第5話「ホニョホ~ニョ~!」
「さてさて、まだまだ海が現実では体験してないことを体験してもらうぞ!!もっと、ドキドキ体験があるからな!!」
「えっ!もっとドキドキ体験て!?」
海はちょっと、イヤな予感がしていた。海が求めているのは、いわゆる普通のHな体験なのだが、少しずつアブノーマルな方向に行っている気がするからだ。
「あっ兄貴、俺さあ」
「んっ?なんだ海?」
兄貴は、きっと現実で経験済みだから余裕だけどさあ。俺が一番したい体験は……
「えっと、おっ、おとなの、かいだんを」
「まあまあ、それも大事だが、そこに至る前にも色々とあるんだよ!!若いとさあ、すぐに結果を求めようとしちゃうけど、いろんな積み上げがあってこそ、最後の経験の深みが違うと思うんだよ!!」
なにやら兄貴は力説していた。
まあ、VRは兄貴の物だし、まあ、このまま行けば、最終経験は出来そうだから、ここは兄貴の誘いに乗っておくか……
海はそう思って兄貴に言った。
「分かった!じゃあ、次のを頼むよ」
「OK!!」
兄貴はニヤニヤしながら次の内容を決定したのだった。
◇◇◇
「おっ!お前ら一体なにしてんだ!?」
女の子が二人、水着で部屋の中にいた。それも、ブルブルと震えながら。
今までの流れから、ここは海の部屋の設定のようだ。だがしかし、なぜ、女の子が二人ブルブルしながら目の前にいるのかが良く分からなかった。でもまあ、海は二人の改めて美少女を眺めていた。
えっと、ツインテールの美少女で俺の幼馴染という設定の女の子の名前は藍だったな。
藍は、いわゆるスクール水着を着ていた。
もう一人の女の子は、サラサラの黒く長い髪にメガネをかけた美少女!で、俺の
あれ?名前はなんて言ったっけ?
「えっと、名前は何だっけ?」
「ひどーい!私の名前、忘れちゃったの!?」
従妹は怒って言った。
「ごめんごめん、ど忘れした」
「仕方ないなあ!私の名前は
えっ!マジ?マジで牛子なの!?
海は目を丸くしていた。
もうちょっと、名前をどうにか出来なかったのかよ!!
と、海は思いつつ、牛子の水着を見た。牛子の水着はピチピチの競泳水着だった。
ヤッベー!超くいこんでるじゃん!!
海は目のやり場に困った。名前なんか、もはやどうでもよくなった!!
てか、ブルブルしている理由が分かったぞ!!
海はエアコンのリモコンを手に取って見た。
「設定温度が18℃~!?どうりで寒いと思った!!」
ふと、海が牛子を見ると、ピチピチの競泳水着の胸に、寒さでポチッとなったB地区が見えた。
エロい!ヤバイ、エロさだ!!
そう思ったものの、ガン見して何を言われるか分からないので、すぐに目をそらした。
そりゃ~寒くてブルブルする訳だよ!!
海は、いったい二人が何をしているのかを改めて尋ねた。
「おっ!お前ら一体なにしてんだ!?」
すると、藍が言った。
「だって、海くんがいけないんだよお!」
「えっ!どういうことだよ」
「そっ、それは……」
藍が言いよどむと、牛子がかわりに言った。
「どっちが、海くんのふさわしいか勝負してるのよ!!」
そう牛子が言うと、テーブルの上にある二つのコップにペットボトルから、なにやら注ぐと、グイッと飲み干した!!
「さあ、藍も呑んで!!」
「分かってるわよ!!」
藍もグイッと、飲み干した。海はそのペットボトルを見た。ペットボトルには“PMの紅茶”と書かれていた。そして、そのペットボトルはキンキンに冷えていた。というか海が良く見れば、大きな紅茶のペットボトルが何本も部屋に転がっていた。
「なあ、いったいどんな勝負内容なんだよ!?」
海は二人に尋ねた。すると、藍が答えた。
「どっちが海くんにふさわしいか、我慢対決してるのよ!!」
えっ!対決?一体どんな勝負で!?
海は意味が分からなかった。
「えっと、なんの我慢対決なのだ?」
「そんなこと言えるわけないでしょ!!」
藍が怒ると牛子が言った。
「オシッコを我慢してるのお!!」
おっ、オシッコ!?
海の目が、さらに点になった!!
クーラーがガンガンにかかった部屋で、体を冷やすために水着になり、利尿作用のある紅茶を、さらには冷たくして飲んで、過酷な状況にしながら、美少女二人、どちらがオシッコを我慢出来るかを競っていたのだ。
おっ、俺を巡って、美少女がオシッコ我慢対決だと!?
海の想像の上を行くVR体験だ。
「いい海くん?私たちの対決を見ててね!!」
とにかくブルブルしながら藍が言った。そう言ったかと思うと、股間を押さえてうずくまった。
「大丈夫か!藍?」
「うん今、またオシッコしたい波が来てる」
突っ伏して言う藍。
「私は波を乗り越えたわ。でも、凄くうずくの」
牛子が海に寄りかかりながら、艶かしく言った。
「ねえねえ、オシッコ我慢すると、歯のところがムズムズするよね!あれ、なんか気持ちいいよね!!」
気持ちいい!?気持ちいいだと!!!
