第8話崩れ始めた海

おーい。聞こえてる?

ついに覚醒月の時が来たよ。

君も動き出さないとね。

あのトリオから壊すか、仮面ディエットからやるか。

え?誰って?

まあ、

時期にわかるよ。







「美海。起きて。」

「ベータさん…」

気絶していた美海が目を覚ました。

「わたし、気絶していたみたいですね。」

「頭を、打ったみたいです。」

あれ?

美海は目、赤かったっけ?







「ジャック!クラブ!」

『はい!船長!!』

「船は?それから皆は今どこにいる!?覚醒したものを今すぐ集めてくれ。それから美海は何処に?」

「船には特に酷い影響はありません。皆各自の部屋で待機しているはずです!」

「美海は、ベータの所にいるよ。」

「了解した。」

この激しい揺れで歴代の海鳥員達が?

いや、この船は潜水艦にもなる。沈むはずはない。

一体これからどうなるのか?

そして俺が目覚めたこの新たな力は?

色々考えているうちに皆が集まった。

皆の姿は大きく変わっていた。

「皆、身体の変化や新たな能力を教えてくれ。」

真っ先に出てきたのはトラップ、ブラック、ホワイトだ。

彼らは三人兄弟。影ではサタントリオと呼ばれている。

「俺は羽が生えた。そんで、ブラックが」

「手の鱗が剥がれて人型の手になった。脚に鱗が言った。龍の足。かっこいいでしょ?」

「僕は両方の手が龍化した。それで3人で肩車すると」

肩車、よくやってるんだなこの兄弟。

『龍になる』

あぁ、これ1番やばいかもしれないなー。

「船長、俺は背が伸びた。」

「よかったな。」

皐月が嬉しそうに頷く。

「俺の中の時がやっと動き出したんだ。12年前に止まった身体の時が。」

「12…?」

「いや、なんでもない。」

これもやばいな。

「私は、透視能力が上がって、見たいと思ったものが見えるのよー!」

「ラーズは美海の事はあまり見ないように!」

「船長の、下心も俺見えてんだよ。」

これ危険。

「零は、何か変わったか?」

「ん?聞きたいの?さっきラーズかじってみたけどさー、まじもんの吸血鬼になった!」

変化なくてよかった。

「船長、食べていい?」

「おい!船長を食べるな!…ちなみに自分は取っておきの殺意を込めて腕を振るとビームが出ます」

怖い怖い怖い怖い。俺の右腕怖い。

「こっちは取っておきの怒りを込めると目からビーム出ますよ」

俺の左腕も怖い怖い。

「ジャック、クラブ。怖いから。」

「ジャック、怒られてるぞー!」

「クラーブ♪腕振ってあげるよ!」

ダメだ、

「船長、ベータは?」

「あいつはエンジンルームかなー」

「船長、私の透視、ここで使いません?あの二人何やっているか知りたくありません?」

多分ダメってもやるだろう

「もちろん!船長わかってるー」

「心読まれた。」

ラーズが目の色を真っ赤にした。

半笑いのその歌をは雄の顔だ。

「逃げよう、私は人じゃない、違うあなたは人だ、可笑しいのは僕だよ、僕?、ところでこんなことはよくないと思うよラーズちゃん。いやそれとも…」








「美海、目、赤い。」

「…なんでだと思う?」

「美海、声、低い。」

「…なんでだと思う?」

「美海、髪の毛が、」

「そんなことより、ベータ。あなたのことを教えてよ。」

「私のこと?」

「あなた、本当は月下人でしょ?覚醒月に反応する。」

「いえ、私は、」

「人造型月下人作成企画雄-龍-でしょ?」

「……!」

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