依頼を受けると言うこと

14.ギルドの集結事情


 この依頼…つまり戦争の火種になり得る作戦に参加するメンバーは、索敵部隊の冒険者ギルドからはニーア・ハヤテ含め12名。攻撃部隊として戦士ギルドから8名。後方支援部隊として魔術ギルドからレナを含む8名と商人ギルドから4名。以上、合計32人の中隊規模で動くことになる。

 その中で代表がそれぞれ、冒険者ギルド・ニーア、戦士ギルド・オーファン、魔術ギルド・テンペスティ、商人ギルド・アヴァリスが選ばれた。


「で…なんでシルバまで居るんだ?」


「そりゃまぁ…強いからじゃね?」


「全く、大口叩いて…そこのメイリンさんに負けかけたって聞いたけど~」


「いやいや、あれはどう見ても俺の勝ちだったな!」


「いいえ、途中は私が優位でした!いつまでも終わらないから、見かねて講師がどっちも合格にしたのはお忘れですか!?」


「こーらそこうるさーい!」


 4人固まり話をしているとニーアから注意が入る。どうやら、ギルドの代表同士の話が終わったみたいだ。


「話はまとまりました!早速移動しますが…まぁ、他ギルドで知らない人はいないだろうけど…とりあえず私から紹介を。冒険者ギルド代表のニーアです!ちなみに総指揮も私だよ~」


「私は戦士ギルド代表のオーファンだ」


「─────」


「えー、こいつは…魔術ギルド代表のテンペスティです…。寡黙な奴なんで気にせんで下さい。あ、うちは商人ギルド代表のアヴァリス、必要な道具はその都度ゆうてくれな~」


 ニーアは今回、先輩が講師に戻ると言うことで現場に復帰。本当に短い期間だったが、講師としてお世話になった。今でもニーア復活を冒険者ギルド志望のシルバー達は切望しているらしい。


 オーファンはフルメイルの鎧に背丈程の大剣を持つ戦士。本来は戦士ギルドの副長として統括している凄腕の1人である。


 テンペスティは普段研究棟に隠り、魔術の研究に勤しんでいるらしいが、魔導兵器を解析するために自ら志願して依頼を受けた。意思疎通の面で、彼を代表に据えるのはいかがなものかと思ってしまう…。


 そして、その同期として商人ギルドのアヴァリスがいる。商才はギルド随一で、とても金にがめついと言われているが…。裏では「強欲のアヴァリス」と競合相手から恐れられている。


「じゃあ、これから進軍!…ですが、とりあえず半分に分けて東と南から挟み撃ちにします」


 作戦内容は東から迂回するAチーム、南に直接向かうBチーム。Aチームはまず、アウィーナ国で物資の調達を行いナルタ国に向かうルートを取る。一方のBチームはナルタ国で情報収集、並びに海に出るなら船の確保をする。


 Aチームのメンバーは半分の16人。アウィーナ国出身のアヴァリスの指揮の元、動くことになる。主なメンバーはハヤテ、レナ、シルバ、メイリンの新人が補給などを行う。


 Bチームはもう半分の16人。ニーア主導で情報収集を行う。また、今回の対象である魔導兵器との遭遇も可能性があるため、メンバーはオーファン、テンペスティ、ムドウと比較的戦闘に特化した陣営となっている。


「みんな分かれたね~…。では、作戦を開始します!」


 それぞれ目的地に向かっていく。Aチームは丘を越え、森を抜けようと入っていった。


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