海は訳の分からない気持ちになった。
「うっ、海くん!」
藍が海を呼んだ。
「なに!藍?」
「ここ見て!」
藍は言うと、スクール水着のヘソ下の布をめくって見せた!
「なんで旧式のスク水って、ここがあいてるんだろうね?」
しっ、知るかよおおおお!!!
海は心の中で叫んだ!!
「それはね……旧式スク水のすそは、胸なら入ったHな水を、おヘソの下から逃がすためなんだよお!!」
藍はオシッコを我慢して、ほんのりと赤くなった顔で海に言った。
知るかあ!!Hな水ってなんなんだよおおおおお!!
海がそう思うと藍が声を上げた!
「はぁあああああ!!」
藍はさらに股間を押さえてうずくまった。オシッコを我慢しすぎて変なことを言ったようだ。すると牛子が言った。
「そろそろ、お風呂の水がいっぱいになったところね!さあ、最終決着をつけましょう!!」
牛子がそう言うと、藍もヨタヨタと立ち上がった。
「絶対に負けないから!!」
海は藍の言葉に、戦慄を感じた。
「海くんも来て!!濡れても大丈夫なように、そこに海くんの水着があるから!!」
「えっ!ええ!?」
戸惑っていた海だが結局、海も用意された水着に着替えると、先に風呂場に行った二人を追った。
「海くんはそこに座って見てて!!」
牛子が言った。風呂場には、水風呂の浸かった藍と牛子が浴槽の中で体育座りをしていた。海はその二人の前にある風呂椅子に座った。
「さあ!最後の勝負よ!!海くん、見届けて!!」
今にも、漏らしそうな藍が言った。体はとうに冷え切っていて、歯がガチガチ鳴っていた。
なんでこうなった!?
海は、オシッコを我慢し、プルプル振るえる美少女二人を眺めて困惑していた。
「あー!もう、出そう出そおおおお!!」
牛子が股間を押さえ身をよじりながら叫びだした。
「てか、俺がオシッコしたくなったよ!!」
「じゃあ、ここでしてもいいわよおおおお!」
海の言葉に牛子が返した。
「えっ!?」
「見ててあげるわあああ!!」
「見せられるわけないだろおおおお!?」
叫んで返す海。お風呂場はもはや、訳の分からない雰囲気になってきた。
「あっ!あっ!漏れちゃう!!」
藍が叫ぶ!!
「お風呂の中でしないでよおおお!!!」
牛子が叫ぶが、牛子の尻もジワジワと上がってきていた。
その時だった!!
「「もう、ダメええええええ!!!!!」」
二人が慌てて浴槽から飛び出した!!
「うっ、わっ!!!」
そして、飛び出した弾みに海の上にのしかかって来た!!牛子は海の股間の上に騎乗した。藍は牛子に向き合うように、海のオデコに乗っていた。
「あああああっ!!出るううううう!!!」
「ふんっ!もおおおおおおおおおお!!!」
―――じょろろろろー!!
――しゃーーーー!!!
藍と牛子は同時に、放尿した。
―――じょろろろろー!!
「うわー!!ゴボゴボ……」
藍のオシッコが、水が抜けにくいスク水の布に阻まれ、大量にしみ出しながら、海のオデコにドブドブとこぼれ、海の叫びが飲み込まれていく。
――しゃーーーー!!!
藍のオシッコと同時に、騎乗していた牛子のオシッコが、競泳の薄い布を勢いよく突きぬけ、黄色い放物線を描きながらが、海の顔にヒットした!
「ゴボゴボ……」
海の顔に、上からも前からも美少女の
「「はっ、恥ずかしい!!うっ、海くん!見ないでええええ!!!!」」
そして、お風呂場に美少女二人の声がこだましたのだった。
◇◇◇
マジか!旨かったぞ!?
海は驚いていた。実は口に入ったオシッコは、ちょっとしょっぱくて、美味しかったのだ。
「オシッコの味はどうだった?」
兄貴がニヤニヤしながら海に聞いた。
「それが、思ったより、塩味で美味しかった」
「なら良かった!一応、間違って口に入っても大丈夫なように、初心者用のフルーティー設定にしたんだよ!!」
兄貴は得意そうに言った。
「なんだよフルーティーって!?」
「本当の味だよヤバイだろ!!」
「知らねーよ!!てか、兄貴も試したのか!?」
「これでも開発元だぞ!作ったものは全部試してるって!!」
兄貴は胸を張って言った。
「……」
海は何て言っていいのか混乱した。
「そうそう!フローラル設定だと、オナラとゲップが薔薇の香りとか味わえるぞ!!」
「オナラもゲップも勘弁だよ!!間違って口にオシッコが入っただけだから、そんな趣味ないからね!!!」
海は顔を真っ赤にして言ったのだった。
つづく
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