妹を不審者から守るのは兄の役目

俺は今、一花と自分の部屋で談笑している最中だ。


「悠人君って、以外と片付いているんだね。びっくりしたよ!」

と一花は何故か驚いている。


「おい、おい、以外と、とか言うなよ?

まぁ、ほとんどは幸が片付けているけどな。」


「悠人君じゃあないんだね。ちょっと失望したかな。

幸ちゃんはしっかりした妹だね!羨ましいよ!」


「うん?羨ましい?なにがだよ?」


「な、なんでもない。なんでもない!それより、幸ちゃん遅いな~」

と一花は話をごまかす。言いたくなかったら別にいいけどな。

だが、確かに幸は遅い。時間は5時を過ぎている。

中等部の下校は早いはずなのだが。幸に彼氏でも出来たのか?

俺とは違い可愛いし頭もいいからな~

と思っていると、


「最近、不審者がでたって先生言ってたけど幸ちゃん大丈夫かな?」

と一花が恐ろしいことを言ってきた。


幸が心配になってきたぞ。

万が一、幸に何かあったら兄として失格だ。


「一花、不審者の情報を詳しく教えてくれないか?」


「うん!いいよ!え~とねぇ、先生が言ってたことなんだけど、

身長は175cm前後で、ニット帽被ってて、年齢は不明だよ。」


「それだけか?他にないのか?」


「う~ん・・・・・あ、確かうちの学校で二人襲われたらしいよ。

その二人ね、破られたの。」


「な、何を破られたんだよ。詳しく教えてくれないか。」


「乙女の口から言えないものを被ったの!わかるよね?ね?」


「破る?破る?待てよ破るって処女膜のことか?」


「う、うん。」

と一花は、顔を赤めて頷いた。

あ、そのしぐさ、案外、俺のヒットポイントを削って来るぜ。

まぁ冗談はさておき。


「それは、先生からの情報なのか?」


「そうだよ。先生がね、初めてを守りましょうって言ってた。」

生徒に何言ってだよ?教師が言っていいことなのか?

まぁ、言ってることは正しいのだが。


「やばいな。幸が心配だ。」

外を見てみるとうっすら暗くなっている。


「悠人君どうする?幸ちゃんに電話してみたら。」

と一花が言う。いい考えだ!


「じゃあ、幸へ電話してみるよ」

と俺は、スマホを取りだし幸に架けてみるが



綱がらない。



「架からないだが。どうしようか?」


「多分、携帯の電源切ってるのかな。

だったら、幸ちゃんを探しに行く?」

と一花が言う。流石だ。またまた、いい考えをありがとう。


「探しに行くよ。一花もついて来てくれるか。」


「当たり前だよ!幸ちゃん心配だよ。」

と一花は幸を心配している。


それにしても、幸大丈夫か?

二人襲われてるって言ってたしな。

しかも、処女膜を破るとか酷くないか?


(俺は、兄として一人の男として幸の処女膜は守ってみせる!)


と俺は決意を新たにするのだった。



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理不尽すぎる能力は妹を救う。(仮) siskon @siskonprpr072

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