本作は異世界転移という体裁を取ってはいますが、その内実は非常に現実的に描かれており、それはどこか中世を思わせる異世界でも変わりません。
そんな現実的な異世界と、我々の住む地球を行ったり来たりしながら主人公の晶達は商売をしていくわけです。その苦労は並大抵ではなく、そもそも主人公の晶君が物語冒頭から苦労しっぱなしなので、その活躍は涙なしには読めません。
しかしその苦労を知っているからこそ、晶君は主人公たる優しさをもっているという……。本当にどこまでも計算し尽くされた、非常に丁寧かつ、破綻ない、しっかりと読める、読ませる娯楽小説です!!