第8話「TS!イソギン」

―― 我が盟友、叶良辰に捧ぐ ――







あっ、知ってる天井だ


 VRの中で目覚めた海は、その天井を知っていた。




――ガバッ!


 布団から体を起こした海は、すかさず胸を自分の揉んだ。




――モミモミ


―モミモミ


モミモミ、モミモミ、モミモミ、モミモミ、モミモミ、モミモミ、モミモミ、モミモミ、 モミモミ、モミモミ、モミモミ、モミモミ、モミモミ、モミモミ、モミモミ、モミモミ、 モミモミ、モミモミ、モミモミ、モミモミ、モミモミ、モミモミ、モミモミ、モミモミ……


あはっ!この感触~!!


自分のおっぱいでも




なんて気持ちいいんだあああ!!!ε=ヽ( *´▽`)ノ


 海はひたすらに自分の胸を揉んでいた。それもそのはず、今、海の体は女の子になっていて、海の胸には男子の憧れ、あのオパーイが2つもあったのだ!!


ヤベーよ!ヤベーよ!!ヤベーよ!!!


 海は自分のおっぱいに酔いしれていた。


「ハアハアハア」


 ひとしきり自分の胸を揉んだ海は、手の平にコリッとしたものを感じていた。


んっ?


 海は気づいた。海の着ているロングTシャツの胸には、2つのポッチか浮かび上がっていた。


 それは刺激に反応してしまった、2つのB地区だった!




――ゴクリッ!


よし!次は


 海はそう思うと、両手の親指と人差し指で、浮かび上がったB地区をつまんだ!!


「んっ、くぅんんんん!!!!」


 海の口からは、つい女の子のうわずった声が出てしまった。


ヤベーよ!ヤベーよ!!ヤベーよおおお!!!


マジで気持ちいいんだけどおおおお!!!


コリコリ、キュッキュ、 コリコリ、キュッキュ、 コリコリ、キュッキュ、 コリコリ、キュッキュ、コリコリ、キュッキュ、 コリコリ、キュッキュ、 コリコリ、キュッキュ、 コリコリ、キュッキュ、コリコリ、キュッキュ、 コリコリ、キュッキュ、 コリコリ、キュッキュ……


 海はひたすらに自分のB地区をコリコリ 、キュッキュした。


んっ?このパターンだと自己発電パターンだから、今回はエロなしか!!


 前回のTS体験の事を思い出し、期待しつつも、ちょっと安心した海だった。


さて!もっとこの体を味わうか!!




――ジュン


「やべっ!反応しやがった!!」


 下の方が湿って来たのが海には分かった。


ああ、マジヤベー!スゲーいじりたくなってきたあああああ!!!


 そう思った海の手は、気づくとロンTのすそをめくっていた。


今回は白か!清楚でいいな


 と、思いつつ海の手は自分のパンツの中に入っていて、本能のままに動き出していた。




――クリクリ


「んっ!」


クリクリ、クリクリクリクリ、クリクリクリクリ、クリクリクリクリ、クリクリ、クリクリクリクリ、クリクリクリクリ、クリクリクリクリ、クリクリ、クリクリクリクリ、クリクリクリクリ、クリクリクリクリ、クリクリ、クリクリクリクリ、クリクリクリクリ……


「はあんっ!」


 つい出てしまった大きな声に、海は慌てて自分の口を押さえた。 


声が出ちゃう!恥ずかしい(*/□\*)!!


 海の心が乙女になった。恥ずかしい!そう思いつつも、手の動きを止められない海であった。




―――くちゅくちゅ、くちゅくちゅ


「イヤらしい音」


声に出ちゃった!


言葉にすると、さらにイヤらしい気持ちになるな


自分と分かってても、可愛い声で聞くとヤベーな!!




―――くちゅくちゅ、くちゅくちゅ


 しばらく経った。




―――ビクッ!


――ビクッビクンッ!!


 海の腰が痙攣したかと思うと、グッタリと脱力した。


 自己発電が終わった。


はあー!気持ち良かった


 海の表情はニンマリだった。


男はジワジワと始まるけど、女の子は準備オーケーなら8割からスタートなんだな!もう、頭の中がおかしくなるほど気持ちいいのが、ずっと続くなんてスゲーな!!


