02

 誕生日おめでとう。晶の十九歳が素敵な一年になりますように。

 フライトの乗換トランジット待ちのあいだに、香港国際空港の出発ロビーから自分が送ったメールの文面を思い起こし、小野寺慈は軽いため息をついた。成田空港の駐車場に、十日ほども停めっぱなしにしておいたステーションワゴンのエンジンを暖機しながらのことだった。

 ハンドルを抱え込むようにした腕の中に顔を埋め、もう一度ため息をつきながらちらりと視線だけを動かしてメーターの隙間にあるデジタル時計を確認する。十二月二十四日十六時三十分。

 いまからならば、機材を置きに会社に戻ったとしても、日付が変わるまでに帰宅することは十分に可能だ。

 そうするべきかどうか、――慈は悩んでいるのだった。

 晶が十七歳になった年まで、慈は彼の誕生日を彼の家族と一緒に過ごすことを習慣としていた。

 晶の誕生日は、慈が実の姉のように慕っていた晶の母、香子の命日でもある。

 日ごろは、晶に自分たちのことを、父さん、母さんと呼ばせ、なんのわだかまりもなく接しているように見える涛川夫妻も、この日ばかりはどうにもこうにも拭いきれない複雑な思いを隠せなくなるものであるらしい。

 晶の好物を並べ、ケーキまで買ってきて彼の誕生日を祝うくせに、そこには慈にもわかるほどの重たい空気がついてまわる。晶と慈が晶の部屋に引き上げたあとの残された時間、涛川夫妻が香子を想い、いまだに涙していることを、慈はちゃんと知っていた。

 晶ももちろん知っていただろう。

 仕方のないことだと理解はしている。

 それでも慈は、その日ばかりは晶のために涛川夫妻を内心で責めずにはいられなかった。一年のうちでたった一日の特別な日、自分が生まれてきたことを祝ってもらえる特別な日を、そんなふうに涙で濡らされて、晶がどんな思いをするか、彼らは考えたりはしないのだろうか。

 ただでさえ、ハッピーバースデイのささやかな歌声が、街に流れるジングルベルの騒音にかき消されてしまうような、そんな日なのだ。

 せめて家族だけでも、声を限りに晶の誕生を祝ってやりたいではないか。

 そうは云っても、自分に口を挟む資格がないことを、慈は十分に理解していた。だから十七年間、一度として余計な口をきいたことはなかった。ただ自分だけは、この日に限っては香子のことを忘れ、すべての時間を晶のために――晶のためだけに――使おうと心に決めていただけだ。

 慈は、晶の母香子の供養を、彼女の息子の誕生日、その前日にすることにしていた。

 香子の供養。

 それは、晶の写真を香子に供えることである。

 香子が亡くなったあと、慈は彼女が愛用していた古いカメラを譲り受けた。

 いまではもうほとんど使われなくなったフィルムを使う古い機材は、次に故障したら修理さえも難しいだろうと云われている骨董品で、使い勝手もお世辞にもよいとは云えない代物だった。

 だが、高校で写真部に所属していた香子が、小遣いを貯めて買った最初で最後の愛機は、使いづらいという理由だけで手放すにはあまりにも惜しく、慈は晶の写真を撮るときにだけ、その重たくて時代遅れの一眼レフを引っ張り出す。

 晶のお母さんに、晶の成長した姿を見せてあげなくちゃね、と慈が云えば、晶はいつだって素直に撮影に応じてくれた。香子によく似た美しい面差しは、あたりまえだが歳月を重ねるごとに大人びていき、ファインダー越しに彼を見つめる慈が驚くような表情を見せることもあった。

 流れゆく時間の一瞬を切り取る行為を愛した香子ならきっと、この写真を見て晶の成長を喜んでくれるはず。慈はずっとそんなふうに思って、晶にレンズを向けてきた。晶の笑顔も泣き顔も、拗ねた顔もむくれた顔も、そのすべてを目にすることができたはずの香子に届けてやりたかった。

