第6話覚醒月

「クラブさん!今日は何かあるんですか?」

「え?」

美海が急に聞いてきた。

「何も無いけれど、どうしたの?」

「実はブラックさんとホワイト君に今日、月が上がってから部屋から出たらいけないって言われて…」

あぁーこの子知らないのか。

でも言っていいかな?んー

「今日は少し波が高いでしょ、こういう時は、すこーし危ない魚や人が来るからさ。」

「えぇ!?そうなんですかー!ちょっと怖いな。」

あ、少しビビらせすぎた。んーと…

「ベータ!そうベータなら今日はそばに居てあげられるよ!」

「ベータさんですか?」

彼なら覚醒月の反応はない…はず!

「誰か、呼び、ましたか?」

「あっ、ベータ!いいところに来てくれたね!!」

僕の相棒、ベータ。あまり話すのが得意ではないけれど、この船の中で一番の美形であり、長髪である。

「今日、あれの日じゃん。だからさ、美海のそばに居てやってくんない?」

ベータは眼鏡をくいっとなおすと

「今日は、私しか、相手できないので。良いですよ。」

「いいんですか?ありがとうございます!」

キラキラした美海の目を見る。

本当に可愛らしい子だな。




「今晩は、美海を守る。約束する。」

私がこういうと、美海は安心したような顔をした。

この人は弱い。だから守らなくてはならない。

「ベータさん!今日は、よろしくお願いします!!」

彼女は、明るい。

泣かせてみたい。

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