第2話「パンツでポン!」

「さてさて、体験内容を変えるぞ!次は、ムフフだぞ~海!!」


 兄貴の壱は、海からVRゴーグルを受け取ると、ゴーグルの外側の画面をいじりながら、ニヤニヤして弟の海を見た。


「なるほど!その側の小さな画面は、内容設定用なのか!!」


「その通り!このVRにはすでに色んな、VR体験がインストール済みなんだ。この外側の画面すらも無くして、パソコンやスマホにつないでいじる方法も考えていはいるんだけど、VR本体だけで操作できる方が汎用性がいいからな!」


「だから、外に画面をつけたのか!!てか、次ぎはいったいどう、ムフフなんだよお!」


 海も、チョー楽しみのようだ。


「ほらよ!まあ、まずは論よりVR!とにかく体験するこった!!」


 兄貴は海にVRを手渡した。すると、海はゴーグルを装着すると手早く、スイッチを押した。


――カチッ




 海はさっきの遊園地に居た。


「一時間待ちだけど二人なら楽しいね!」


「わっ!」


 耳元で聞こえた藍の声に海はビックリした!


「何、驚いてるのよお!!」


 良く見れば、藍は腕を絡ませているのだ!そりゃ、すぐ側で声がするはずだ!!海は事態を把握した。


 その時、藍のツインテールからふんわりと、いい匂いがした。藍はさっきと同じく、白いワンピースを着ていて、白いスニーカーを履いていた。


てか、このVRは人工知能を搭載してるな!でなきゃ、こっちの行動に、こうも対応は出来まい!?


 海は声に出して兄貴に確認しようと思った。が、今はVR体験が先だ!!


「あっ!ごめんごめん、藍が可愛くってさあ」


どーせVRなんだし、楽しまなくちゃね!!


 と、海は笑顔で藍に答えた。


「えへへ!」


 藍は嬉しそうに笑うと、ギュッと腕にしがみついた。




―――もにゅっ


こっ!この感触は!?


 海の腕に藍の胸が当たっていた!!


おっぱいが


おっぱいが当たって


気持ちいいよおおお!!!!


 と、海は叫ぶのを我慢して、平然とした顔をしていた。そして出来れば、ずっとこのままで居たいと思っていた。


「一時間待ちだって!」


 藍が言った。海と藍は巨大ゴンドラの順番を待っていた。


 二人が順番を待っているアトラクションは、振り子のように行ったり来たりする巨大ゴンドラだ。だんだんとその振れが大きくなると、やがて一周し始めて、乗客から悲鳴があがるのだった。


 そんなスリル満点のアトラクションに、たくさんの人が集まっていて、長い行列が出来ていた。


 行列のずっと先を見た海。


「しかし、スゲー並んでるな!」


 先は階段になっていて、その上にも階段があって、ずっと人が並んでいた。


んっ!?


 海は、あることに気づいた。


パンツが見えるぞ!!


 階段で待つ女の子。その短いスカートからは白いパンツが見えていたのだ!


ヤベー!!チョー見える!!


 白いパンツのお尻はプリプリしていて、後ろクロッチの部分まで良く見えた。


やっぱ、後ろから見えるクロッチ部は、スゲー!ヤベーな!!


 海はとにかくワクワクの大興奮だ!!


てか!他にもいるぞ!!


 白にピンク、黄色に黒!!気づけば階段で待つ女の子たちはいっぱいいて、そのスカートから、色とりどりのパンツが見えていたのだった!!


やべーな!パンツ見放題だった!!


 と、鼻の下を伸ばしていると、隣の藍の声がした。


「もお!海くんのエッチ。パンツばかり見てないでよお」


 怒ってむくれる藍。


「ごめんごめん!つい目に入っちゃってさあ。アハハハ」


怒ってむくれる藍も可愛いなあ!!


 と、思いつつ海は藍に謝り、そして笑ってごまかした。すると藍は海の耳に口元をよせて小さくつぶやいた。


「もお!そんなに見たいなら







 あとで見せてもいいよ///」


「えっ!?」


 藍の言葉に驚く海!海はそう言った藍を見た。すると藍は、自分で言って顔を真っ赤にしていた。


あとで見せてもいいって!?いったいどんな展開が、このあと待ってるんだ!?


 海の興奮はさらに高まっていた。


 その時だった!!


「ちょっとお!私の海とイチャイチャしないでくれる!?」


 サラサラの黒く長い髪。そしてメガネをかけた、これまた美少女が現れた!!


「あなた、いったい誰よ!?」


 藍は現れた美少女に言った。


「私は海の従妹いとこよ!!」


おいおい!三角関係かよ!?


