第11話「聖なる壁!?パイウォール」

「えっ!なんだここは!?」


 海の目の前には壁があった。それも人工的な壁だ。


 そして色とりどり、形もさまざまな突起物、ホールドが壁にボルトで止められていた。


 海は自分の服装を見た。半袖短パンの動きやすい服装と専用のシューズを履いていた。


こりゃ!ボルタリングってヤツか!!しかも、本格的な!!!


 海は誰もいないボルタリング施設にいた。


まあ、ちょっくら体験してみるか!!


 海はひとまず登ってみることにした。


えっとその前に!これを手につけると滑り止めになるのか!?


 海は自分の腰についた筒状の袋、チョークバッグに手を入れた。


キュッキッして、確かに滑りにくそうだ!!


 海は目の前にある突起物に手をかけた。


次はここかな?


「よっと!」


 海の両腕は突起物をしっかりとつかんでいた。


じゃあ、つぎは足を!


 続いて両足を動かした。


「ふう!!」


 海は息を吐いた。ひとまずは壁の突起物に手足の四点で体を支えることが出来た。


んっ?てか、なんで上に鏡があるんだ?姿勢確認のためか?


 上を向いた海は、壁の一番上に、こちらが見えるよう鏡があるのに気づいた。


まあ、いいや!次はあそこか?


 と、海が手を伸ばしたときだった。




―――クルッ!


「あれっ!?」


 体がクルリと回ってしまった。




―――ボスンッ


 そして、下に敷かれている、フカフカのマットに落下した!


思ったより難しいなあ!!


 それから海は何度もよじ登ってみた。


 だかしかし!




―――ドスンッ


――ボスンッ


 体の重心軸が支えられず、回って落ちてしまうのだ。


どうやら、ひっかかりに足をかけたり、手をかけると重心の位置が変わるみたいだな!


 それは分かっているが、どうやって重心を支えれば良いのか?移動、ムーブをどうしていったら良いのか?海には分からなかった。


「いやー!これ、意外と難しいな!!どうやって登るんだ!?」


 マットに落ちた海が壁を見上げ、声に出して驚いていると、藍が声をかけて来た。


「海くん!」


 振り向くとそこには、ピンクのタンクトップにミニスカートがついた格好の藍がいた。

 

「おい!お前のそれって、ボルタリングの格好じゃねーだろ!?」


「それは見てのお楽しみよ!」

 

 そう、言うと藍は、チョークバックに手を突っ込むと滑り止めをし、ホールドを握った。


「見ててね!」


 そういうが早いか!藍は両手両足を使い、ホールドで体を支えると、次のホールド目指して体を移動させた。


「スゲー!!」


 海が何度やっても、先に進めなかったところを、藍はヒョイっと進んでしまった。


てか!分かったぞ!!


 海の目に、鏡が入った!そのには藍がいて、藍を上から見ている状況となっていた。


なるほど!上の鏡はこういうためだったのか!!


 海には、鏡に映った藍の胸元がよく見えた。


ムフフ!おっぱいの谷間がいいな!!てか、あとちょっとで、乳首が見えるんじゃないのか!?


 海はもはや、藍のボルタリングの技術よりも、おっぱいが!乳首が見えるかどうかが、重要だった。


 藍が次のホールドに足をかける。大きく開いた足にミニスカートがずり上がった!


ぜっ!ゼブラブルー!!青の縞パンか!いいもんだな


 真下から見る、藍の青の縞パンと、鏡に映る胸元チラリに、海の鼻の下は伸びっぱなしだった。


と、海がニヤニヤしているうちに藍は、あれよあれよといううちに登っていってしまった!!


「ゴーッル!!」


 藍の手が、一番上のホールドについた。そのとき、海は我に返った。


「スゲー!藍、お前スゲーな!!」


 海は三メートルほど上にいる藍に向かって、そう叫んだ。実際にやっているだけに、この難しさに驚いていた海だった。


しかしまあ!


下から丸見えパンツは、最高だな!!


