第3話 3




「ブース」

絆創膏をあげてから毎日、朝登校してくるなり橋田にこう言われる 真央 当然のこどく真央は、

「 うるせえ 、テメーに言われたかねー」

「ブスにブスって言ってどこが、悪いんだよ。」

こうして、始まるけんか 最初は、友人達も止めてたが、毎日こう繰り返されては、誰も止めなくなる。


それどころか、ああまた始まったくらいにしか思われない。

けんかは、予鈴が鳴るまで続く。

「あんたら、じゃれあうのは、いいけど、チャイムなってるの聞こえた?」

担任の鈴木先生が呆れた顔で 2人の前に立っていた。

どっと クラスメイトが、笑い声をあげるなか2人は、一度お互いを睨んでから 席に、座った。


ホームルーム中も授業中もお互い目を合わせないように、前を見ていた。


「なんなんだ アイツ毎朝、人の事ブス、ブス

って言いやがって ムカつく!」

放課後、 未希と波奈と別れた後も真央は、1人で ぶつぶつ文句を言っていた。


今日は、母が用事で、出かけてるので家にいない真央は鞄から鍵を取りだして、玄関の鍵を開けようとした時、視線の端に真央の大嫌いな生き物が見えた。

「 うぎゃああ、ヘビ ヘビーやだ こっちくんなー」

近所中に響く叫び声 パニックになった真央は、ガタガタ震えて動くない。

そんな時、意外な人物が 現れた。

「 おい、長谷川 どうした?」

橋田である。

「 あっヘビ 」

「ヘビー?」

真央が、指さすほうを橋田は、見て

「なんだヘビ くらい この辺じゃ珍しくねえだろ さっさっと家に入ればいいだけじゃねぇか」

橋田は、それだけ言って去ろうとするが、

真央に 手をつかまれる。

「なんだよ?」

「俺、ヘビ、苦手なんだよ どっかやってくれよ。たのむ」

真央は、手をあわせて懇願する。

「ヘビは、無理に追い払わないほうがいいらしいぜ、お前が 家に入るまで、見張っててやる、それならいいだろ?」

「 うん、じゃ頼んだ。」

「 いーから早よ入れ」

橋田に言われ 真央は、ようやく鍵を開けて入る ドアを少し開け橋田に声をかける。

「ヘビ、 こっちに来てねえよな?」

「それどころか、さっきどっか行ったよ。」

真央は、ホッとし 橋田にお礼を言った。

「サンキュー」

「じゃ 俺帰るぜ」

「うん じゃあな」

真央は、ドアを閉めてから家に上がると、リビングの入り口から そらが見ていた。

「見いちゃった 見いちゃった 真央が男子に懇願してるとこ」

フフフと怪しい笑い声を出すそらに真央は、怒鳴る。

「お前見てたんなら助けろよ。」

「だってぇ面白いだもん 。あーこれからも楽しみだわあ 真央の観察 録画出来たらいいのに」

まるで、昼ドラの続きを楽しみにしてる主婦のような一言に真央は、好きにしろやと思った。


翌日橋田に改めてお礼を言おうとしたら

「いやー昨日は、うけたわお前にも苦手なもんあるんだな、お陰で貴重なもん見れたぜ」

橋田の一言にキレて真央は、怒鳴る。

「お前が、勝手に俺のところへ来たんだろが、誰も助けろとは、言ってねぇ」

結局、いつものけんかになってしまった。

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