第6話「レッグで快感!?」

「なあ兄貴。そろそろ、大人の階段をあがりたいんだけど」


 海は、はやる気持ちを押さえられず、兄貴に自分の率直な気持ちを伝えた。すると、兄貴はニヤリとしながら海に言った。


「 まあまあ海!まだまだあるからさあ」


嫌な予感!!


「いや兄貴、きっと次もアブノーマルなんだろ?」


 海には、嫌で悪い予感しかしなかった!!


「それはそうだけど、海には色んな世界を知って欲しいんだよ!!」


 兄貴は熱い思いで語りだした。


「いや、兄貴!俺は色んな世界なんか知りたくないよ!!普通にHな体験がしたいんだよ!!!」


 肩で息をしながら、海は兄貴に懇願した。


普通なHがしたいんだ!!


 海の素直な気持ち!!だが、しかし兄貴は首を縦には振らなかった。


「その好奇心は素晴らしいよ!でもな、すぐにゴールは詰まらないんだよ!絶対、必ず体験させてやるから、まずは色んな世界を見てくれよ!!」


 なぜ兄貴が他の体験にこだわるのかは分からない。


「かっ、必ずだと~!?」


「ああ、海!必ずお前の望む体験を、させてやるって!!」


必ず、Hな体験が出来る!?


 兄貴の『必ず』という言葉に、海は仕方なくうなずいた。


「よし!次はレッグウェアだ!!その上で、今回は“スッキリ”させてやるからな!!」


 そう言うと兄貴はVRの設定画面を色々といじり出したのだった。


◇◇◇


「「「海くん、私たちの違いは分かる?」」」


 目の前には制服を着た藍と牛子、そしてショートヘアーの知らない美少女がいた。


「違い?」


 海はみんなに言われ考えていた。場所は、またまた海の部屋の設定だった。ベッドに座った海の目の前には、3人の美少女。


 海はまずは藍を見た。背中までのツインテールで、可愛い目がパッチリの藍は、赤茶のチェックのスカートを履いていて、ブレザーはピンクだった!そして、ストッキングを履いていた。


 続いて牛子を見た。腰にかかるかの、サラサラの黒髪ロングストレートにメガネの牛子は、紺に白タイ、そして襟には三本線のセーラー服を着ていた。


牛子も藍と同じくストッキングか!でも、ちょっと透けてるな。


 海は最後の一人、名前の分からない美少女を見た。


てか、美少女なんだけど、この子は小学生?中学生?


「キミの名前は?」


 海が尋ねると元気に美少女は答えた。


「お兄ちゃん!私の名前は風子ふうこだよお!!」


おっ、お兄ちゃん!?


 風子と言った美少女はショートヘアーで、身長も低く制服は襟の大きく開いた薄茶のワンピースだった。ワンピースのすそは、藍や牛子は膝上だったが、風子は膝が隠れていて、それがまた、この女の子を幼く見せていた。


「君はいくつ?」


「もお!お兄ちゃんと一緒の高校生だよお!!」


おいおい!同じなのに、お兄ちゃんかよ!?


「はあ!?」


海は、なんだそれ!?と言った声を上げると、風子は怒った風に言った。


「そういう設定なんだから仕方ないでしょ!!」


 両手を腰に当てて、上目遣いに海を見て怒る姿は、やっぱり小学生にしか見えなかった。


怒ってる顔も、可愛いな


 海がそう思ってると、風子はニヤリとしながら言った。


「ねえねえ、お兄ちゃん!ところで私たちの違いは、分かった?」


わかんねーよ!!


んなもん、分かる訳ねーだろ!!!


 と、海は思ったが一応、丁寧に言った。


「分からないから、教えてくれる?」


 すると、風子は嬉しそうにスカートを指差して言った。


「ヒントは足だよ、お兄ちゃん!」


足?


 海は改めて風子の足を見た。


んっ?黒の綿の靴下だよな?きっと、膝上の?


 その上はスカートに隠れていて分からないが、海は風子が膝上の靴下を履いていると思った。


んっ?みんな色が黒か!でも、色合いや素材が違うのか?


 海は、三人の足をまじまじと見た。


 藍と牛子は、ストッキングだから、素材はナイロンか?てか、風子のも綿に見えて実は化繊でナイロンなんじゃね?