 海は目の前の藍のボルタリング技術と、パンツとおっぱいに揺れていたのだった。


「こんな感じだよ!」


 降りて来た藍が言った。


「スゲー!お前、息ひとつ乱れていないのな!!なあ、登り方を教えてくれ!!」


「いいよ!海くん」


 それから海は藍に登り方を教わった。


「いい?力に頼っちゃダメなんだよ。大事なのは体の移動バランスだよ」


 まずは、腕の力で登らないこと!ハシゴのように足の力で登ること!3つの支点を必ずつくること!を、海は藍から学んだ。


「ほら!登れるようになったでしょ?」


「ああ!藍は凄いな!!」


 海に誉められたて嬉しくて仕方ない藍だった。


「さて!ここからが本番よ!!」


 そう藍が言うと、目の前が真っ暗になった!


「いったいなんなんだ?藍?」







「私たちを、おっぱいで逝かせてね!!」


「わっ、私たち?おっぱいで逝かせて!?」


 すると海の目の前に、まばゆい光と共に、新しい壁が現れた!!


「なっ!なんなんだコレ!!」


 海にの目の前の壁いっぱいに……




 たくさんの、おっぱいがあった!!


おっ、おっぱいが


いっぱい!?


 海は試しに壁から生えている、おっぱいの一つをつかんでみた。




―――もにゅん!


「あんっ!!」


 遠く上の方から声が聞こえて来た。


誰だ?


 見ると10メートル上に、ピンクのパンツ一丁の牛子がいて、胸を押さえて悶えていた。


「なにやってんだ!牛子?」


「目の前のおっぱいのいくつかに、私のおっぱいがリンクされてるの!」


「はあ!?」


 海は訳が分からないので、おっぱいを揉んでみた。




―――もにゅん!


「あんっ!!だから、そのおっぱいは私のおっぱいとつながってるの!!」


な・る・ほ・ど!!


 海は理解した。


「じゃあ、私も上で待ってるから!!」


 そういうと藍は目の前の、おっぱいをつかんで登って行ってしまった。


「あんっ!!」


「ダメっ!」


「私のおっぱいだった!!」


 上から複数の声が海の耳に届いていた。


つまりは、このおっぱいの壁を登れということか!!


 海は自分がなすべきことに気づいたのだった。


「早く来て下さーい!」


小学生?いや、風子か!!


 これまた、白いパンツ一枚の風子がいた。


 上を見上げていると、藍がピンクのタンクトップスカートを脱いで海に投げた。


「さあ!スタートよお!!」


 海は顔にかぶさったタンクトップスタートをどけると、まずは大きそうな、おっぱいをつかんだ!


「ああんっ!」


 上で牛子が声をあげた。見上げると胸を押さえて、ピンクのパンツでモジモジしている。


 続いて、次のおっぱいをつかんだ!


「はああっ!」


 風子が声をあげる。風子は白いパンツでモジモジしていた。


そうだよな!やっぱこの大きさは!!風子だよな!!


 海は、つかんだ手のひらに、B地区がコロコロ当たるのを感じていた。


「海先輩!きっ、気持ちいいですぅ!!」


 海の手のひらの、B地区が硬くなった。


コリッコリだな!


 次に海は、躊躇ちゅうちょしつつも、おっぱいに足をかけた。


「痛いっ!」


 上で藍が言った。


「だっ、大丈夫か!?」


「うん!でも、気持ちいい!!」


この変態め!!


 海は安心して次のおっぱいに足をかけた。


「あんっ!」


「気持ちいい!」


痛気持イタキモ~!!」


 壁から生えたおっぱいで、壁をよじ登るたびに、気持ち良さそうな声が上がった。


しかし、スゲーな!目の前いっぱいのおっぱいか!!これじゃあ、ボルタリングならぬパイタリングだな!!!


 海はそんなことを考えながら、おっぱいの壁を登っていた。


いや~!コツは大事だな!!


 藍に教わったお陰で、だいぶ楽をして登れていた。


そうそう、つかんだ腕は伸ばしておくんだよな!


 海は次のおっぱいをどれにしよかと考えながら、少し休憩した。


てか、ちょっと舐めてみたくなったな!




――ペロペロ


「はあうんっ!!」


 上から大きな声が聞こえて来た。


今の声は藍か?やっぱ、感じるんだな!!てか、おっぱいの形と大きさで誰のか分かって来たな!!


 壁がオーバーハングになって来た。


 時々、海は休んではペロペロした。


「はあああんっ!!いきなりはダメーーー!!!」


 下から上の様子は見えないし、上から下も見えなくなっていた。


 つまり、いつおっぱいに刺激か来るのか分からないのだ!


