セレブの館にようこそ④

 お手洗いでうーちゃんと話す。

「あやしいと思わない?」

「真っ黒だろ。どう考えても」

「だよね、でもアリバイを崩さないと戦えないし」

「おー、推理小説の様相を呈してきたな」

「そんな、楽しんでる場合じゃないよ」

「アリバイって言うくらいだから何か推理してんだろ?」

「うん。絶対ベッキーはクッキーに何か仕込んでるんだよ」

「おう」

「幾らお菓子作りが好きだからって毎日焼く? それに、お菓子作りしている人だったら、あんなに余るように作らないと思うんだ」

「なるほどな、あいつはお前と同じ寂しいシングルガールだ。貢ぐ相手もいねーもんな」

「いちいち、私を引き合いに出さないでよ」

「ついうっかり、心の声が出ちまったぜ」

「それにあの爪。自分で作ってるとは思えないんだよね」

「じゃ、あのクッキーはどこから出てくんだよ」

「そう、自分で作ってると言わなきゃいけない、でも自分で作ってないように見えるってところが推理のポイントだよ」

「なんだか、それっぽいこと言うじゃねーか。よし、お前の仮説を聞こうじゃないか」

「笑わないでよ」

「ああ」

 私は、自分の推理を披露した。


 まずあれは手作りだと思う。もちろん見た目にも手作り感があるけど、自分で作ったものを既製品だというと、その商品に似せる必要があるから、よっぽど上手く作らないとウソだとバレちゃう。

 もしかしたら、小さいお店のクッキーって可能性もあるけど、そしたら、毎日こんなに大量にクッキーを買う理由が必要だ。

 クッキーなんて、わざわざお店までいって、毎日大量に買うもんじゃないしね。

 だったら、素直に自分で作ったと言った方がいい。

 それに手作りなら、どうぞって勧めても相手も遠慮しにくいし。

 そして、あの爪は自分でクッキーを作ってない爪だ。

 もしかして、お手伝いさんが作ってて、それを自分が作ったと言い張っているかもしれないけど、あのお手伝いの手は料理をする人の手じゃなかった。ウチのおばあちゃんと同じ手。水仕事をしてる手だ。