 海は男と女の快楽の違いに改めて驚いていた。




――クンクン


 海はふと、指の匂いをかいでいた。


この匂いって体がそろそろ、あの日ってことだよな!てか、おっぱいも少しかたくなってたしな!!てことは女の子と付き合うと、匂いで分かるってことなんだな!!!


 海は一人、ニヤニヤしていた。


そういえば、普通の時の匂いって、ヘソの匂いと同じだな!!


 海はこのVR体験から色々なことを学んでいた。


でも、これって現実でも同じなのかな!?


 そんなことを思っていると、ふと目に目覚まし時計が目に入った。


「ゲッ!学校に行く時間じゃん!!」


 海は大慌てで着替えると、学校に向かったのだった。




 学校では普通に女の子として生活した。


「じゃあ、チンギス・ハンのライバルは?誰か分かるか!?」


「はい!」


「では二階堂、答えて!」


「えっとお、それはジャムカです!」


「大正解!」


 すると、女子仲間の真乃実まのみから声があがった。


「すごーい!海ちゃん歴女だったんだ!!」


「えへへ!ありがと。あたし歴史、得意なんだあ」


 海は満面の笑みを浮かべた。


「チッ!」


 その時、男子からやっかみまじりに舌打ちが聞こえたが、海は気にしていなかった。


 体育の授業になった。




――タンタンタン


 バスケットボールをリズミカルにつく海。


 その海を囲む敵チーム。


キョロキョロ


パスが通るところがないなあ


 海は仲間の姿を探した。


仕方ない!




いっけー!!


 海はドリブルで突破をかけた。




―――タッタッタッタッ


――バンッ!!


 海はゴール前でジャンプした。


あっ!この体、羽のように軽いや


 敵チームもゴールを阻止しようとジャンプする。


でも、スーッと伸びる海のジャンプ。そして……




フワッ!


 柔らかな放物線を描く、海の得意技のレイアップ に、敵チームの手は届くことが出来なかった。




――ダンッ!!


 海の放ったボールはゴールした。


「「「すごーい!!」」」


 女子たちの黄色い声!そして男子たちからも声が上がった。


「「「二階堂のおっぱいスゲー!!」」」


「ねえねえ!海ちゃん、ブラ忘れてるよおお!!」


 真乃実に言われ、海は今朝寝坊して忘れたことを思い出した。


「もお!女の子なんだからちゃんとしないとダメだよおお」


 男子たちは、激しく揺れる海のおっぱいと、浮かび上がったポッチに皆、お爺ちゃんのように腰が引け、真っ直ぐに立てないでいた。


「海ちゃんバスケも得意なんだね!」


 真乃実に言われ、またまた満面の笑みの海。その時、男子たちが先生に言った。


「先生!女子と対決したい」


 男子たちからバスケ対決を挑まれたのだ。


「えー!!」


 女子たちからは反対の声が上がった。


「勝ったらプリンをみんなにおごるからさあ!さらにハンデで十点やるよ!!」


 その言葉に女子たちは、ちょっと考え始めた。そして海の方を見た。


「えっ!おれっ、いや違った、あたしぃいい!?」


「うん、海ちゃん!どう、勝てそう?」


 真乃実に聞かれた海は、男子に勝てるか考えた。


まあ、見ていた感じだと……




勝てそうかな?


 海は女子たちを集めると作戦を話し確認した。海の作戦にうなずく女子たち!!


「よし!じゃ、やろっか」


 海の言葉に男女対決が始まった。


 海の作戦はこうだった。


 点を取りに海がゴールまでドリブルで行くから、単純にその進路先のの男子の邪魔をして!と女子たちにお願いした。その為に、クラスでも重量級の女子たちを選抜した。


 守りでは、全てのボールを奪う自信が海にはあったので大丈夫だった。


 さてさて、女子チームがコートに集まった。


「いくよお!」


「「「「おお!!」」」」


 結果、重量級女子に押され邪魔された男子は海に触れることも出来ずゴールを許してしまった。


 もちろんボールを持っても、海にすぐにカットされてしまった!!


