第6話 閑話休題 私 が猫になる事を選択した理由
「えー合唱部がなくなった?本当ですか。」
「あー本当なんだよ。合唱部を指導してた、先生が異動に なって 他に指導出来る先生も いなくてな 今年度から 休部って事になったんだよ。」
「そんなー」
桜が完全に散った4月下旬、私 長谷川 そらは、入部したい部活の事を確認するため 担任の先生の所を訪ねた。
そしたら、先ほどのやり取りだ。
中学では、合唱部で3年間頑張ってきた。
練習は、きつかったけど 皆と一つの音楽を作りあげていくあの楽しさは、何物にも代え難い。
この高校だって合唱部があるから選んだ。
なのに、肝心の合唱部がないんじゃ意味ない。
私の合唱三昧な高校生活は、こうして夢と消えた。
私は、他の部活も一応見学したけど合唱部に入る気満々だったからどれも興味が湧かなかった。
結局、部活に入らず バイトも禁止されてるため、勉強と友人と遊ぶ以外は、基本暇だった。
学校が休みで予定もないので、母上様にお手伝いを申し出てみたが 掃除も洗濯も終わったし他にやる事無いから、いいわよと言われる。
後は、ひたすらスマホで ゲームかSNSを覗くかぐらい
「 部活が、忙しい 勉強 勉強で遊ぶ暇もない泣き 」
中学時代の友人達の呟きを見てつい怒る。
「チクショー、そんな事 言ってみたいわ
リア充共め」
自分も夢中になれる事をみつければいいけど
そんなのない。
「まったく、こんな暇なら猫になりたい。
自由気ままな生活 送りたい せめて、異世界トリップとかしたい」
やりたい事もやるべき事もないから 最近、ネット小説にはまって 発想が こんな現実から離れた事しか思いつかない。
それから、高校に入って1年たつ前に あの事故だ。
あの世行きのバスを管理してる男の人の話じゃ、もう一回人生やり直し出来るらしい 異世界トリップじゃなくて 生まれた世界でという条件は、あるけど 好きな姿になれるらしい。
「私、猫になりたい 喋れる猫に」
私は、暇すぎる人生は、送りたくない 、真央を女の子にしてもらって真央の観察をしよう
自分は、猫になって食うちゃ寝食うちゃ寝の生活を送りたい。
私は、暇すぎる人生を送りたくない そんな理由で猫になることを選択した。
「早く起きなさい 真央」
ペシペシ、前足で真央の顔を叩いて起こす それが、今の私の朝早くの仕事。
真央を怒鳴りながら、真央の支度をチェックする。
真央を送り出してから夕方までゴロゴロ 1階では、母上様が家事をはしてる。 掃除、洗濯が、すんだら小説家としての仕事をするだろう。
私は、家で文字通り食うちゃ寝 食うちゃ寝の生活 なのに、真央を女の子として一人前にするという使命がある。
今の方が、忙しい。
やはりこの選択は、間違いじゃなかった。
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