膨らまないお腹

ノウタケ

いただきます

ガツガツモグモグガツガツモグモグ

ごくん。

「...おかわり」

「...まだ食うのかよ?」

「お腹空いてるの。」

ニコリって笑って見せる、すると目の前の彼は、はあとため息をついてご飯とハンバーグと味噌汁を装ってくれる。あぁ、美味しそうだな

「ほらよ」

「ありがと!美味しそうー」

ナイフとフォークを構えて一口サイズに切るとじゅわりと脂が出てそこから暖かそうな湯気が出てくる

「おかわり頂きます!」

手を合わせて一礼したあとに私はハンバーグやご飯にがっつく、お腹が減る。

食べても食べても、お腹が減るの

「....っくふ...」

ごくんと大きく喉をならし美味しい料理を胃に運ぶ

最後に味噌汁に手を伸ばし、具をすすった後に出汁の効いていて美味しい味噌汁を飲み干す

「んっ.....ふはぁ....」

手をぱんっと合わせて目の前の彼に向かって

言う

「御馳走様でした!」

「はい、お粗末様でした。」

そう言って彼は席をたつ

「皿洗い、手伝うから。」

カチャカチャと台所に皿を運ぶ、あぁそうか、今日は私が洗う日だ...

「ありがとう、夕。」

残りの皿を台所に運び二人肩を並べ

皿をきれいに洗っていく

二人分の皿は以外にも少なく、すぐに皿洗いは終わった。

「風呂、俺、先に入るから」

「うん!」

その間に私は明日の学校の準備を済ませる。

そういう約束なのだ、お父さんと、お母さんと...

私は、愛咲(マナサ)、お母さんは夕子(ユウコ)、お父さんは、直斗(ジキト)、そして、義兄の夕

私達はそれなりに楽しい日々を送っていたはずなのに

可笑しい、可笑しいんだ、何時から私のお腹は張らなくなったのかな....一年前?十年前?つい最近?....わからない。

二人は交通事故で入院中。

けど、いいの、私は、私が幸せじゃあなくても

夕が、母さんが、父さんが、幸せなら

良いの。

「風呂空いたぞー!」

「はーい!」

夕の声が聞こえた、風呂に入ろう

トントントントントンと階段を下りる階段の下で夕に会う

「お休み!、先に寝てるかんな」

にかっと明るい顔を見せてくれる。

あぁ、幸せだなぁ。

「うん、おやすみなさい!」

早足で風呂に向かい、裸になって、体重計の上に乗る

「40..か」

目指している体重は58。そのためにいくら食べても、食べても食べても食べても

この腹に脂肪が貯まることは、ないんだ。

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