 そして……




―――ピッピッー!!


 ホイッスルが鳴るころには、女子チームの圧勝だった。


「やったあ!海ちゃんのおかげでプリン食べ放題だよおお!!」


食べ放題!?おいおい話、違ってねーか真乃実!?女子ってコエー!!


 などど思いつつも、海は女子仲間と抱き合って喜んでいたのだった。


「チッ!」


 また男子たちの舌打ちが聞こえたが、海は気にしてはいなかった。


 放課後になった。


「二階堂!お前スゲーな、頼むからバスケのコツを教えてくれない!?」


 男子が数人で、頭を下げながら海に近づいて来た。海は得意のバスケの話が出来ると思いオーケーした。


 海は男子たちと一緒に体育館に向かった。


「二階堂!ボール出すの手伝ってくれ」


「いいよ!」


 そう言われた海は、男子たちと一緒に体育館奥の用具庫に入った。




――ガラガラガラッ


―――ガチャン!!


「えっ!?」


 振り返ると海は、用具庫に閉じ込められていた。


「えっ!いったい何!?」


 海はドキドキした。


これって、バトルか!?


 ケンカにはちょっと自信ある海は、少しワクワクもした。


「お前、調子に乗りすぎなんだよ!!」


 男子の一人が言いがかりをつけた。


「何が?」


「お前のせいでプリンをおごらされたんだぞ!!」


「だって約束でしょ?」


「食べ放題だなんて言ってない!!」


「じゃあ、どうするのよ?お金払えばいいの?」


 そんな会話をしつつ海は、この中で一番弱い奴を、一撃でダウン出来る位置へと少しずつ移動していた。


こういう3人ぐらいの集団なら、一番弱い奴を仕止めると、あとはだいたい戦意喪失するから、やっつけ安いんだよね!


 そしてそのチャンスが来た!!


「ノーブラで俺たちを誘っておいて!体で払ってもらうに決まってんだろ!!」


 訳の分からない理屈を言いながら、男子の一人が飛びかかって来た!!


 それをヒョイ!とよけた海は、あらかじめ狙っていた一番弱い奴のアゴを狙って必殺のフックを決めた!!




――ゴンッ!




―――バタンッ


よっしゃー!決まったぜ!!


 海はニヤリとした。


まずは一人!次はコイツだ!!


 海が次の奴を仕止めようとした時だった。




――ガシッ!!


 振り上げた海の腕を、さっき殴った一番弱い奴がつかんでいた。


「いってーな!!」


 そう言ったかと思うと一番弱い奴が、海に大外刈をかけた!!




――ガッ!!


「えっ!?」


―――バタンッ!!


 天井が見えたと思ったら、海は床に倒されていた。


「こう見えても柔道2段なんだよ。残念だったね!」


 一番弱い奴がニヤリと笑った。


「よし!マットの上に寝かせろ!!」


 海は読み間違っていた。一番弱い奴と思っていたのが、この中で一番強かったのだ。


 いや、現実の海なら大丈夫だった。だが体重の軽い女の子にTSしていたが為、力が足りなかったのだ!


試し打ちしとけば良かった!


 と、思ったその時!!




―――ビリビリビリッ


「えっ!?きゃあああーーーー!!!!」


 制服のブラウスが、いとも簡単に引き裂かれたのだ。


 飛び散るボタン。




―――プルンッ!!


「「「「おおおお!!!」」」


 白く柔らかな、生おっぱいに男子たちの視線が集まった!


ああ、こんなことならブラしとけば良かった。




――ムギュッ!!


「いっ、痛いっ!!」


 突然、海の胸が握られた!!!


「やめて、離して!!痛いから離してえええ!!!」


 男子は『男』に変わっていた。もはや海の声が耳には聞こえいなかった。




―――ペロリッ!


ゾワッ!!


「ひっ!!」


 B地区が舐められた。海からは悲鳴のような声があがった。



怖い、怖いよ怖いよお


 押さえつけられた海の両手両足は、ビクともしなかった。


男ってこんなに力が強かったんだ。


「よし!パンツを脱がせ!!」


「やめて!!お願いだらから、それはやめてえええ!!!」




―――ビリビリビリ!!