 ここの家の人は、あの人に料理を頼んだりしない。

 あのクッキーは、本当にベッキーが作った手作りなんだ。

 でも、自分で生地を作って焼いてない。いや作れない。


「なのに、クッキーはどんどん出てくる」

「うん」

 もうひとつ。この家に呼ばれているのは、皆、量子魔法使いだってこと。コナン君達まで呼ぶのは理由がない。

「なるほどな」

「私が思うにベッキーは、材料だけ用意して、あとは量子魔法でクッキーを作ってるんじゃないかって」

「いいことを一つ教えてやろう」

「ん?」

「あいつは、魔法少女の可能性が高いぜ」

「やっぱり! でも、なんでわかるの!」

「いま思い出したが、お前、ナナミを尾行してる時に石ころ帽子魔法かけてただろ」

「うん」

「あれは、魔法少女には効かねーのは知ってるよな。量子魔法が効いててもナナミやコナンズ、それに敵とも普通に話せるだろ」

「そうだ・・・・今まで気づかなかったけど。たしかに」

「ナナミを見送ったとき、ベッキーはすぐお前に気付いた。まぁ外で待ってる間に石ころ帽子魔法が切れた可能性はあるがな」

「ないよ! だってナナミと会うときはいつもご飯食べて来てるもん。前みたいに変身する度に大食いチャレンジさせられたくないから。うーちゃんに」

「俺のせいかよ」

「そうよ! うーちゃんのせいよ!」

「あれ、ホント辛かったんだから。恥ずかしかったし。あのお腹みたでしょ!」

「いやぁ、人間の可能性を見たね」

「ちがうわ! 見たのは可能性じゃなくて、私の腹だ!」

「そんな話じゃなくて、ご飯食べてきたから、あのくらいの時間じゃ量子魔法は切れないってこと」

「なるほどな。じゃもう決まりじゃねーか」

「やっぱり、あの子は魔法少女なんだ。コナン君たちも呼んでるから、私と仲たがいさせようとしてるんだと思う。あのクッキーを食べると喧嘩したくなっちゃうんだよ」

「だったら、それを逆手に使えばいいんじゃねーのか」

「どうやって?」

「食って、騙されたフリをして、その隙にやっつける」

「なるほどね。でも食べたら相手の手の内に落ちちゃうじゃない」

「そうならない方法があるんだよ」

「そんな便利な量子魔法があるんだ」

「バカ、ここで魔法を使ったら相手にバレるだろ。そしたら引っかかったフリにならねーじゃねーか」

「ちょっと思いついたこといっただけじゃない! バカっていわないでよ。本当にバカになるじゃない」

「はいはい、量子魔法を使わないで、クッキーを吸収しない方法はな」

「うん」

「先に別のもので腹を満たすんだよ」

「え?」

「満杯のコップの中に水を注いでも、もう入らねーだろ。同じだ。先に別の何かで腹がいっぱいになっていたら、短時間なら量子魔法を吸収しないですむ。幸いここにはいくらでも水があるしな」

「もしかして、ここで、わたしに、腹一杯、水を、飲めと」

「ピンポーン、正解です!」

「さっきラーメンのとき苦しかったって言ったばっかりじゃん!」

「その手しかねーんだからしょうがねーだろ。それにこれはお前にぴったりのうまいやり方だ」

「うまくない!!」

「じゃ、ここで『それではさようなら』って帰るか? 怪しいだろ。完全にベッキーにマークされて二度目にココに入ることはねーぜ。入っちまったら最後だったんだよ。策もなく無暗に突っ込んだお前の負けだ」

「う、う、う、先に言ってよ。そういうこと~」

「だから、考えてるのかって聞いただろうよ」

「もう!」

「おら、時間がねーぞ、トイレに長居しすぎだ。やるか、やめるか今すぐ決めろ!」

「わかったよ。もう!」


 泣く泣く、化粧室で水をガバガバ飲むことに・・・・。

 うう、泣きたい。

 何が悲しくて、こんな豪華な化粧室で私は苦しくなるまで水を飲み続けてるんだ。

 お腹が冷えて寒いよう。

 できるなら、さっきの紅茶でお腹を満たしたかった。

 あれ、おいしかったなぁ。

 飲むほどにどんどんお腹が膨らむので、スカートはあっという間に苦しくなる。

 ホックをはずして、ジッパーも下す。

 キャミソールがおなかに張り付く感触が、すごい勢いでお腹が膨らんできることを伝えてくる。

 戦うたびに腹いっぱいって、魔法少女は辛い仕事だ。

 

「うーちゃん、お腹が目立ってバレないかな」

「ひっこめていけ」

「ムリー、ここまで出たお腹はいくら力をいれても引っ込まないよ」

「服で隠せ」

「たぶんバレると思うー」

 もうそのくらいの大きさになってしまった。不幸にもうーちゃんと戦うようになってから、毎度毎度、大食いをさせられせいで胃が大きくなってるようだ。

 こんなに飲めるのって位、胃に入ってしまう。

 当然、それだけおなかも大きくなる。


 だめ、もう限界。もう飲めないって所まで飲みました。

 歩くたびに、おなかがたぽん、たぽんいってる。

 水責めって拷問があったというけど、いまそれだ。


 ひーひーいいながら、元の客間に戻る。

 お腹がバレないように前かがみになりながら。


「遅かったけど、大丈夫でいらして?」

「はい、ちょっと・・・・」

 ちょっとなんだと問われた答えはないが、そこは女同志だ、おもんぱかってくれ。

「なにか震えてるようだけど、寒いのかしら。唇も紫ですし」

「ええ、すこし・・・・」

「じゃ、暖かいお茶をお出ししますわ」

 えー! これ以上水分を取れと!