 晶の写真を撮ることは、慈にとって香子を想うよすがでもあり、自身のライフワークでもあったのだ。

 ――晶が十六歳の最後の日を迎えた、あのときまでは。


 慈は伏せていた顔を上げ、ギアを操作してゆっくりとステーションワゴンを発進させた。さほど混雑してもいない駐車場をすぐに抜け、一般道から高速に乗る。法定速度ぎりぎりの、ほとんど迷惑行為とも云えるゆっくりとした運転で車を走らせていけば、真冬の空には夕闇が迫りはじめてきていた。

 瞳を眇めて前方を見遣り、ため息を繰り返す。

 慈は迷っていた。

 今日中に自宅へ帰りつけば、晶は必ずや出迎えに出てくるはずだ。あの綺麗な澄んだ瞳でまっすぐに慈を見つめ、おかえり、と云うだろう。そしてきっと躊躇いもせずに続けるはずだ。今日はおれの誕生日だよ、慈ちゃん。おめでとうって云ってよ。

 おめでとうと云うのがいやなのではない。そんなことくらいならばいくらでも云ってやる。

 だけど――。

 大学を卒業したのちの慈が生計を立てる手段としてカメラマンの職を選んだのは、たぶんに香子と晶の影響である。香子に導かれるように写真の世界の入口に立った慈は、晶の成長を撮り続けることによってその深みを知った。

 姉にも等しい香子の忘れ形見である晶は、慈にとって大切な存在だ。友人でもなく弟でもなく、ましてや息子でもなく、しかし、そのどれにもあてはまるような曖昧な存在ではあるが、愛しく大切であることに変わりはない。

 晶にとっての自分もそうであるといいな、と慈は思っていた。母とも姉ともつかず、しかし家族のように晶の幸せを願う、彼にとって近しい存在。

 けれど晶は、そんな慈の想いをあっさりと飛び越えてきた。

 十六歳の最後の日に晶が見せた幻のような笑顔で、慈はそのことを悟ったのだ。

 晶は、たしかに慈のことを想っていた。ただしそれは、慈が期待していたような生温い感情ではなかった。

 もっと熱くて、もっと厄介で、もっと淫らな――、それは恋だった。

 自分の前では素直な表情を見せる晶が、日ごろはひどく冷めた瞳をしていることに、慈はもちろん気づいていた。素直な笑顔を浮かべることも滅多になければ、そもそも写真を撮られることも好きではないようだった。

 晶も難しいお年ごろになってきたわけだしね、とレンズを向けてもなかなか笑顔を見せない晶を前に、慈はそんなことを考えていた。香子のために、という云い訳がいつまで通用するのかわからないけれど、そろそろこの毎年の撮影会も終わりにしてもいい頃合いなのかもしれない。

 いつまでたっても冷たい表情を崩さない晶に焦れて、慈は苦笑いしながらシャッターを切る指を止め、ファインダーから顔を上げようとした。――その刹那。

 晶がやわらかく微笑んだのだ。

 慈は驚いて目を見張り、晶、と思わず彼の名を呼んだ。

 顔を上げた慈の前で、晶はやさしい笑みを浮かべていた。

 けれど、それはごくわずかな時間のことだった。ふたたびファインダー越しに見た晶は、もとのとおりの冷たい無表情に戻ってしまっており、撮りたかったのに、とふたたびの笑顔をせがんでも、もう二度と瞳を緩めることはなかった。

