー2人で、さみしいくないか?せめて、何人かよぼうぜ」

「クラスのやつら?」

「いーなそれ」

2人は、花火を見ながら会話をかわした。

「今日、これてよかった。」

「真央」

「何 ?」

「手つなご」

「いーよ」

恥ずかしいなと、真央は、おもいつつ渉と、手をつないだ。

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