 でもクッキーにたどり着くまで、唯々諾々とベッキーに従うしかない。

「はい、すみません。いただきます」


 ベッキーはまたお手伝いさんを呼び出すと、こんどは味を変えてアールグレイを出してくれた。

 これもとてもお高い茶葉らしい。

 もう、どうでもいいです。


 寒さで震えてるので、ソーサーからカップを取り上げるときに、カチカチ音が出てしまう。

 それを見ていたベッキーが「どうされました?」と聞いてくるのだが、もう言い訳を考える気力もなく、適当に高級そうだから緊張してると答えておいた。

 口に含んだ熱い紅茶が身に染みる。

 でも飲みたくない。もうお水は結構。喉の下はもう満水なのです。


 一口、二口、アールグレイを飲むと、ベッキーが懲りずにクッキーを勧めてきた。

 お茶ばかりでは飽きてしまうでしょうから、一口だけでもだって。


 やっとクッキー・・・・。

 今度はありがとうと言って、ベッキーが差し出すクッキーを受け取り、それをパクっと食べた。


 ああ、おいしい。

 想像通りのおいしさだ。

 バターと小麦のいい香り。舌の上でほろりと砕ける感触。これで毒入りじゃなかったら、この皿、一皿分全部たべてるよ。

 後で後悔するけど。

「おいしいです」

「ね、おいいでしょ」

 ベッキーは満足そうに微笑んだ。その口元がにやりと上がるのを私は見逃さなかった。

 私はそのまま、ソファに倒れ込んで体の力を抜いた。

 これは演技というか、やっとクッキーにたどり着いた安堵からだったが、ベッキーはそれを見て私が術に私がはまったと勘違いしたようだった。


「あずさちゃん、やっと食べてくれたわね。ありがとう。一つじゃ足りないから一杯食べてね」

 さっきまでネコ撫で声だったベッキーの声が、すこし低くなったのを感じた。

 しめた。わたしが魔法にかかったと思ってる。このままベッキーの命令に従ってクッキーを食べて、それから・・・・。

 それからどうするんだっけ?

 ちょっとまて!

 ベッキーが量子結果を張らなかったら、この先に進まないじゃん。

 だって私から量子結界張れないんだから。

 このままだと毒が回るのも時間の問題じゃない。

 え、え、つまり素直に食べても、こんなに苦しくなるまで水を飲んでから食べても結果が同じだってこと!?

 おーい!わたし!しっかりしろ!

 それにベッキーがどんどんクッキーを勧めるんだけど、私、いま超おなか一杯でクッキー1枚食べるだけでも、すごいキツイんですけど。

 これあと何枚食べれば、ベッキーは満足するわけ?

 これ一皿なんて絶対むりだよ。


『このポンコツめ!』と、いつかうーちゃんに言われた言葉が、頭をよぎった。

 全くだ。後先考えずに行動しちゃうのは私の悪いクセだ。

 でも、あのときお互いポンコツと言い合ったが、うーちゃんだってポンコツじゃないか。

 この先のこと、考えてなかったんだから。


 なんか朦朧としてきた。もしかして量子魔法がまわってきたのかも。

 苦しかったなぁ。私の魔法少女人生。

 負けるときって、こんなにあっさりなんだ。

 ここでベッキーに負けたらどうなるんだろ。ああ、ナナミと戦い合って私はナナミに倒されるんだ。

 そういうシナリオだろうって推理したんだった。

 ごめんね、ナナミ。

 助けに来てこんなことに。ああ、ナナミが扉を開けて入ってくるのが見えるよ。

 そして、足元にある黒のポーチを手に取る姿が見えるよ。

 さらに、私を見て激怒してる姿も。

 って、あれ本当に戻ってきてる?