 それが、藍たちのおっぱいの感度を上げていた。




―――クニュ!


えっ!?


なんか違う感触だな!?


 また、休んでいたときだった。おっぱいの影に、違う感触を海は感じていた。


「あああん!海くん。そのホールドに指を食い込ませないで!!なんで、アソコがリンクされてるのおおお!?」


 牛子の明らかに違う声がした。




――クニュクニュクニュ!


「んっんっんっー!!」


 牛子の気持ちいい苦悶の声が聞こえる。


 海は、なんか布っぽい感触を指先に感じていた。


なんだ、この突起物は?指をどうかければいいんだ?




―――ジワーッ


なんか、ヌルヌルしてきたぞ!?




――クンクン


 海は自分の指を匂ってみた。


あっ!この、匂いはまさか!?


 改めて手を伸ばす海。おっぱいの向こう側にあるクニュクニュしたものを触る。


こっ、これは布で!と、いうことはこの下は!?


 そして、ずらした!!


「だっ、ダメ!そこに指を入れちゃダメー!!!」


 牛子の叫び声が聞こえて来た。


 と、そこで海は体勢を崩しそうになった。


「うわっ!」




―――ぷスッ


「アッーーーーー!!」


 牛子の叫び声が、響き渡った。


 海は結局、難しいクニュクニュルートを諦めた。




―――クンクン!


んっ!この匂いは!?


 そして舐めてみた。


苦っ!!


 海はそれ以上、深く考えるのをやめ、腰のチョークバッグに手を入れると、念入りにチョークでこすったのだった。


さて!あと、少しで天辺だ


 海はさらにオーバーハングになっているところに差しかかっていた。もはや海は手足だけでなく、口でおっぱいを吸って体を支えていた。


「もがもがもが!!(あと少しだ!!)」


「あっ!海くん。吸いすぎだよおおお!」


 海は藍がきっと身をよじらせて叫んでいるのだろうと思った。


あと、少し!!


 その時だった。




―――ボヨヨン!


えっ!?


 なんと!海のビックマグナムがおっぱいホールドにぶつかり、海の下半身が壁から離れてしまったのだ!!


「「「海ーくん(先輩)!!!」」」


 海は両手と口の三点で、必死に体を支えいた。




―――ズリ!


――ズリズリ!!


 しかし、それも限界だった。


 吸い付いた、おっぱいから海の口が離れていった!!




―――ちゅぽーーーーん!!


「うわっーーー!」


 海の体は10メートル下に落下していった。


「大変!さすがにこの高さでは!?」


 藍は焦った。


「海くん!」


「海先輩!」


 牛子も風子も海の身を案じていた。


 その時!藍が叫んだ。


「みんなの力を貸して!」


「「分かったわ!!」」


 三人は息を合わせた!


 そして叫んだ!!


「「「おっぱいマットレス!!!」」」


 その声に呼応して。真下のマットに異変が生じた。


 なんと!巨大なおっぱいが現れたのだ!!


「「「海くーーん(先輩)!!!」」」







―――ボヨヨンッ!!


「うわっ!」


 巨大なおっぱいの上に落下した海は、巨大おっぱいの柔らかさに、その衝撃を吸収された。




―――ボヨヨン、ボヨヨン!


 巨大おっぱいの上で跳ねる海!


 ぷるんぷるんと揺れる巨大おっぱい!!


 その巨大おっぱいの巨大乳首につかまりながら、海は叫んだ!!




「俺は大丈夫だ!!」


―――ペロペロ




「「「ああんっ!!」」」


◇◇◇


「なあ、兄貴!これはエロコメデイなのか?もはやストーリーの意味が分からなくなってきたんだけど!?」


「面白れーだろ!壁いっぱいのおっぱいだぞ!!一度は想像するだろ?」


「しねーよ!そんなの!!」


「なんだよお!壁いっぱいのおっぱいに囲まれるなんて絶対にありえない状況なんだぜ!?」


 兄貴としては、前回のエルフの件で落ち込んでいる弟を励まそうとして、コメディものを選んでみたのだが……


「はあ、兄貴勘弁してくれよおおお」


 そういう兄貴に、ちょっと疲れた海であった。


つづく?

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