ごちそうさま

私はとっても可愛くなった。

やっぱり夕を食べたからだ。

良かった。

私は夕を食べてからちょっとずつ明るくなったし、可愛くなった。

彼氏はいないけど。

今日は成人式の日。

皆に早く会いたいな。

「ここが式場かぁ……」

私は鞄に忍ばせたアレを、見て、お腹を鳴らした。

ぎゅぅっとお腹がなる。

「…早く食べたいなぁ」

ミンナヲ、タベタイ

「あっまなちゃん早いね!」

「おお!なっちゃんも早いんじゃない?」

「そうかなぁ?」

私はなっちゃんの肌を見た、あんまり美味しくなさそう。

次に来た男の子を見て、この人だって思った

お持ち帰りだ。

私は色々な人と話して、男の子に近付いて

落とした。

「ね、今日私の家に来ない?」

上目遣いで男の子を誘う。

これが、女の子らしい。

男の子は着いてきた。

私は酒を飲ませてでろでろにしたあと、寝させた。

告白されたような気がしたけど流した。

今から胃に入る人とは付き合えないものね。

私は彼が寝ている所に、夕を殺した鈍器を彼の頭に打ち付けた。

夕と違って固めだけど、割れないことはない、かな?

殺すまでにちょっとフライパン歪んじゃったけど、新しいの買えばって思ってるから

どうでもいいや。

「いただきます」

私は爪を剥がして指を食べた。

やっぱり美味しいな、夕に似た歯触りだし、

おいし。

「んー、今度は調理してもいいかも。」

夕とは似ても似つかない人間を、ゆっくりゆっくりと咀嚼した。

その美味しさに魅せられて、私は

私を見ている人には気付かなかったんだ。

__________________ _ _ _ _ _ _ _ _

『つぎのニュースです、先日1月9日

月曜日、k県で、隣人が人を殺しているとの通報があり、午後10時2分、女性を逮捕しました、女性は「美味しい者を食べてなにが悪いの?」と、容疑を認めており……』


ねぇ、朝のニュースさ、あのこじゃない?

ほら、昨日の子。


ね、確かにそう思う…怖いよね…


でもさ、ウワサされてたよね、ほら、夕くん

が居なくなった後のあのこ…


名前って、確か




愛咲ちゃん、だったよね









もう、人を食べないと、生きていけないの。

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膨らまないお腹 ノウタケ @noutake

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