 なんかベッキーがナナミに命令して、こっち見てる・・・・あ、ナナミが変身した。



「おい、あずさ! 早く変身しろ! きたぞ!」

「えっ!?」

「いいから、いまがチャンスなんだよ! 変身しろ!」

 うーちゃんのヤクザな声が私を現実に引き戻す。はっと我に返り私は変身を始めた。

 例の光が私を包んで、あっというまに変身が完了する。

 また、腹いっぱいのせいで、変身後のスカートが超絶苦しい。

 こんなに、いつもお腹ポンポンのときに変身するなら、はじめからウエストの大きい服にしてくれればよかったのに。


 私が変身している間にナナミは、レイピアを顕現させていた。

 その冷徹な瞳の先にあるのは私。

 狙われているのは私だ。


 ナナミはフェンシングのような構えを取ると、右足から踏こみ、私の右胸めがけてレイピアを突き立ててきた。

 本気だ。本気で倒しにきている。

 そしてあの目は正気じゃない。


 ナナミの動きはいつもにも増して鋭かった。

 本当は打突系の接近戦が得意なのかもしれない。ダメだ避けるので精一杯だ。

 その避けも、お腹が苦しくて辛い。

 だって、体を翻すたびに、たぽん、たぽんっていってるんだもん。

 こんなんじゃ戦えないよ~。


 その戦いのギリギリの合間を縫って、ベッキーを見るとベッキーも変身をしていた。

 その姿はまったく戦闘感のないドレス姿。

 真っ白のウエディングドレスみたいな服に、肘口が広がったグレーの手袋をしている。

 妙に目立つ赤い石の額飾りがそら恐ろしい。

 口元が、口が笑っている。

 その口から命令が発っせられた。

「ナナミ! あずさを倒しなさい! その剣で心臓を突き刺すのです!」

 その声を聞いた、ナナミは目の色を変えて私に突撃してくる。

 逆に私には、

「あずさ! 足をとめて手を広げなさい。その心臓を差し出すのです!」

 断じて、差し出すものですか!


 まて! その話乗ろう!

 私は足をそろえて、大きく手を開いた。

 ナナミを正面に捉えて見据える。同時にベッキーの位置も確認した、ちょうど私を頂点に真横になる位置に立つ。

 いよいよナナミが胸に剣を構えて、私のもとに駆けてくる。

 狙うところは、ただ1ケ所。わたしの右胸。心臓だ。


 そう、狙っているところはココのみなのだ。

 なら・・・・。


 ナナミが勢いをつけてレイピアを伸ばす!

 私は体を反時計回りに開いて、ナナミの腕を右腕で抱え、そのまま踏み込んでナナミの体勢を崩した。

 横に崩れたナナミは、踏ん張りを失い倒れそうになる。反射的にレイピアを持つ手が地面に向かう。


 そこだ!

 私はナナミの手を捻りあげてレイピアを奪い、踏み込んだ勢いのまま、取り上げたレイピアでベッキーの体を貫いた!

 その勢いは強く、レイピアはベッキーの体を完全に貫通している。

 血は! 血は出ない。

 なぜ?


