第7話 歪みあう紅い月

僕は、いったい何のために生まれてきたのだろうか。

僕はもともと何か目的があり、‘創られた存在‘。

人がボトルの中で禁忌を犯してまで僕を生む、その理由は知らずに育てられた。

女の子として中途半端に作られた。

結果は、男になってしまった。

そのまま、僕は孤児院に入れられた。

無責任な大人たちを見てきた僕をまた光のある世界に連れて行ってくれたのは、

オーシャンとジャックだけだった。

僕は、あの人たちが好きだ。

だから。

「オルカ、時間だよ。」

「ああ、行こうかソウヒ。」



「暇だね、ベータ」

美海は、私にだらだら話しかけた。

「そう、ですか。」

隙だらけな人だな。

いつでも襲えてしまいそうだ。

ふと自分が考えたことに少し恥ずかしくなった。

その時だった

ガタガタ、ギイギイ。

ひどい音がした

「えっ、な、何?」

「早く、私に、つかまって!!」

ついに始まった。

覚醒月。

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