人類ネコ科 もしくは『化』？

第19話 色分けされた世界で…

ヒトは世界に線を引いた。

この地球に…国に…世界の全てに…。

僕達は境界線を往復することで生活している。

秩序…ルール…目に見えるもの…視えないモノ…。

今日、横断歩道を渡る野良ネコを見た。

きっと学んだのだ。

道路を横切るときは、白黒の線の上を歩けばいい。

僕達が自分達の都合で決めたルールを彼らは利用している。

違うな…。

もともと…この世界に線など無い。

1本引くたびに、僕達は自由を失っていく…。

でも…線の内側には安心がある。

僕達は線に囲まれることで守られることを知っている。

彼らは、その線を利用する。

ヒトが決めたルールを強かに…馬鹿にするように…踏み抜いて生きていく…。

あの猫が踏みつけて歩いていく姿は、僕達をあざ笑うように、僕の目に映った。

強く…賢く…気高く…美しい。

思わず、その姿に苦笑した。

きっと、そこまで考えてないさ…ただ自由なだけ…歩きたい所を好きな時に歩く…それだけのこと…僕には出来なくなってしまったこと…。