 そして、あの顔、撮りたかったのに、としょげる慈に、晶は云ったのだ。フィルムに残したら意味がないだろ、と。

 聴いたこともないような、あたたかな声だった。深くて甘い、男の声だった。

 慈は耳を疑った。いったいいつから晶はこんな声を――。

 そして唐突に気づかされたのだ。晶の想いに。やわらかな、本気の恋心に。


 あのときから慈は、晶のことをそれまでのようには思えなくなってしまった。

 別に意識しているわけではない。――と、思いたい。

 そうではなく、ただ、もうなんというか、申し訳ないような気持ちになってしまったのだった。

 慈がこれまで晶の傍にいたのは、なにも晶にそんな想いを抱かせるためではなかった。

 身を裂くようにして産み落としたわが子の成長を見守ることのできなかった香子の代わりに、彼女の息子の成長を見守ってやりたいと思っていたのだ。いうなれば、第二の、いや、第三の母のようなつもりで。

 なにもできなかった赤ん坊が少しずつひとつずつさまざまなことを覚え、経験し、笑って、泣いて、いつか、自分を追い越し、広い世界に飛び立っていくのを見守っていたいと、そう思っていただけなのだ。

 晶の結婚式には泣いちゃうかもなあ、わたし、などと幸せな夢を見ていた慈は、まさかその当の晶が己の隣に慈自身を望むなど夢にも思ってはいなかった。

 晶が。あのちっちゃかった晶が。わたしを。――なんだって。いったいなにがどうしてこうなった。

 もしも晶が胸に秘めたる想いを言葉に換えていたのなら、慈はこんなに悩んだりはしなかった。

 いやあ、きみのそれはね、恋じゃないんだよ、よくある勘違いなんだよ、はっはっは、と笑い飛ばし、晶にとっての青春のささやかな傷のひとつにでもなって思い出の彼方に潔く消えてやったことだろう。

 しかしそのとき、晶は自身の想いを口にしたわけではなかった。慈が勝手に気づいてしまっただけのことだ。大人の女ならば誰もが持ち合わせている、ある種のいやらしさでもって。

 なんだか晶を汚してしまったような気がする、と慈は思っていた。

 わたしを信頼してくれている涛川のおじさんおばさんにも、天国の香子ちゃんにも、晶自身にも申し訳ない。なんだかもういろいろと申し訳ない。

 ごめんなさい、とだからあのときの慈は咄嗟に思ってしまったのだ。そして以来、晶の顔を見るたびに、申し訳なくていたたまれなくてたまらなくなる。

 あの日を境に、慈は晶の写真を撮ることをやめた。自宅に置きっぱなしの香子のカメラが寂しそうにしているけれど、それには気づかないふりをしている。

 晶の十八歳の誕生日は、わざと仕事を入れて帰らなかった。

 彼が十九歳になる今年も、そうするつもりだった。

 だが、無駄に親切な慈の上司は、おまえ、たしか去年も年末に撮影だっただろう、と勝手にスケジュールを調整してくださったのである。今年は休みにしてやるからな。ありがたいだろ。俺っていい上司だろ。

 おかげで慈は東南アジアの取材先から、めでたく帰国できたというわけだった。よりもよって十二月二十四日、一番帰ってきたくなかったちょうどその日に。

 まったくもってよけいなことをしてくれる、と悪態をつく慈を、おまえほど恩知らずなやつはいねえな、とたしなめたのは倉岡だった。こういう仕事してて、人間らしい休みに配慮してもらえるなんて、普通ありえねえんだぞ。

 今回の取材のコーディネータを務めてくれた倉岡拓海たくみとは、香港まで一緒だった。もっとも彼は、慈に重たくかさばる機材をすべて預け、とっとと現地妻のもとへと走っていってしまった。MTRの乗場に向かって文字どおり走り去っていく倉岡の背中を見送ったときには、ささやかながらたしかな殺意が湧いたものだ。

 今年の夏、倉岡と晶は偶然にも顔を合わせている。

 倉岡は慈の同僚だ。同僚といっても倉岡は帝都通信社に所属しているわけではなく、社と契約しているフリージャーナリストである。

 倉岡の取材対象は主に紛争地帯や内戦国、災害被災地や貧困街などの厳しい現場で、一年のほとんどを海外で過ごす。それなりにキャリアの長い彼は自身で取材をするほかに、契約している通信社や新聞社の記者の取材に同行したり、現地コーディネータのような役割を務めたりすることもある。

