第9話 -いつの間にか人間やめてました。-
ファルーラとは…地球でいうブァッファローを一回り大きくしてより厳つくしたような魔物である。普段は人を襲ったりはしない温厚な魔物であるが、繁殖期になると気性が荒くなり同種族を襲った、なんて冒険者がいた場合滞在先の街はファルーラの群れの突進に耐えられずすべて踏み潰されるらしい。by隊長さん
「それで?今回の群れの規模は?」
「少なくとも100頭…下手すると200を超えています!」
おー、そこそこ多いなー
「今回の群れって討伐した個体は貰っていいんですか?」
「もちろんだ。ただ消し炭にすると後悔するぞ?ファルーラの肉は美味しいからな。高値で売れる。」
ほーう、なら成亜による広範囲消し炭作戦はダメか
「あ、1つ気になったんだがあんた…イアルさんだっけか?あんたは気功術師か?それともまさか獣神の巫女か?」
「え?いえどちらでもありませんよ?地力です。地力。」
「はぁ?いやもう深くは聞かねぇが…あんた一体何歳なんだ?」
「えっと、少し待っててくださいね?」
そいやこの世界で俺が何歳かって未だにわかってないんだよな…あ、鑑定使えるんじゃね?よし、やってみよ。
櫛田 いある
種族…元人族
性別…中性
年齢…11歳
職業…暗黒神の使徒
*以下略*
「あ、11歳みたいですね。」
「エルフとかの血が入ってるわけじゃねぇんだな。意外だ。」
「人族らしいですよ?」
「ねぇいある?性別は?やっぱり女?それとも男の娘?」
うん、それは俺もびっくりなんだよ。
「中性。」
「「「はい???」」」
「はもんなや!俺だってびっくりだけどそうかもなとは思ってたんだよ!男ならついてるはずのものが無いし!かといって女でもねぇし!」
(おい!どういうことだ!?俺の性別中性とか何新しい性別作ってんだ!?ああ!?)
『だ、だって、しょうがないじゃん!あっちの世界でのいある髪長かったし!そこそこ整った顔してたし!どっちかわからなかったの!』
まぁ、確かに…それならしょうがないか
(まぁそれはいいや。じゃあ職業は?なんだこれ?暗黒神の使徒って、お前創造を司る神じゃなかったの?)
『て、テヘペロ☆(´>ω∂`)』
(正直に話せば怒らないので正直に話なさい。)
『えっと、わたし、光の神のこと信仰してる宗教から敵対してると見なされてね?それで暗黒神、って位置付けになったの…でもさ、かっこいいし良いじゃん!』
「いいじゃん!じゃねえよ!」
「なにがだ?イアルさん?いや、イアルちゃん?」
「あ、いやこっちの話です。すんません。あと蹴りますよ?次ちゃん付けで呼んだら男として大切なものを潰します。」
「うっ…それは勘弁してほしいな…」
はぁ…もうやだよ…なんで暗黒神の使徒なんだよ…遊び人がよかったよ…
(じゃぁ種族は?「元」人族ってなんだよ。どこからどう見ても人間だろ俺。)
『え?だって猫耳生えてるし、邪神と同等の力を有してるとか人間じゃないでしょ?』
う…まぁたしかに…。俺はいつの間にか人間をやめていたぞー!ジョ○ョー!
と、そんなことを話していると…
「さぁ、茶番は終わりにしますよ、イアル殿、隊長。」
ヒュリアさんのその言葉に周囲に集まってきていた兵士と冒険者が静かになる。森のほうからは段々と黄の折れる音と土煙が近づいてきており…
『『ブモーーーーーッ!!!!』』
という雄たけびとともに一体4メートルは優に超えるであろう巨大なバッファローが…
「でかくね!?あんなん軽トラやん!」
「イアルさん!?ケイトラって何ですか!?気抜いてると死にますよ!」
うん、もっともだよ隊長さん。
「おっと、悪い悪い。で?隊長さん。作戦はあるのか?」
「はぁ…ゼイルでいい。俺もイアルと呼ばせてもらう。作戦か?」
そういうと隊長…ゼイルはすぅっと息を吸い――
「野郎共ーー!!奴らを一匹たりとも壁に近づけるんじゃねぇーー!!家族のいる奴らも、そうでないやつも!この街を守る為に命かけてもらうぞゴルァーー!!作戦はねぇ!一匹残らず狩りつくせ!!ただし死ぬことは許さんっ!散開っ!!」
「「「「お゛ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」」」」
おー、さすがは隊長さん気合の入れ方がすげぇや…ではでは
「今日のご飯と宿代!狩りまくるぞ!成亜!」
「フフフ…ここでいっぱい狩って…ケモ耳っ娘を飼うのよ…ふへ、ふへへ」
う、うん。やる気十分みたいで安心したよ…気色悪いけど
いある君過去譚3
冒涜的かつ神話的な月蛙の槍によって片目をつぶされてしまう。
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