 後ろでナナミが倒れるどさっという音が聞こえる。

 ベッキーは、かっと目を見開いて完全に張り付いている。

「な、なんで。量子魔法が効いてないの。あなたに・・・・」


「あのクッキーが怪しかったのは分かっていた。だからクッキーを食べる前に水を一杯のんだの。量子魔法の吸収を遅らせるために」

「無謀過ぎる、わ・・・・よ・・・・」

 後の言葉は分からない。雲が晴れるようにベッキーの姿が消えていったから。


 ナナミは気を失っていた。

 強力にかかっていた量子魔法が急に消えたのだ。体に負担がかかったのかもしれない。

 私は重いお腹とナナミを背負って、この家を出た。

 お手伝いさんに見つからないといいなぁと思ていたのだが、まだ私の強運は残っていたらしく、なんとか誰にも見られずに門の外に出ることができた。

 ナナミが気を失ったことで、量子結果はもう解除されている。

 あの結果を張ったのはナナミだったのか。


 外はもう真っ暗だ。

 門扉の外から屋敷を伺うと、ところどころと電気が付いたり消えたり、屋敷の中がバタバタしているのが分かった。

 でも警察も救急車も呼ばれるようなことはなく、想像するに、お嬢様のベッキーが倒れたのを皆が介抱してるらしかった。

 よかった。やっぱり結界の中で起こったことは、こっちに影響しないんだ。


「はぁ」

 安心したせいだろう。体の奥から染みでたような大きなため息が出た。

「なかなか、いい首尾だったじゃねーか」

「何いってんのよ。あわや終わるところだったよ」

「いや、計算通りだったぜ」

「え? だって量子結果がなくてダメそうだったんだよ。もう諦めかけてたんだから」

「ナナミが戻ってきて、戦いになるって分からずやってたのかよ」

「ええ? 何それ」

「はぁ?」

「ええ?」

 うーちゃんがあきれた声で説明してくれる。

「はぁ~、あいつのバッグが部屋に落ちてただろ」

「ポーチ? ナナミが拾ったやつ?」

「それだ。部屋の中にあったんだ。あいつの忘れものだ」

「それを取りに来るって?」

「そうだ。それを取りに来るって分かったから、戻ってくる時間を逆算したんだよ。たぶん電車で移動してるから気づくのは駅についてからだ。そこから道を戻ってここに来る時間をだ。だからお前に決断を迫ってたんだろ。気づかなかったのか」

「え、えー! えーーー!」

「えーじゃねーよ。じゃ、おまえは後先考えずにガバガバ水飲んでたのかよ」

 悔しいが、その通りだ。

 くっそ! このウマめ、だったら私に説明しろよ!

「あぶねーなぁ。お前、俺がいなかったら終わってたぞ」

「終わったと思ったよ!!」

「ナナミが戻ってきたら事が面倒になる。だったら間違いなくベッキーは洗脳が進んでいるナナミに命令するはずだ。お前を倒せと。戦闘になれば必ず量子結界が張られる。そしたらこっちにも勝機がある。しかもあいつはお前が洗脳されていると思ってるからな。チャンスをみてベッキーを倒せると踏んだ」


 そーいうこと。

 そういうことだったのね。

「そこまで考えてるなら、一言くらいいってよ! 何度も言うけどさ! うーちゃん言葉が足りないんだよ。あたし何度もそれで迷惑してんだからね」

「いや水飲み始めたってことは、そこに考え至った思うだろ! フツー! それともお前は鉄砲玉か? どこの特攻隊長だ!」

「うーちゃんが悪いの!!!!!」


 その喧嘩を聞いてナナミが目を覚ました。

「あれ? あずさ? どうしたの、ここどこ?」

「ナナミ、目覚めた?」

「目覚めたって・・・・、なんで私こんなところで寝てるの?」

 ぽやんとした表情で私を見上げるナナミ。もう元に戻ってる。

「悪い夢を見てたのよナナミは。だから私のひざまくらで治してあげてたの」

「いたた、なんか頭がいたい」

「大丈夫。直ぐ良くなるわ」

 ナナミが顔をしかめるのが可哀そうで、何もしてあげることができない私は彼女の頭を、そっと撫でてあげた。

 私よりずっと小さいカラダ。

 子猫の様に丸まり安心して私に委ねる重みが愛おしくて、ナナミの黒髪を何度もやさしく撫でてあげる。


「あったかい。あずさの太ももはやわらかくて、あたたかい」

「そうでしょ。だてに丸くないわよ」

 今日だけは、自分がふくふくしていることを許してあげよう。ナナミの役にたっているのだから。


「・・・・うっ」

「どうしたの? もぞもぞして?」

「トイレ・・・・」

「え?」

「トイレ! お水飲み過ぎー! もうダメーー漏れちゃうーーー!」

「うわぁ、わたしの頭の上で漏らさないでよ! もうバカあずさーーー!」

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