 引きちぎられるスカート。野獣と化した男の力は凄かった。




―――ガシッ!!


 パンツに手がかけられた。


ああ!脱がされちゃう。やだやだやだやだあああ!!!




ツー!


 知らない間に、海の頬を涙が流れていた。海は怖くて声が出せなくなっていた。


「よし!脱がしたぞ!!てか、こいつツルツルだぞ!!!」


「「ウェーイ!!」」


 妙なテンションになる男子たち。


「こっ、これで終わりだよね?ね?そうだよね?」


 海は勇気を出して、恐る恐る男子たちに尋ねた。


「ああ、このくらいにして……







 って、終わる訳ねーだろがっ!!」


 目が怖かった。


 海の必死に閉じていた両足の膝に、男子の手が食い込んだ。


「やだあ!やだやだやだやだああああ!!」


 海は泣き叫びながら、必死に首を振った。







―――バッ!!!







「もう、大丈夫よ!」


 まぶしい明かりと共に、真乃実が現れた。


キョロキョロ


 体を起こし、周りを見ると男子たちが倒れていた。


「真乃実ちゃんがやっつけたの?」


 真乃実は首を振った。そして次に、しゃべったのは真乃実の肩に乗った生物だった。


『私が倒しました』


「えっ!?」


頭の中で


こっ


声が聞こえる!?


テレパシーってやつなのか!?てか、こんな体験もできるのかよ!?


 海はありえない体験に、いや、VRだからこそ出来る体験に心のそこから驚いていた。


これなら、現実の世界でもテレパシーが可能ってことなんじゃねーか!?


 そんな海に、今度は真乃実が話を続けた。


「彼、イソギンチャクなんだけど、とっても強いのよお」


 そういう真乃実の顔は、『女』だった。


「そうそう、助けられたついでに体験してみてよ?」


「えっ!?」


何を?何を体験しろって!?


 海は気づくと恍惚とした表情の真乃実に違和感を感じていた。


「あんっ!隆一くぅん!!」


 真乃実のスカートの後ろが、モコモコと動いていた。


「彼、すごいんだから!あああんっ!!」


『では、海さんにも』


 そうイソギンチャクが『言った』かと思うと、触手が伸びてきて、スルスルと海の内股をつたっていった。


「キャー!やめてー!!」


 その時、海の背筋に突如、冷たいものが走った!


えっ!?この触手の向かっている先って!?




「そこは出すところで、入れるところじゃないよおおおお!!!」


おっ


俺の処女が!?




「アッ――――――――!!」







◇◇◇


「兄貴のバカやろ!!」


 海はプルプルしながら兄貴の胸倉をつかんでいた。


「兄貴!ふざけんなよおおおお!!!」


「まあまあ、海!ただのVR体験だから、VR!!」


「何、言ってんだよ!!仮想であっても、現実と変わらない体験になっちゃうんだろ!?」


「いや現実はもっと……いいかも知れんぞ!!プフッ」


「お前!いま横向いて笑ったろ!!だいたいそんな世界!俺は、知りたかね――――よ!!」


 怒り狂う海に向かい、兄貴は両手を降参!な感じに上げながら海に言った。


「まあまあ、この作品を監修した人を聞いたら驚くぞ!」


「そんなの関係ねーよ!!」


 海の怒りは収まらない。


「とにかく、俺の処女を返せよ!!」


「叶良辰!!!」


「えっ!?」


 海の動きが止まった!!


「あの大監督!叶良辰大監督が監修した、業界初のVR作品なんだぞ!!」


「ウソだろ!!叶って言ったら、世界的名作『 時と霧の軌跡』の監督だろ?俺、映画館で初めて泣いて、何回も見に言ったんだぞ!!」


「いやいや『時霧』に感動するのは、にわかファンだ!叶大監督の代表作といえばイソギンだ!!『幼馴染がイソギンチャクと付き合うことになった件』こそが名作なんだ!神作品なんだよおおおおおお!!!!!」


 兄貴の壱は、海に胸倉をつかまれたまま叫んだのだった!!!


「兄貴の頭、おかしいよ。てか……







 お尻痛い」


つづく

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