一食目
チャプ........少しの物音をたてるだけで響く風呂場。
湯気と水の音だけが私の耳を埋める
沈めた手で意味もなく水を救う
少しふやけた手の中にある水面に顔を写す。
「...私だ。」
ポソ、と呟く、何がどうしたわけじゃないけど
写っていたから見た、って程度。
「....そろそろ出よ」
ざばっと音をたて、浴槽から出る
風呂の戸を開けて、拭いて着替える
電気を消して部屋に向かう。
「...おやすみなさい...」
夕の手を握った後に、隣の布団に入り
眠りにつく
「夕、愛咲、ちゃんと***さいね...」
「うん!」
「はい」
なつかしい
きがする
とても
たのしい
ピピピピピピ ピピピピピピ
ガチャンッ
「おはよ...起きな、愛咲。」
ゆさゆさと揺さぶられて、視界が開ける
日の光が目を照らして、とても眩しくて
目をつぶってしまう
「台所、行こう」
昨日とは違う微笑みを夕は見せてくれる。
それが、それなりに、とても嬉しかった
「ハァァ...眠い..」
眠い目を擦りながら自分の布団をひっぺがし
朝御飯の用意を手伝うべくエプロンを着る
夕の指示道理に材料を出す。
今日の朝御飯はホットケーキらしい。
夕は甘党なのかな、沢山作ってくれるから
嬉しいけど。
「大きいのと分厚いのどっちがいい?」
「分厚いのがいい!」
二人分の皿をだし、ナイフとフォークを並べる
「スンスン...」
いい匂いがする。
美味しそうだなー...
「出来たよ。皿くれる?先お前のだから。」
「はぁい!どうぞ!」
自分でもわかるほどに上機嫌な声で
ふわふわのホットケーキを皿に盛る。
それで自分の席の前に置いて、蜂蜜をかけて
厚いホットケーキをナイフとフォークで切り
口の中に頬張ると甘い味が口の中に拡がる
それが堪らなく美味しくて、どんどん口の中にホットケーキを頬張る
そして食べ終わる
「御馳走様ぁ!、先に学校行くねー」
ニコリと笑った後に階段をかけあがり
部屋に入って制服に着替える
鞄を持って下の階に言って靴を履く
「先行ってきまーす」
返事も待たずに学校に行く。
学校付近の住宅街に家がある、例え遅刻の30秒前に出たとしても間に合う距離の
場所に学校がある。
とにかく近い。
「おはよーまな」
「はよー」
「愛咲はよーっす」
「はよー」
クラスメイトの挨拶には適当に言葉を返す。
すべての準備を終わらせた後に鞄から飴を取りだし腹を少しでも持たそうと思って
飴を4つ口に頬張る
甘味は食べると太ると言うから
体重増やすにはこのぐらい食べるのがちょうどいいと思う。
しばらく飴を舌で転がしていると
チャイムが鳴ってしまい
焦って飴を噛み砕く、危なかった....
「御馳走様でした」
小声で飴を作った人にお礼をする。
あぁ、美味しかった
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