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歯茎が痒いので歯磨きをする


唾液や歯磨き粉ではない触感に首を傾げながら鏡をよく見ると歯と歯茎の間から蛆虫がでろでろと湧き出していた

溢れ止まらない蛆の濁流を吐いて吐いて吐き続けて、ついには歯も茎も吐き出して

口の中が空っぽになったところで目が覚めた


逃げ場のない地獄

止まぬ不快

鳥肌と、噛み合わせ食いしばることのできない歯痒さに

とても涼しく夏の夜を過ごすことができた

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徒然 タカりん @takarinn

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