SHOCK 13
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――“甲州征伐による諏訪法華寺の祝賀の席で、参加諸将に対する論功行賞が発表された。”
信長は“
――そして……
“明智光秀所領の丹波と近江を没収し、出雲と石見を与えた。”
出雲と石見はいまだに毛利領にある。信長は光秀の所領を没収しただけではなく、皆の前で光秀のプライドを粉砕した。
歓喜に沸く祝賀の席で、光秀は主君である信長にこう述べた。
「上様におかれましては、ここまでになられたことをお慶び申し上げます。これで我らも骨を折った甲斐がございました。ですが、所領没収とはあまりにも理不尽ではござりませぬか」
これまで信長に忠義を尽くし、功績を挙げてきたという自信が、光秀を暴挙に駆り立てる。
だがその発言により、その場は一瞬にして凍りつき、信長の怒りの導火線に火を点けることとなった。
「明智光秀よ。貴様に何の功があったと申すのだ!」
所領を没収されたことの不満を口にし、甲州征伐は己の功績だと言わんばかりの発言に、信長の怒りはついに爆発する。信長は“衆人の前で光秀を欄干に打ち据え”、容赦なく暴行を加えた。
「上様!お止め下さい!上様!」
あたしと蘭丸は必死で信長を止める。
だが信長の怒りはそれだけでは治まらなかった。
「貴様がこのわしに何をしたか、胸に手を当てよく考えよ」
額から血を流し愕然とする光秀に、信長は冷たく言い放った。この時、信長に対する光秀の忠義が、憎しみへと色を変えた。
◇
――同年、5月。
信長は光秀に新たな任務を与えた。
「徳川家康殿の接待役を命ずる」
「……接待役でございますか?」
「駿河国加増の礼と甲州征伐の祝勝会に、安土城に参られることとなっている。手厚く持てなすように。よいな」
光秀は信長の信頼回復のために、徳川家康を誠心誠意持てなしたが、信長は不満を露わにした。
もはや、光秀がどんなに尽力し功績をあげようと、信長が正当に評価することはなかった。
あたしは光秀の謀反を回避するために、信長に助言したが、信長は「女が政治に口を挟むな」と、耳を傾けなかった。
「上様、
「秀吉からの使者とな」
“備中高松城攻め(中国攻め)を行っていた秀吉の使者から、援軍の依頼”を受けた信長は、徳川家康の接待役をしていた光秀を部屋に呼びつけた。
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