第17話「女の子のパ●ツ売ります!後編」

【ご注意】


暑さをぶっとばせ!夏のホラー企画!!です。


 グロいのが苦手な人はここでバックしてください。


 それでは、あとは……







 自己責任で。


◇◇◇



 七日目。


 箱だった。


 いわゆるボール紙の箱が、海の目の前にあった。


 今までの段ボールの大きさから思うと、とてもとても小さく海に感じた。


「もう、ホント勘弁してくれ……」


 海は中身を見て嫌な予感がした。


 海が開けると、靴と紙が入っていた。


「ハイヒールを履かせてどうすんだよ!?」


 とは言ったものの、履かせないとイベントが進行しないのも嫌なので仕方なく履かせた。


「嬉しいのか!?」


 心なしか下半身は嬉しそうだった。


 ハイヒールを履いた下半身は、また部屋中を歩き回った。


 まるで、ファッションショーのモデルのような歩き方だった。


 そして、海の目の前に来た。


『またM字か?』


 そう思った瞬間!




―――バコンッ!


 下半身は、海に前蹴りをかました。


「えっ!?」




―――バタン!


 気づけば、海は転がっていた。


 腰の入った前蹴りだった。


 海は、このままではヤバイ!と、立ち上がろうとした。




――ガッ!!


 下半身の、ハイヒールのかかとが、海の胸に刺さった。


「ぐはっ!」


 ハイヒールがグリグリと動く。


「イテー!イテーよ!!」


 下半身に向かって文句を言う海。


 すると、下半身は海を踏んづけたまま、しゃがみこむと、またM字になった。


「なんだよコレ!SMかよ!!」


 海がそう言った瞬間!




―――プシャー!!


「ぷはーっ!かっ、勘弁してくれー!!」


 海の顔に向かって大量の黄金水が放たれた。


「てか……




 しょっぱいぜ」


 海は、もう失うものは無い気がした。


「明日は上半身か?」


 そう思いながらその日、海は寝た。




 八日目。


「うわあああっ!」


 目覚めると、黒いガーストを履いたままの下半身に膝枕で海は寝ていた。


『勝手に、膝に乗せるなよおおお!!!!」


 海にはそれが、とてもとても気持ち悪かった。


 この日、海の思った通り、上半身が届いた。


 10キロほどの上半身を両手で持って、海は思った。


『んっ?このおっぱいには見覚えがある!!』


 海は、アイツのだ!と思っていた。


「さて」


 海は思案した。


『この上半身に腕をつけたものか?』


 つけたらつけたで、なんか大変なことが起きそうな気がしたからだ。


「でも!ここまで来たらには、もうどうでもいいか!!」


 そう思うと腕をつける前に、上半身だけで楽しもうと海は思った。


「くっそ!




 くっそ!!やわらけー!!!」


 海は、上半身のおっぱいを揉みしだいていた。




―――モミモミ


――モミモミモミ!


 海はひたすらにおっぱいを揉みしだいた。


 そして……




―――レロレロ


――レロレロレロ!


 海は上半身の、B地区をレロレロした。


 海はその後、おっぱいを好きなだけ揉み、B地区をレロレロ、チュパチュパした。


「それじゃあ、つけてみるか!」


 満足したところで海は、上半身に両腕をつけてみた。


 下半身の時と同じように上半身も、ビクンビクンと痙攣けいれんしたかと思うと、スクッと手で立ち上がった。


「うわっ!」


 そして、海に飛びかかって来た!


 とっさに逃げる海!!


 その時、上半身の動きと同時に、下半身もスクッと立つと、大股を開いて海の顔に飛びかかった!


「ぶほっ!」


 下半身に顔を挟まれた海は、そのまま後ろに倒れた。


 上半身は海のズボンのチャックを下げると、中に手をつっこんで、海のマグナムを引っ張り出した。




―――シコシコ!


――シコシコシコ!!


 上半身は、海のマグナムを上下にしごいた。


「ふが!ふがふがが!!」


 海は何かを叫んでいたが、下半身のアワビが海の口をふさいでいた。




―――シコシコ!


――シコシコシコ!!


 上半身は、ひたすら海のマグナムを上下にしごいた。


「ふが!ふがふがが!!」


 海もひたすら叫んでいたが、下半身のアワビからジュースが溢れだすと、窒息しないようにと海は、それを飲み干すのに必死だった。


 そしてそのうち海は……




「うっ!!!」


 と、小さく言ったまま。


 やがてグッタリとしてしまった。




 九日目。


『コレで最後の段ボールか』


 海の目の前には、ちょうど頭が入っているぐらいの大きさの段ボールがあった。


 海は開けてみた。




―――ドキッ!!


 黒い髪の毛が見えた。


 海は恐る恐る箱の中に両手を入れた。


 まさに生首そのものだった。


 そして、取り出すと髪の毛をかき分けて、顔を見てみた。


『やっぱり!』


 知っているその顔は、目をつぶったまま、あどけない顔で眠っていた。


 だから、海はつい呼びかけてしまった。


「藍?」




―――ギョロッ!


 その生首は目を開けた。




―――ギロッ!


――ギロギロッ!!


 目が、辺りを鋭く見渡した。


「うわあああ!!!」




―――ゴロ、ゴロゴロン


 生首が目を開けた途端!