「分かった!濃さが違うんだ!!」


 海は自信を持って答えた。すると、牛子がメガネを右手の中指で、クイッと上げて海に言った。


「半分当たり!でも、半分不正解よ」


 海は首をかしげた。


「じゃあ、お兄ちゃんに正解を教えてあげるね!」


 風子は言うと、スカートのすそをたぐり上げた。すると、膝上までが隠れた靴下だと分かった。


「これはね、ニーハイって言うの!でもね、本当のニーハイは膝下なんだよ、膝上はサイハイなんだけど、膝より上をニーハイって日本では呼んでるの。和製英語なんだよお!」


ニーハイ?サイハイ?


なんだソレ!?


 海にとっては、どうでもいい情報だった。


「ハイソックスは膝下、ニーソックスは膝上!それより膝上だからニーハイソックス!って感じに勘違いされたのが、ニーハイなの!で、ニーハイよりも長いのが、サイハイってことになってるんだよ!!」


 風子は熱く語っていた。


いや、俺、興味ないから……


「そうよ!そして、これが……」


 すると、藍がスカートのすそをあげた。


ヤベー!見えちゃうって!?


 絶対領域ギリッギリのところで、素肌が見えた!!それは風子のニーハイよりも上のラインのところに履き口があった。


「これが、サイハイよ!!そしてデニールは60よ」


デニール?60?


 海が分からない顔をしていると、牛子が言った。


「ストッキングの、厚さと見た目を変える魔法の数字よ。ちなみに私のは40デニールよ、海くん」


 そう言うと牛子は、セーラー服のスカートをたくしあげた。そして、藍と同じく履き口が見えたが、そこには紐がつながっていた。


「この紐の意味は、もう見たから知ってるでしょ?」


 牛子はHな笑い顔をした。そうガーストだ!ガーターストッキングだ!!


「これで、違いが分かった?」


 藍が言った。


「ああ、なんとなく、だいたい……」


 海はあいまいに返事をした。


ガーストに、ストッキングの濃さに、靴下の名前が違うってことだよな?


「じゃあ、もっと違いを味わって!」


 藍はそう言うと、海の手を引いて立たせたかと思うと……




――バタンッ


「いて!」


 海に足をかけ、床に仰向けに倒した。すると、三人はベッドに座って海を踏みつけた。


「うっ!痛いって!!」


 風子の足は海の顔を踏んでいた。牛子の足はお腹、藍の足は海の足を踏み押さえていた。


「ねえ、お兄ちゃん!味わって」


 そう、風子は言うと、海の口の中にニーハイのつま先を突っ込んだ!!


「もごっ!」


こっ、これは!また、フルーティなパターンか!?


 海の口の中にジワジワと味が広がっていく。その味がなにか、分かる前のことだった。


「もごっ!?」


 その時、藍の足が、なんと海の股間を優しく踏んだのだ。


「もごっ!もごもごっ!!」


 優しく柔らかく、あそこを踏む藍。


「私も!」


 そこへ牛子も参戦した。


スリスリ


スリスリ!


「もごっ、もごっ!!!」


激しく抵抗する海!しかし、少女たちは片足で海を踏みつけ逃がしはしなかった!!そして、その上、海の両手と両足は縛られたのだった。


「ねえ、踏まれるのってどう?」


 藍がニヤリとする。


「マッサージみたいだよね?」


 牛子がスリスリする。


「ねーねー!美味しい?風子の味、美味しい!?」


 口の中に突っ込まれたニーハイの爪先。


このなんとも言えない甘酸っぱさはなんなんだ!?


 海は木苺を連想していた。そう海の口の中は、初夏の森林な味が広がっていた。


「ふごっ!!」


 海は、一段と声をあげた。明らかに踏み方が変わったからだ。


こっ、こするなよ!!


「あっ、変な反応!」


「もっと強いスリスリがいいの?」


 藍と牛子が見合って悪魔の笑顔を見せる。


 藍は根元を縦に、足裏でスリスリした。


 牛子は先端部を横に足裏でスリスリする


あっ!ダメだ!!それ以上やったら!!!


 海は、フルーティな風子の爪先を頬張りながら、苦悶の声を上げた。







「んっーーー!」


◇◇◇


「で、どうだった?」


 兄貴がニヤニヤしながら海に聞いた。


「スッキリしたけど、俺が求めてるのは、こういうスッキリじゃないよ!てか、アブノーマル過ぎるだろコレ!!」


「いやいや、そういった経験をするから、一般的な経験がよりいっそうの輝きを見せるんだよ!!」


 もはや、海には兄貴の狙いがなんなのか良く分からなかった。


「てかもう、手足をストッキングで縛られるのは勘弁だよ!!」


「まあまあ、気を取り直して!じゃあ次、行ってみようか!!」


 兄貴はニヤリとしたのだった。


つづく


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