 厳しい現場での取材は、現地ガイドを含めた数人のグループで動くことが多い。ただ、地域によっては、そのガイドさえも信用できない場合も珍しくはなく、厳しい現場に慣れているうえに、複数の通信社や新聞社と契約できるだけの信用力のある倉岡のような男は重宝されているのだった。

 倉岡は仕事の上では非常に頼りになる男だった。鍛え上げられた大柄な体躯は外国の職業軍人に混ざっていてもなんの遜色もなく、人懐こく明るい気性は難しい立場にある人物に対する取材の際にも一役買ってくれた。

 ただし、である。

 倉岡は誠実という言葉とは無縁の男でもあった。世界中のあちらこちらに、自分こそは彼の唯一、と信じている女性が数多おり、みなが皆、彼の帰りを待っている。さらにそのうえ、慈のことまで本気で口説こうとしてきたのだからその肉食ぷりったるや、嫌悪を通り越してあきれかえるばかりだ。

 はじめて顔を合わせたとき、倉岡のことをなにも知らなかった慈は、危険な現場での取材という、一種異様な状況による吊橋効果もあったのか、彼に心を傾けかけた。だが、いざその気を起こしてみると、どうも勝手が違う。あ、こいつは面倒な――倉岡が面倒なのではなく、彼に夢中になってしまうと、自分が面倒な女になってしまうという意味で――男だ、と敏感に察知した慈は逃げた。

 そんな慈を倉岡は追うでもなく、おまえは案外どこでも生き残れるタイプかもなあ、と豪放に笑ったものだ。こりゃだめだ、と思った慈は、しかし倉岡には気に入られたらしく、以来、倉岡を必要とするような現場に慈が取材に出る際には、必ず彼がガイド役を買って出てくれるようになった。

 そういえば、夏の取材も紛争地域での仕事だった、と慈は思い起こす。

 時事取材よりも人物取材の仕事が多い慈は、通信社のカメラマンにしては幸運なほどに安全な仕事ばかりを割り振られていた。慈自身としてはどこへ派遣されることになろうとも、決して異は唱えるまいと心に決めているし、親兄弟には内緒で年齢の割には高額な生命保険にも加入している。しかし、現実として、慈が危険な現場に出る回数はそれほど多くはなかった。

 あのときは、さる国際機関で働く若き日本人女性を取材するため、いまなお多くのゲリラが市街戦を繰り広げる紛争地域を訪れていたのだった。

 取材はとてもうまくいった。国際的な場でそれなりの立場を築くほどの女性であるから、さぞ厳しくてお堅いタイプなのかと思いきや、物腰やわらかな笑顔の可愛らしい人だった。ただ、強靭な光を放つ焦茶色の瞳はやたらに澄んで見え、彼女がこれまでに歩んできた道のりが決して平坦なものではないことを物語っていた。低く落ち着いた声音で語られる理想は存外泥臭く、しかし潔癖な正義感に満ちていて、もっぱら人殺しの云い訳に標榜されるばかりの正義というものに不審を抱く慈でさえ、深く感じ入ったものだ。

 彼女のおかげで、半月以上にも及ぶはじめての紛争地帯の取材を幸運な形で終えることができた。だが、そのあとがよくなかった、と慈はため息をついた。怪我を負ったうえに、まさか、晶と倉岡さんが鉢合わせするなんて。

 負傷した慈を自宅まで送り届けてくれた倉岡は晶と顔を合わせるなり、彼の心を見抜いたようだった。晶を自宅前に置き去りにして家のなかに入ったあと、倉岡は玄関口で、ずいぶんと色ボケたマセガキだなあ、とさんざんに慈のことを笑い者にしてくれた。