 コレは藍じゃない!!という気持ちに、海はなって生首をほうり投げてしまった。




――ゴロッ!


 転がった生首は止まった。


「ひいいいいい!!!」


 横たわった生首が、海をジーッと見ていた。


 そして、口をパクパクと動かしていた。


「なっ!何を言ってるか分からないよおおおお!!!」


 海は叫んでいた。




「はあ、はあ、はあ」


 生首を転がしてから少し経った。


 落ち着きを取り戻した海は、今だ口をパクパクしている藍の生首を見て、改めて思った。


『肺のある胴体をつなげてないから、しゃべれる訳ないよな!!』


 そう海は思うと、藍の生首を上半身につなげた。


「もう!早くつないでよね、海くん!!」


 藍は口を尖らせて、可愛い顔で文句を言っていた。


『あっ、藍だ!』


「藍だ!藍になった!!!」


 海はポロポロと涙をいこぼしていた。


 そして海は、藍の首がついた上半身をギュッと抱きしめた。


「こらこら!急に抱きついたら、ビックリしちゃうよお!!」


 そう文句を言いながら、藍は海の体に腕をまわして、ギュッと抱きついた。


「そうそう!ねえ、海くん!!」


「なんだよ藍?」


「私の上半身や下半身に……」


「上半身や下半身に?」


 海に問われて藍は顔を赤らめた。


「そのぉ……




 イタズラしてないよね?///」


 コレには海は、ズッコケた。


「おいおい!イタズラされたのはこっちだよおおおお!!!」


「えっ!?そうなの?あははは!!私の体が勝手なことしてごめんなさい」


 藍はテヘヘ!と、笑った。


「ホントだよ藍!!もう、ひどい目にあったんだからな!!」


「ホント!ゴメンね海くん!!」


 藍はそう言うと、海にキスをした。


 それから海と藍は、しばらくキスをした。




―――チュパッ!


 やがて、糸を引きながら離れる海と藍の唇と唇。


「ねえ、海くん」


「何?」


「そろそろ下半身をつなげて欲しいな///」


「あっ!ああ///」


 海はうなづいて、藍の下半身をつなげた。


 これで藍の体は全部つながった。


 すると、つなぎ目がスーッと消えた。


 海の目の前には、正真正銘、普通の藍が居た。


「やったー!コレで元にもどったよお!!」


 藍は黒いガーストをつけたまま、はしゃいでいた。


「やっぱり、パーツだけはつまらないな!!」


 海はつながった体を見て、本当にそう思っていた。




―――クンクンッ


「んっ?」


 その時!急に、くさいにおいが部屋中に充満した。


「うっぷ!」


 海はにおいに、吐き気をもよおした。


「海くん!大丈夫?」


 藍が心配そうに海の顔をのぞきこむ。


「ああ……うっぷ!」


 口をひらいた海は、息を吸い込むだけで吐き気が起こった。


「ねえ海くん?」


「うー?」


 こんな時になんだ?と海は思った。


「ねえ、海くん。







 私、綺麗?」


 そう言うと、藍の目玉がぐるりと回った。


「!!!」


 海が驚くのもつかの間!藍の両目の玉がグルグルと回りだしたかと思うと、グズグズに溶け出し、ベチャっと床に落ちた。


「キシシシ!」


 そして、目のところに黒い穴をあけた藍が笑った。


 その口の中には、白い粒が見えた。


「ぺっ!」


 藍は海の方に、その白い粒を吐き出した。


「うわっ!イテー!!」


 海の頬にそれらが当たった。


 そして、ボタボタと床に落ちた白い粒。


 それをを見て海は、さらに気持ち悪くなって、えずいた。


「おええええ」


 それは藍の歯だった。


「あははははははは!!!」


 藍は狂ったように笑いだしたかと思うと、部屋の真ん中に仁王立ちになった。




―――ブチッ!


――ブチブチブチ!!


 そして、腐った皮が引っ張られながら千切れるように、藍の首が横にブチブチと音を立て取れ出した。




「海くん。だいずぎ……よおっ」


―――ボタッ!!!


 そして、ポロリと床に落ちた。


 そのあと、体もグズグズに腐って溶けだし倒れた。


「うわあああ!」


 見る見るうちに溶け出す藍の体。


「なんなんだよおおおお!!!」


 激しく叫ぶ海。


 そして、溶けたくさい液だまりの中には、藍の白い骨だけが残っていた。


 そこで海の意識は無くなった。


◇◇◇


「いったいなんなんだよ!!!今回のVRは!?」


 海は兄貴に、激しく文句を言った。


「なんだよって!夏の特別企画だよお!!ホラーVR体験は面白かっただろう!?」


『ホラーVR体験?ホラー体験だったのか!?』


 海は兄貴の言葉に、ちょっとクールダウンした。


「てか、こんなVRは恐くねーよ!気持ちわりいだけだよ!!良くねーんだよおおお!!!」


 海はニュアンスの違いを兄貴にぶつけていた。


「そうか!!!」


 海の、その言葉に兄貴の壱はニヤリ!とした。


「よおーし!!







 次回はマジでいくぞ!!」


「えっ!?」




―――タラリ


 こめかみに冷や汗をたらす海。


 このあと海は、余計なことを言わなければ良かったと後悔したのだった。

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