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◇◇
サワサワと葉の揺れる音がし、冷たい風が頬を撫でる。肌を刺すような寒さに重い瞼を開く。それもそのはず、あたしは降り積もった雪の上に倒れていた。
周囲は暗闇に包まれ、住宅の灯りも車のライトも、外灯すらない。あるのは夜空に浮かぶ月。
一体……
ここはどこ?
あたしは……
なぜ、こんなところに……?
……いや、違う。
あの時、大きく地面が揺れた。
あれは巨大地震……?
それとも……?
倉庫の床に亀裂が走り、地面が隆起した。床の亀裂は化け物の口のように、大きく裂けた。あたしは穴の中に吸い込まれるように転がり落ちた……。
――そのあとの……
記憶がない。
体を動かそうとしたが、月華に受けた暴行で節々が激しく痛む。寒風は容赦なく傷付いた体から体温を奪う。
ふと、無残な美濃の姿が脳裏に浮かんだ。傷付いた喜与や那知、璃乃。助けに来てくれた信也……。
「……美濃。信也……!喜与!那知!璃乃ー!」
声を上げ名を叫ぶ。痛む体を起こし草むらを捜したが、美濃の姿も喜与達の姿も何処にもなかった。
美濃や喜与達は……
まさか……雷竜会に……。
みんなを助けなければ……
早く助けなければ……。
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