 晶の想いに応えることはできなくとも、息子同然に愛しい晶を莫迦にされた慈は当然のごとく怒り狂い、倉岡の逞しい腹に思いっきり肘を打ちこんでやった。むろん、まったく効果はなかったけれど。

 今回、香港で別れるときにも、倉岡はにやにやと笑いながらこう云った。帰るってことはあれだな、覚悟ができたってことだよな、小野寺。

 覚悟などできるはずがない。だいたい――、いったいなんの覚悟をしろというのだ。

 しかし、倉岡にそう云われたことによって、慈はいやでも意識しないわけにはいかなくなってしまった。どうにかこうにか避けてきた晶の想いを。

 気づかないふりをしてやるべきだ、と慈のうちのほとんど――理性も含めて――は、そう思っている。言葉は悪いが、彼の好意を誤魔化し続けているうちに晶の熱は冷め、やがてまっとうな恋愛に目覚める日が来るだろうと思っているのだ。慈への気持ちなどすっかり忘れて、晶にふさわしい若くてかわいくてやさしい女の子と幸せな絆を結ぶだろう、と。

 だが、慈のうちに潜んでいるほんのわずかのなにかは、そんな晶の未来をおもしろくないものだと思っている。そうしたよこしまが、――たしかに存在する。

 だからこそ慈は、自分が晶を汚してしまったように思うのだ。

 晶の気持ちに応えることもできないくせに、独占欲だけは人一倍。そんな自分がいやになる。

 近ごろの晶は、大学生になったこともあってか急激に大人びてきた。慈の目から見ても立派な青年となった彼は、しかし、それだけはこどものころと変わらないまっすぐな瞳を慈に向けて寄越す。一条の色香を滲ませたその眼差しに、慈は自身の邪を見透かされるような気がして気後れしてしまうのだ。

 会いたくない、と慈は思った。

 いまの晶には、――会いたくない。


 迷い続ける臆病な慈が運転する車は順調に帰路を走り、やがて彼女は自身が勤める帝都通信社へと帰りついた。

 重たい機材を台車に乗せて保管室へと運びこみ、無駄に親切な上司に帰着報告をしたあと、いよいよ慈は二進も三進もいかなくなってしまった。ようは、職場にいてもすることがなくなってしまったので、帰宅せざるをえなくなってしまったのである。

 迷いが過ぎて無意識のうちに、ううう、と低く唸っていたせいで、腹でも痛いのか、早く帰れ、と上司に云われ、ますます自分を追い込んだことに気づいたときにはもう遅かった。慈は追い出されるようにデスクを離れ、いまは人気のない駐車場に停めたステーションワゴンの中で、数時間前と同じように頭を抱えてデジタル時計を睨みつけている。

 時刻はまだ二十時にもなっていない。

 どれだけゆっくり帰ったところで、今日を三時間近くも残して晶と顔を合わせることになるのは明白だった。

 いやいや待てよ、と慈はふと思いついて顔を上げた。

 わたしは日付が変わってすぐに、去年と同じメールを送ったんだ。あれを読んだ晶は、まさか今日のうちにわたしが帰国してくるとは思ってもいないに違いない。

 大学に入って毎日合コン三昧だとか、バイト先に可愛い同僚がいるだとか、そんな話もしていたじゃないか。そうだそうだ。晶がまだ十六歳のときと同じ気持ちでいるなんて、わたしの勝手な思い込みかもしれないじゃないか。

 そうだよ、なんでいままで気づかなかったんだろう、と慈は自身の胸を刺す鈍い痛みに気づかぬふりをしながら、ステーションワゴンのエンジンをかけた。メールの返事だってごくありきたりな、素気ないと云ってもいいようなものだった。きっと、誰かに誕生日を祝ってもらってでもいる最中だったのだ。

 ゆっくりとした丁寧なハンドルさばきで駐車場を出ながら、慈は晶が送って寄越したメールの文面を思い出す。

 メール、ありがとう。慈ちゃんも身体に気をつけて、仕事、頑張ってね。

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