 と、海は慌てた。


「いいから、ツインテちゃんは、海くんから離れてくれない?」


「はあ!何言ってんの!?どこかに行くのはあなたの方でしょ!?」


「これだから、ツインテールの可愛い子ブリッコは困るわよね!海くんは私みたいな清楚な女の子が好みなのよ!!」


「清楚?どこが?ただ黒髪ロングストレートに、メガネをかけただけじゃない!?」


「うるさいわね!ブリッコ!!」


「うっさい!メガネブス!!」


 美少女二人に挟まれながら、ただただ困る海なのであった。


◇◇◇


「どうだった?」


 兄貴はニヤニヤしながら海に聞いた。


「どうだったじゃないよ!パンツ見られてラッキー!と思ってたら、二人に挟まれて参ったよ!!」


 海は本当に困って頭をかきながら言った。


「もっと穏やかにパンツが見たいよ!!」


 本音だった。


「そうか!それじゃあ、これならどうだ?」


 兄貴はまた新たに体験内容を変えたのだった。


◇◇◇


あっ!そうだった。兄貴に、このVRに人工知能が搭載されてるかを聞くんだった!!


 と、海が思うが早いか、海は別世界に飛ばされていた。


「海くん、この間はゴメンね」


 海の目の前には、あの黒髪ロングストレートでメガネをかけた美少女がいた。


この間?ああ!さっきの遊園地での体験のことか!!


 海は即座に理解し美少女に答えた。


「ああ、遊園地のこと?」


 海と美少女は部屋の中に居た。美少女はベッドに座っていた。ミニスカートからは40デニールで、ほどよく透け感のあるストッキングの足が伸びていた。


「うん、遊園地ではケンカになっちゃってゴメンなさい」


 謝る美少女は可愛いかった。美少女は長くサラサラな黒髪を耳にかけた。


「そう言えば海くん、遊園地でパンツ見てたよね?」


「えっ!ええっ!?」


なんでまたその話題に!?


 海が慌てていると、美少女は言った。


「ねえ、海くんはストッキングにも興味ある?」


「えっ!はいっ!?」


すっ、ストッキングって、あのストッキングのこと!?


 海がしどろもどろしていると、美少女は自分のスカートのすそを持ち、少しずつ上にずり上げていった。


えっ!上にあげたら、見えちゃうじゃん!?


 海の目は美少女の絶対領域に釘付けだった。


えっ!!


くっ、黒い紐!?


 ストッキングの履き口が見えたと思うと、そこには黒い紐が現れた。


「私、ガーターストッキング履いてるの。ねえ……







 もっと、上を見てみる?」




――コクンッ


 海は黙って、うなずいていた。


 すると、ずりずりとスカートのすそがせり上がった。


うわっ!マジか!?


 すると、ストッキングとつながった二本の黒い紐の間に、黒いパンツが見えたのだった。


「これが、ガーターベルトっていうの」


 美少女は黒い紐を人差し指でなぞると、黒いパンツの上にある黒いベルトを指差した。


「そっ、そうなんだ」




――ゴクリ!


 海の喉が鳴った。


 目の前には、黒いガーターベルトにつながれた黒いストッキングと、そしてぷっくりと形を現した黒いパンツがあった。


ヤッベー!黒にクラクラする~!!


 海は生まれて初めて見た、ガーターストッキングに自分の情報処理がついていってないのを感じた。


「ねえ、知ってる?ガーターの紐って……







 パンツの下を通すんだよ」


下を通る理由を知ると、どうなるんだあああ!!!???


 美少女のささやき声に、海はさらなる世界に踏み込んでいくのだった。


◇◇◇


「どうだ?良かっただろ!!」


 兄貴はニヤニヤしながら海に聞いた


「ああ、じっくりと見れたし」


「見れたし?」


「紐を下に通す意味を知ったよ!」


「そうか!」


弟よ!大人になったな!!


 と、兄貴は深くうなづいた。


「マジ、いいだろ!ガースト万歳だろ!!」


「ああ、万歳!!!だったよ」


 海は兄貴に大賛成だった!


「そうだ!兄貴に聞こうと思ったことがあったんだった」


「なんだ?」


「このVRは人工知能が搭載されてるだろ?」


「ああ、当然さ!!いくらVRの世界が”本物”になっても、そこに出てくる人間がワンパターンだと、違和感を感じちまうからな!この間、解析が終わった人間の脳から作った最新の人工知能で、出てくる人間をコントロールしてるから、どんな行動にだって対応できるんだぜ!!」


 海は兄貴の言葉を聞いて驚愕した!!


「どんな行動にもって!?」


これは凄いことになりそうだ!!どんな行動って、どんなんなんだ!?


 海は改めて最新の技術の凄さを感じていたのだった。


「さあ!お待ちかねの次の体験をセットしたぞ。次のはさらに凄いぞ!!これぞVRのお楽しみ!ウハウハ体験だ!!鼻血出すなよおお!!!」


つづく


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