信長side
34
“1546年(天文15年)
古渡城にて元服し(13歳)、上総介信長と称する。
1548年(天文17年)
父信秀と敵対していた美濃国の斎藤道三との和睦が成立した。”
◇
夜分、馬を走らせたくなり家臣とともに城を抜け出し山中を走る。
月に照らされた白い山肌はとても美しく、寒さも忘れるくらい心地よい。
馬を走らせるていると、前方の草むらが揺れた。
我が身を狙うくせ者か、はたまた獣か。
手綱を引き、馬の走りを止め腰に差した刀に手をかける。
ガサガサと枯れ葉が揺れ、暗闇に人影が浮かぶ。月に照られたその横顔は、見たこともない風貌の異人。
「名は何と申す?」
異人は家臣を見据えたまま、首を左右に振る。
長き髪は茶色。その髪を馬の尻尾の如くひとつに束ね、黒目がちな大きな目を見開き、白い肌に黒き唇。
一見怯えた風でもあるが、その眼光は鋭く光り、唇を一文字に結んでいる。
黒い服の背中には、色鮮やかな赤い牡丹の花に戯れる黒い蝶と紫色の蝶が刺繍され、赤い文字で黒紅連合と書かれていた。
何処の国から流れ着いた異人なのだろうか?
黒い
「信長様、この者を捕らえますか?」
「好きにしろ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます